NTT ATHLETE
世界をめざせ!NTTアスリート
Our Athlete
私たちのスピードと攻撃力を世界に見せつけたい
長谷川 暁子
ビーチバレーボール
インドアバレーのトップ選手からビーチバレーに転向、スピード感あふれるレシーバーとして国内外での大会で活躍してきた長谷川 暁子選手。
2017年から二見 梓選手とペアを組み、2020年の出場権獲得に向けて日夜トレーニングに励んでいます。
インタビューでは、ビーチバレーとの出会い、競技やペアについての話題、そして、ご主人である長谷川 徳海選手とのプライベートの話題、さらには女性が気になる「紫外線対策」の話題に至るまで、楽しいお話をたくさん伺いました。
初めて出場した大会で準優勝!ビーチバレーの世界へ
- 長谷川選手はインドアバレーのトップ選手として活躍、VプレミアリーグのNECレッドロケッツではキャプテンも務められていました。2014年4月に引退され、その翌年ビーチバレーに転向されたのですが、そもそもビーチバレーを始められたきっかけについて教えていただけますか。
- バレーを引退してからはOLをしていました。体を動かすこともせず、普通に社員として働いていたんです。
半年くらいして、ちょっと体も鈍ってきたからスポーツでもしようかなって思っていたとき、たまたまプロのビーチバレー選手の友だちから今度大会があると聞き、思わず「出たい!」という気持ちになり、その試合に出場したのがきっかけです。
- 半年のブランクがあったにもかかわらず、初めて体験するビーチバレーの試合。結果はいかがでしたか?
- そのプロの友だちとペアを組んで出場したジャパンツアーの大会(川崎市長杯)で準優勝しました。
- それはすごいことですね!
- 大会に出場したことでビーチバレーの面白さを知りました。そこで、翌月の日本代表選考会に合格できたら本格的に始めようと思ったんです。
- 代表に選ばれて、ビーチバレーを頑張ろう!と。
- 本格的に始めようと思い、会社を辞めました。会社のバレー部のマネージャーには反対されました。「もう今しかないんでやります!」といって押し切る形になりましたが(笑)
でも、やはりインドアのように良い環境のなかで練習やプレーができるのと違って、ビーチバレーは選手2人ですから、その選手とうまくいかなかったら1人になってしまうし、試合にも出られない。状況としては決して恵まれたものではありませんから、そこを心配していただいたのだと思います。
ただ、その反面、自分の好きなようにできるっていう魅力もありましたね。 - やはり、アスリートの本能としての血が騒ぐのでしょうか。
- そうですね。私はどちらかというと何事も楽しむタイプだと思います。また楽しくないと続かないと思います。
自分が一生懸命に取り組める場所があることが楽しい。何事もやると決めたらそれなりに楽しむことができると思います。その時の私にとってビーチバレーをやることが魅力的だったというだけで。
やる前から悩むよりも、いろいろとトライして、あ〜!失敗した!って感じたい。食べ物とかと一緒だと思います。食べて、うわ〜、ダメだった!おいしかった!と実感したいんです。「挑戦して感じること」が好きなタイプかもしれないです。(笑)
「私たちは攻撃型のチーム。でも海外勢はもっとアグレッシブ。」
- 2017年からペアを組んでいる二見梓選手との関係についてお話しを伺います。二見選手とペアを組むきっかけについて教えてください。
- ちょうど大きな国際大会も終わって、スポンサーや今後の体制をどうしようかなあと考えていた時期でした。そんな時に二見から声をかけられたんです。
彼女は背も高いですし、パワーがあるし、真面目なところもすごく魅力だと思います。ペアを組むということは一対一の関係ですから、人間としてある程度、お互いにリスペクトできないと今後続けていくのは難しいので、そういった面でも彼女と一緒なら真剣に取り組めると思いました。
- 長谷川さんと二見さんの試合を拝見すると、非常にアグレッシブでパワフルなチームだと思いました。
- そうですね。私たちは攻撃型のチームです。ただし海外の選手たちは私たちよりも遥かに体も大きくてさらに攻撃的です。190cm超えている選手も普通にいるんですよ。
- 何か特別な練習やトレーニングはしていますか?
