3月21日、NTT パビリオンで提供する体験に関する報道発表を行いました。
NTTは、コミュニケーションの進化をテクノロジーの発展とともに支えてきました。
幸せな進化とは何か? NTTグループも未来のために、今何をすべきか、議論を進めてまいりました。
NTTが万博にご来場いただく皆さまへ伝えたい思いは「まるで隣にいるような、存在を感じる未来のコミュニケーションを創出」と「低消費電力社会を光で実現」の二つです。
コミュニケーション手法は、手法は、通信の高速化やテクノロジーの進化に伴い、より相手のリアリティを感じられるコミュニケーションに発展してきたと言えます。
手紙や電報など視覚でのコミュニケーションから、
電話という聴覚を中心としたコミュニケーション、
更には視覚・聴覚を利用するリモート会議など、
テクノロジーの進化と人間の感覚が掛け合わさることで、よりリアルなコミュニケーションが誕生してきました。
そんなコミュニケーションが進展するなか、2020年の地球規模のパンデミックを契機に、急速に世界中にリモートでのコミュニケーションが浸透し、人々の働く場所や生活する場所の選択肢は大きく広がりました。
その発展は今後も進み、人類の活動領域は地球から飛び出し、月をはじめ宇宙まで広がりを見せる未来がまもなくやってこようとしています。
未来社会では、お互いの距離による影響が極めて少なく、かつ、視覚・聴覚に加え、人間の五感である、触覚、嗅覚、味覚を使った、より相手のリアリティを感じる、「まるで相手が隣にいるような、存在を感じるコミュニケーション」が当たり前になるとのではないでしょうか。
大阪・関西万博では、リアルタイムで空間が伝送される、世界初の体験を提供します。
吹田の万博記念公園と、NTTパビリオンを次世代情報通信基盤であるIOWNで繋ぎ、視覚・聴覚に加え触覚振動も遅延なく送ることで、二つの空間そのものが一つとなり、まるで隣にいるように感じる体験を提供いたします。
その世界初の体験のゲストパフォーマーとして、世界的ポップユニットである、Perfumeを迎え、驚きある体験を提供します。
NTTパビリオンを体験している皆さんの表情をIOWN光コンピューティングでリアルタイムで解析し、笑顔が多ければ多いほど、パビリオンを覆う幕が揺れ、パビリオンの外にいる人々に盛り上がりを届けます。
パビリオンの幕を見た人々が、パビリオンの中で何が起こっているのか興味を持って、自分もNTTパビリオンを体験したいと思っていただけたらよいなと思います。
これらは、膨大なデータ量を、瞬時にかつ自律的に解析する様々なAIと、解析結果を伝送する高速大容量・低遅延のIOWNが基盤となります。
そのうえで、今回万博に組み込む技術は多くありますが、NTTの特筆する技術として、「動的3D空間伝送再現技術」や、「触覚振動音場提示技術」などがあります。
動的3D空間伝送再現技術は、動いている対象物を周囲の空間も含めてセンシングし、それをリアルタイムで点群化する技術です。
「触覚振動音場提示技術」は単純に対象物の振動を計測するだけでなく、対象物の位置情報も含め音響空間として把握します。
これらの技術を組み合わせ、離れた場所に届け、空間をまるごと正しく再現いたします。
生成AIの出現により、AIはかつてない勢いで利用が増加しています。
AI市場は、2030年には、2021年実績比で20倍に成長すると予測されています。
そのような急速に普及拡大する生成AIですが、右側のAI処理の拠点となるデータセンタの電力消費量の推移にあるように、2030年にはデータセンターだけで、2022年度の東京全体の電力需要量を超え、2050年には、2022年度の日本全体の電力需要量を超えることになります。
そのようなAIの進展による便利さ・豊かな暮らしの実現と、低消費電力の両立を目指すのがNTTが2019年に発表したIOWN構想です。
2032年度にはIOWN4.0として、チップ内も光で接続して電力消費を1/100に効率化させることを目指します。
光電融合デバイスを発展させていくことで、更なる消費電力の削減を図っていきます。
電力消費1/100への第一歩として大阪・関西万博では、初の光電融合デバイスをコンピュータに応用して電力消費を1/8にします。
IOWN2.0として、ボード接続用の光電融合デバイスを世界で初めてサーバーに実装し、さらに、ハードウェアのリソースを効率的に利用する技術も組み込むことで、電力消費が1/8となるIOWN光コンピューティングを実装します。
これは、私たちの思いである「低消費電力社会を光で実現」に向けた大きな一歩となるものであり、万博での活用を契機に、このIOWN光コンピューティングは2026年度に商用化させ、更に開発を加速してまいります。
