NTTグループは、幅広い技術分野において基礎から応用までの研究開発に取り組む、世界でも類を見ない通信事業者として長年にわたり知財投資(研究開発投資)を積み重ねてきました。
NTTグループは、新たな価値創造と地球のサステナビリティのために挑戦し続けるNTTグループの事業に安心安全を与え、成長を支えることを活動方針と定め、知財戦略の立案、知財投資により得られた成果を知的財産として適切に保護、他者の知的財産を尊重しながらの活用を進めています。
NTT知的財産センタは、NTTグループの知的財産活動をマネジメントする中核組織として、経営戦略に即した中期的な視点も加味しながらグループ共通的なマネジメント方針を策定し、「NTTグループ知的財産管理会議」を通じてグループ各社の知的財産部門と連携し、情報共有や議論を重ねながらマネジメントを図っています。
また、同会議の配下には知的財産にかかる法制度や業務に特化した連絡会を設置し、国内外の制度改正、紛争事例、裁判事例などの動向とその影響や対処の考え方等を共有することで、ガバナンスの確立やビジネスリスクの低減を図っています。
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| 項目 | 2025年度目標値 | 2025年度実績値 | 2026年度目標値 |
|---|---|---|---|
| ⑩自社および他者の知的財産権に関する重大インシデント件数 | 0件 | 0件 | 0件 |
バウンダリ:NTT単体
NTTグループの保有特許にはSDGsに関連する特許が多く含まれており、SDGsの各開発目標に貢献する特許ポートフォリオを構築しています。特に、目標7(エネルギー)や目標9(産業技術基盤)については、IOWN・5G/6G等の様々な先進技術の特許が含まれています。
※1LexisNexis社提供の特許分析ツールPatentSight®の2026年7月時点のデータを基に作成。
※2特許ポートフォリオの競合優位性・総価値を表す指標。量的指標・質的指標を基に算出。
IOWN構想の中核を担うオールフォトニクス・ネットワーク技術は、各事業会社においてお客さまと共創したPoC(概念実証)も進められており、社会実装に向けた取組みが加速しています。この技術はエネルギー効率の飛躍的な向上やCO₂排出量削減に寄与し、ICTインフラ全体の環境負荷低減を実現します。これにより、NTTグループはカーボンニュートラル社会の実現に貢献するとともに、ESG経営の観点からも持続可能な成長を支える基盤構築をめざしています。
NTT研究所では、このオールフォトニクス・ネットワーク技術のコアとなる要素技術の研究開発を推進しています。研究成果については、将来の国際標準化や事業会社のビジネス戦略をふまえ、事業の市場競争力と安心安全なビジネス展開をリードする目的に資する発明創出と権利確保を進めています。
(2025年8月時点)
AIは、人手不足への対応や労働環境の改善、生産性の向上などの社会課題を解決し、持続可能な社会の実現に貢献することが期待されています。
NTTグループでは、軽量・高性能なLLMに加え、デジタルツイン、データ連携基盤、オールフォトニクス・ネットワークなど、AIの効果的な実装に必要となる多様な技術の研究開発を推進し、それらを知的財産として蓄積することで、技術基盤の強化を推進しています。
例えば、フィジカルAIについては、産業用ロボティクスメーカーが強みを持つロボット制御や駆動制御などの技術と、NTTグループが強みを持つこれら基盤技術との間に強い補完関係があり、当社の持つ強みを活かすことが可能です。
また、AIを安全・安心に社会に導入していくためには、適切なセキュリティ対策も非常に重要です。NTTグループは、学習・推論、RAG、システム連携だけでなく、認証・認可やセキュリティなど、信頼できるAI基盤の実現に必要な技術領域に特許を幅広く保有しています。
こうした知的財産に裏付けられた競争優位性を活かし、お客さまやパートナー企業との共創を推進することで、利便性と安全性を両立したAIの社会実装と新たな価値創造に貢献しています。
NTT知的財産センタは、中期経営戦略の実現に向け、知的財産活動の方針・考え方に基づき事業戦略・研究開発戦略と三位一体となって①戦略的な権利化、②リスクマネジメント、③保有知的財産の活用の観点から知的財産戦略を立案、推進しています。
NTTは、グループ各社が研究開発技術を事業で活用するにあたって第三者の知的財産権を侵害することがないように、研究開発の初期からグループ各社へ研究開発技術を提供するまでの各段階で国内外の他者権利を調査しています。また、知的財産に関する国内外の制度改正、紛争事例、裁判事例などの動向とその影響をグループ各社と共有することで、知的財産権に関する法令の遵守とビジネスリスクの低減を図っています。
NTTグループでは、各社の知的財産部門が中心となって、個社の特性に応じて、社員へのeラーニング研修や啓発活動などを行っています。
NTTグループ全体の観点では、NTT知的財産センタがグループ社員の知的財産への関心をより一層高め、日々の業務に活かすことを目的とした総合イベント「IPR*-DAY」を2022年度より開催しています。(*Intellectual Property Right)
2025年12月に開催したIPR-DAY 2025には、グループ69社から、幅広い職種で活躍する709名を越える社員の参加がありました。当日は、外部講師による招待講演に加え、NTT知的財産センタやグループ各社から、研究開発・事業・知財が一体となって取り組んだ事例等を紹介し、自分たちの業務・事業の中で知財を生かしていく意識が一層高まりました。
さらに、NTT知的財産センタが開設するグループ社員向けのwebサイトでは、知的財産の基礎知識やニュース解説のコラムなどを定期的に発信し、社員の意識向上を図っています。
NTTグループは、特許法で定められた職務発明制度に則り、将来の事業の源泉となる技術やビジネスに関するアイデア等の創出へのインセンティブを高めることを目的に、各社において発明報奨制度を設けています。
持続的な企業価値向上に資する特許ポートフォリオを維持・拡充していくためには、知的財産戦略に適合した質の高い発明が持続的に生み出されることが不可欠です。NTT知的財産センタでは、❶質の高い権利創出、❷積極的な権利活用、❸早期報奨による発明者のモチベーション向上を通じて、持続的に質の高い発明を生み、育て、質・量ともに強固な特許ポートフォリオを持続的に維持していく仕組みを整えています。
企業価値向上に資する特許ポートフォリオマネジメント
発明報奨制度はこの一翼を担うものであり、NTT知的財産センタでは、特許法の主旨を踏まえ、アイデア創出に対してできるだけ早期に報奨を行うことで、次の新たなアイデア創出のサイクルが促進されるよう、2024年4月に報奨制度の見直しを行い、2025年から新制度での運用を開始しました。新たな制度では、NTTの過去の特許の活用実績データを学習させたAIモデルを用いて、発明の価値を評価し、報奨を行っています。積極的な権利活用を通じて活用実績データを増やし、AIモデルをアップデートしていくことで、権利活用・早期報奨・新たな質の高い発明創出のサイクルを効率よく回し、NTTグループの持続的成長の源泉を保護しています。
NTTとともに未来を考えるWEBメディアです。