- トレーニングは週3-4回しています。私たちのペアはトレーニングをかなり重視する方針です。私も二見もトレーニングした方が体のキレもいいし、動きも良くなりますから、継続してやっています。
私は積極的にガツガツやるタイプなので、スクワットでは120kgくらいの重りを持ちます。
それから、背中を使うトレーニングも意識しています。やはり前の方の筋肉が付きやすいから、後ろ側を鍛えないと衰えてしまいますし、姿勢が良くないとボールが弾けないし、体を動かせないので、うまく早く動かすためには姿勢維持がすごく大事なんです。
ですから、体の後ろ側、お尻とかハムストリングとか背中はかなり鍛えています。 - 観戦するときは長谷川さんの後ろ姿に注目ですね。
- そうですね。肉体美も注目してください。 (笑)
- 年齢的には7歳下の二見選手ですから、長谷川さんがお姉さんのように引っ張っていくような関係ですか?
- そんなことはないと思います。私たちには上下関係があるわけでもないんですよ。
でも私の方が年上だから、彼女も多少は気を使っているかも知れません。私はあまり年上感を出さないようにしています。 - 友だちという関係とも違いますか?
- 目標に向かって一緒に歩むパートナーだと思うので、そこはちょっと違うかもしれないですね。友だちのようにあんまり近すぎても良くないんですよ、ビーチバレーって。
- やはり6人と2人では関係性とかコミュニケーションも大きく異なりますよね。
- そうですね。とくにビーチバレーはどちちかが狙われて負けるというケースが多いんです。
どちらか一方にボールが多く集まってミスが多かったりすると、どちらかのせいになりがちです。そういうこともこれまでの経験で理解しているので、そうならないようにしています。
そのためにはパートナーのことを気にし過ぎてもダメだし、気にしなさ過ぎてもダメ。今はいろいろ試行錯誤しながらチームを作り上げている最中です。
- 来年の5月に2020年の出場枠が決定しますね。
- そう!楽しみですね、私は。まだ成長段階のチームですから、あと半年あったらまたすごく良いチームにできると思いますし、あとどれだけできるんだろうっていう気はしています。たまにうまくいかない時もありますが、大きく見たら上り調子だと思います。
- 2019年は5月の品川大会、8月の全日本ビーチバレー女子選手権大会、9月の都城大会で優勝。チームも上り調子と言って良いのでは?
- はい、良くなっていると思うので、このまま練習していったら良いチームにできると思います。チームも良くなってきているので、このままいきたいですね。
「夫婦の会話はすべてが情報収集みたいになっています。」
- ご主人の長谷川徳海選手も日本代表選手として活躍されています。ご家庭で競技の話などはされますか?
- しますします!ふたりでお互いの試合のビデオを見たりしています。
片方が自分の試合の映像を見ながら「ほら、このプレー良くない?見てよ!」「これ、こうやったんだけどどう?」みたいな会話をしています。 - いいですね。ただ、ダメ出ししたり、されたりして喧嘩になったりしませんか?
- ないですね。というのも、私たちはポジションが違うんです。私はレシーバーで主人はブロッカー。あとビーチバレーって女子と男子で違うんです。
女子だと繋ぎとかラリーが多くなったりすることもあるんですが、男子の方は派手にバンバン!って、パワーがすごく重要だったりするので、お互いの意見とかアドバイスは素直に受け止められるのかも知れません。一生懸命やっているのも知っていますし、お互いにアスリートとしてリスペクトしています。
また、彼がミスをしたプレーを見ながら「何でこんなプレーになったの?」って聞くときもあるんですが「いや、何か相手のこの動きが気になっちゃって…」と言われるとそれがヒントになります。なるほど、私もライバルに対してその動きを使ってみようって。すべてが情報収集みたいになってます。 - ご家庭で料理は作ってらっしゃいますか?
