最先端が現実に 最先端が現実に
端末側に内蔵していた必要機能をネットワーク上に配備し、通信によって連携することが可能。
対応するスタッフの会話を同時翻訳し、透明ディスプレイの両側で、個別の翻訳情報を表示。
未来のテクノロジーは、もっとやさしくなれる。
技術革新によって、より高度化・複雑化していくユーザーインターフェース。利便性の追求と共に、“ユーザー”の解釈とインターフェースのあり方は、その状況や時代と共に変化する。デジタルの社会実装において、誰もが簡単かつ自然に利用できることは、一つの重要なテーマでもある。
2021年に行われた国際的なスポーツ大会は、まさにそんな次世代の技術を体現する場でもあった。
世界最大規模のスポーツの祭典であるため、大会運営の現場では臨機応変な対応が求められる。とりわけ、来場者や選手と大会運営スタッフの、言語の違いによるコミュニケーションロスをサポートする必要があった。言語の違う人とのコミュニケーションを円滑にするために、端末はどのようなサポートができるのだろうか?必要なサポート機能を、いかにシンプルで使いやすい端末で実装するか?その問いに答えるべく 開発されたのが、NTTの機能分散通信技術「CUzo」(クーゾ)だ 。“機能分散通信” とは、これまで端末側に内蔵していた必要機能をネットワーク上に配備し、通信によって連携すること。それにより、端末そのものは、シンプルな構造や軽量化が可能となる。さらに、ユーザー個々のニーズに対応する複雑な機能の実現も簡単になった。
「CUzo」によって、これまでは操作が難しかったような、高度なアプリケーションやサービスが、子供や高齢者でも使えるものになっていくー。そんなやさしい未来が始まった。
言語の壁を超えて、“おもてなし” をサポートする。
2021年に行われた国際的なスポーツ大会では、「CUzo」の通信技術に準拠した透過型ディスプレイ搭載の端末100台を、3会場の大会スタッフに配布。来場者の観戦体験の向上を支援する、2つのシステム実証実験を行った。
1つは、リアルタイム翻訳サポート。言語の異なる来場者や関係者と、対応する大会スタッフの会話を同時翻訳し、透明ディスプレイの両側で、個別の翻訳情報を表示。お互いの表情も確認出来る状態で、スムーズな対面会話を出来るようにした。
もう1つが、AR(拡張現実)や3D表示による情報案内システム。会場設備情報や座席までの経路を透過型ディスプレイに表示し、その場から見える風景と重ねて視認できるため、より直感的かつ正確な案内が可能となった。
新型コロナウイルスの影響で、会場案内などの業務サポートにも、フィジカルディスタンスを取る必要があった。その中で、「CUzo」の技術と連動するこの透明ディスプレイが、人と人を繋ぐインターフェースとなり、スタッフのおもてなしの心が伝わるコミュニケーションをサポートした。