NTTパビリオンの体験テーマ 「Parallel Travel」
NTTパビリオンは3つの建物で構成されており、1つずつ建物を巡りながら、時空を旅する体験をお楽しみいただきます。
Zone1プロローグ:「コミュニケーションの進化と普遍」
Zone2:世界的テクノポップユニットのPerfumeをスペシャルパフォーマーとして迎えた、「IOWNによる3D空間伝送体験」
Zone3:バーチャル世界でのもう一人の自分、「Another Me 未来の可能性との出会い」を体験
体験に要する時間は20分程度/1回最大70名のツアー形式
夢洲のNTTパビリオンと吹田の万博公園をIOWNでつなぎ、「動的3D空間伝送再現技術」と「触覚振動音場提示技術」で、世界で初めてのリアルタイム3D空間伝送体験を実現します。
吹田側では20数台のセンサーやカメラで、数メートル四方単位で、Perfumeのパフォーマンスを含めた空間を計測、その情報を夢洲に伝送し再現します。
計測・撮影された膨大な3次元の点群データと画像データを組み合わせたうえで、リアルタイムで3Dデータを高解像度化するNTTの独自技術を使うことで、ヒトやモノの動きを含む空間情報を高精密かつ高速に遠隔地に伝送・再現することが可能となっています。
また、夢洲側では吹田側から届く位置情報を含む振動データを再現するため、百数十個の振動子(振動を再現する部品)が床に埋め込まれています。
これにより、離れた場所にある空間そのものが、臨場感を伴ってリアルに再現されていることを感じてただけます。
このリアルタイム3D空間伝送は4月2日に実施します。
会期中にご来場いただく皆様には、その収録データを活用した体験プログラムをご提供いたします。
左側は、通常の状態。風を受けて柔らかに揺れていますが、右側は、来場者の笑顔を反映し、人工的に揺れている様子です。
パビリオンの来場者の笑顔の分析に使われているのが、万博会場の外にある、「光電融合デバイス」を実装した「IOWN光コンピューティング」です。
映像データが転送されると、IOWN光コンピューティングで瞬時にAI解析し、その結果を建物に反映させて人工的に幕を揺らしています。
来場者の盛り上がり状況に応じ、複数のパターンの揺れが表現されます。実は、揺れとともに音も鳴ります。
揺れる幕や音に気付いたパビリオンの外の人が、NTTパビリオンに興味を持っていただけると、内と外が通じ合います。
そんな、モノを介してヒトとヒトのコミュニケーションがより深化する未来の先駆けとなる技術の実装です。
もうひとつの万博、バーチャルEXPOにおける、バーチャルNTTパビリオンのご紹介です。協会公式プラットフォーム「バーチャルEXPO 空飛ぶ夢洲」は、NTTドコモグループが協賛により構築します。そのバーチャル空間にも、NTTパビリオンを出展します。
バーチャルNTTパビリオンでは、リアルのパビリオンの雰囲気を感じていただきつつも、バーチャルならではの体験を提供します。一番の目玉は、未来の職業に就いて活躍するもう一人の自分との対話体験、Another me Planetです。顔写真を撮っていくつかの質問に答えると、未来の仕事についているもう一人の自分、Another me が現れます。NTTの生成AIであるtsuzumiとNTTの音声合成技術も使われており、対話することができます。
Another Meとの対話を通じて、新たな自分の可能性に気づく、そんな体験をお届けします。
世界で活躍するファッションデザイナーである、アンリアレイジ社の森永邦彦さんにデザインを担当していただきました。
パリコレでも長年活躍されている森永氏は、ドバイ万博において日本館のアテンダントユニフォームのデザインの担当もされています。
分断や格差を超え、点と点がつながり、感覚を共有することで人間の可能性を拡張する未来のコミュニケーションを服で表現いただきました。
アウター・ポロシャツ・バッグ・帽子・ロゴバッジの5点で構成され、デザインはもちろんのこと、生地やプリント方法など細部にまでこだわり、機能性と環境への配慮を両立したものとなっています。
本ユニフォームを着用し、来場者のみなさまをお迎えするアテンダントは、NTTグループの社員を中心に構成いたします。万博期間中、NTTグループ各社の社員約2,300人が交代で、来場者のみなさまをお出迎えします。
また、運営においてアテンダントは、NTTの特許技術を搭載したマイク型デバイス「BONX Stick」を装着します。
BONX Stickは、騒音を低減し話し手の声をクリアに伝えることが可能ですので、アテンダント同士が屋内外で密にコミュニケーションをとりながら、スムーズなご案内をいたします。