- 作っています。私、料理を作るのが好きなんですよ。コーヒーは毎朝、主人が入れてくれるんですよ。うちはコーヒーをミルで挽くんですがとても美味しいんです!
- アスリート同士ですから、食事には気を使われると思いますが。
- タンパク質ですね。やはりタンパク質を多めに摂れるように意識しています。あとバランスのよい食事に気をつけています。
近所のおばあちゃん秘伝の「手作りパック」
- ビーチバレーは屋外の競技ですから、やはり気になるのは紫外線。お肌のお手入れなど何か特別なことはしていますか?
- 日やけ止めは必ず塗っています。特に顔の日やけ止めはしっかりと。
体にも塗るんですが、やはり汗と砂ですぐに取れてしまいます。また、あまり塗りすぎるとボールが濡れてしまって、次の人がトスしにくくなります。すごく晴れている日は塗りますが、あまり晴れていない時は体には塗らないです。
ただ、顔だけは塗ります(笑)。日焼けがすごいし、乾燥がすごいんです。そうそう、最近は乾燥対策で手作りのパックをしています。 - 手作りのパック?
- 近所の知り合いのおばあちゃんのお肌がすごく綺麗で、その理由を聞いたら教えてくれたんです。酒粕と豆乳をハンドミキサーで混ぜて作る手作りのパックです。これらを混ぜるとクリーム状になるんですが、洗顔した後に塗って、ちょっと置いておいて軽く洗い流すだけなんです。
「砂の舞い上がった臨場感、スパイクの音や速さを体感してほしい。」
- ビーチバレーの試合の見どころ、観戦のポイントを教えてください。
- ビーチバレーは観客と選手が一体となって楽しむスポーツだと思います。音楽も流れているし、DJもいるので、お客さんも一緒に見て楽しんで盛り上がっていただくのが一番だと思います。
- やっぱり観に来て欲しいですよね。
- そうですね。実際に来てもらえると砂の舞い上がった臨場感や選手の息遣い、さらにプレーについてもより楽しめると思います。「こんなボール、繋がるの?!」という驚きとか、スパイクの音や速さ、たくさんのことを肌で感じることができます。
あと、屋外の競技ですから、風も感じると「今、風でボールが変化したよね!」というのもわかると思います。その風を使ってボールを落とすテクニックや計算高いプレーとか、そういうことが分かってくるともっと面白くなると思います。
- 長谷川選手の「このプレーを見て欲しい!」というところはありますか?
- 私はレシーバーなので、レシーブしてから攻撃に移るんですが、そのアグレッシブなプレーだったりスピード、私たちのチームの強みである攻撃力を見てもらいたいです。一層楽しめるのではないかと思います!
- あと背筋も。
- あ、そうですね!(笑)体も鍛えているので見てください!
常に前向きな長谷川選手の発言や表情は、明快でポジティブ。
面白そうと思ったらまずやってみるという行動力、常に挑戦することが楽しいという考え方は、アスリートのみならず、すべての人々に元気と勇気を与えてくれるようです。
2020年、世界の強豪選手を迎え撃つ長谷川選手の戦いぶりをぜひ東京で見てみたい。その日のために、私たちも全力で応援していきたいと思います。
<2020年5月、代表決定戦を開催予定!>
2020年5月23日、24日にJR高輪ゲートウェイ駅前特設会場で、女子ビーチバレーボール日本代表チーム決定戦の開催が予定されています。応援よろしくお願いします。
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長谷川 暁子
- 友人に誘われて小学校3年生からインドアバレーを始める。文京学院大学女子中学校・高等学校、青山学院大学を経て、NECレッドロケッツに入団。V・サマーリーグ2連覇に大きく貢献するなど活躍。2015年にビーチバレーボールへ転向。国内トップツアーでの優勝、海外ツアーで世界の強豪相手に表彰台に立つなど上位入賞を重ねる。