NTTグループでは世の中に対して価値あるものを生み出し、サステナブルな社会を作る原動力となるのは「人」と考え、Diversity & Inclusionの推進を行っています。グローバルICT企業グループとして、世界各地のさまざまなニーズに対応するために、イノベーションを通じた新たな価値創造をめざしています。また、激化する市場変化や多様化するお客さまニーズに対応し、お客さまに選ばれ続ける"Your Value Partner"となるためには、社員の多様な価値観や個性を尊重し、活用していくことが不可欠です。また、多様な働き方は、人材の多様性につながり、多様な人材の活躍機会の拡大により自己成長と本人のWell-beingの実現へとつながると考えています。
NTTグループはDiversity & Inclusionを重要な経営戦略と位置づけ、社長自ら多様な価値観を受容する重要性を社内外へ発信しており、Diversity & Inclusionに向けた取組みを会社全体で推進しています。多様な人材が活躍できる環境づくりをNTTグループ全体で強化していくために、2007年に「ダイバーシティ推進室」をNTTに設置し、2008年4月までにダイバーシティ推進担当をグループ各社に配置しています。
このダイバーシティ推進室と各社のダイバーシティ推進担当が連携して、Diversity & Inclusion を推進するとともに、社員のワークインライフの実現やキャリア開発の支援、企業文化・風土の改革に向けた啓発活動を進めています。グループ各社とのダイバーシティ推進会議を定期的に開催し、各社の取組みを共有するとともに、役職ごとの女性比率や障がい者雇用状況などのダイバーシティ推進数値をもとに、NTTグループとしての今後の推進施策について議論しています。
また、ダイバーシティに関する取組みについては、取締役が出席する経営会議にて報告・議論を随時行い、全社的に推進しています。
⑮-1経験者採用率※
2023年度実績 40.2%
2024年度目標 30.0%
⑯-1女性新任管理者登用率※
2023年度実績:27.9%
2024年度目標:30.0%
⑯-2管理職に占める女性割合※
2 023年度実績:11.8%
2025年度目標:15.0%
⑯-3役員に占める女性割合※
2023年度実績:21.0%
2024年度実績:23.7%
2025年度目標:25~30%
⑯-4PRIDE指標(LGBTQ浸透指標)獲得維持※
2023年度実績:GOLD受賞
2024年度目標:GOLD受賞
⑰-2男性育休取得率※
2023年度実績:128.5%
2024年度目標:100%
※主要6社をバウンダリとして目標値を設定
NTTグループでは意思決定の場に多様な意見を取り入れるため、女性役員・女性管理者・新任女性管理者に対して目標値を設定しています。2023年6月には、女性役員比率は21.0%(対前年+3.3ポイント)となりました。また、2022年度実績として、女性新任管理者登用率は29.7%(対前年+0.6ポイント)、女性管理者比率は10.4%(対前年+1.7ポイント)でした。
多様性の確保については、経営中核人材への継続的な女性社員の輩出をめざし、"NTT University"において対象者の女性比率を30%以上確保しているほか、各階層の女性社員に対する研修、育児休職復帰者および上長向けの研修等を実施しています。
また、OFF-JTだけではなく、タフアサイメントを意識した人材配置等のOJTにも取り組み、スキル・本人のマインド・経験の観点から女性社員の育成に取組んでいます。
NTTグループでは、正規労働者(女性:97.2%/男性:98.0%)、非正規労働者(女性:2.8%/男性:2.0%)の構成となっています。
人事・給与制度において、性別による賃金の差異は設けていません。
正規雇用労働者の差異事由
女性労働者のうち正規雇用者の割合は97.2%、同じく男性労働者では98.0%で男女間に差異はありません。
一方で、女性労働者(正規雇用者)のうち、管理者の割合は12.8%に対し、男性労働者は32.2%と差が生じている状況です。その理由として、NTTグループでは、2013年12月に「女性管理者倍増計画」を発表し、新卒採用における女性比率30%を目標に掲げました。2013年度以降、積極的な採用を行ってきたことから、女性労働者の年齢層は比較的若年層に偏っており、非管理者層が多く占める状況になっています。
女性 | 男性 | ||
---|---|---|---|
正規労働者 | 97.2% | 98.0% | |
内管理職 | 12.8% | 32.2% | |
非正規労働者 | 2.8% | 2.0% |
国際女性デー(3/8)に合わせて、女性特有の病気との両立支援セミナーを開催しました。不妊治療、乳がん、PMS、更年期障害など婦人科系の症状や、治療に関する知識の習得、及び、治療と仕事を両立させる上での悩みの解消を目的として、婦人科医と産業カウンセラーの方に講演いただきました。
NTTグループは、2022年度女性の活躍推進に積極的に取組むための行動原則を示した「女性のエンパワーメント原則(WEPs)」の趣旨に賛同し、同原則に基づき行動するためのステートメントに署名しました。また、企業の持続的成長を実現するために、役員に占める女性割合の向上を目的とした30% Club に加盟しました。
NTTグループでは、事業運営に多様な意見を反映させるため、外部人材(中途採用)の比率について、2023年度までに30%を目ざす目標を設定しました。
2022年度は主要6社で40.7%と目標を達成しています。
NTTグループは、社員のニーズや社会的要請などに対応するため、60歳の定年を迎えた社員の継続雇用制度を1999年から導入しています。さらに、NTTグループの今後の事業運営において限られた人材を最大限に活用していく観点から、希望者が最長65歳までライフスタイルに応じて働き、経験を生かせる業務で能力を発揮し続けられるよう、2013年に新たな継続雇用制度を導入しました。
育児、介護または配偶者の転勤などで退職した社員の中には、将来再びNTTグループで働きたいとの希望を持つ人も少なくありません。そうした要望に応えるとともに、在職中に蓄積した経験やスキルの有効活用を図るために、退職した社員の再採用制度を設けています。
この制度の対象となるのは、小学校3年生以下の子の育児や、家族の介護を行うため、またはパートナーの転勤、転職および結婚による転居にともない通勤が不可能となったため、やむを得ず退職した勤続年数3年以上の社員です。社員から再採用の申し出があった場合は面談や健康診断などを実施の上、再採用を決定します。
グローバルでの取組みとしては、NTTグループ国内外のシニアマネージャーを対象に、より上位のポジションにおいて活躍するためのリーダーシップを習得する研修であるGLDP LEAD (Global Leadership Development Program, Leadership Excellence and Accelerating Diversity) を毎年開催しています。この研修は、参加者の過半数が女性マネージャーで、組織力の最大化における「ダイバーシティかつイノベーティブなカルチャー」の重要性を学びます。2021年度は、世界9か国から42名が参加し、オンラインで実施しました。
GLPD LEADの様子
TOKYO RAINBOW PRIDEへの参加や日本ではじめての常設LGBTQ総合センター「プライドハウス東京」に協賛を行いました。
任意団体「work with PRIDE」が策定した、企業のLGBT等性的マイノリティに関する取組みを評価するPRIDE指標2021において、NTTグループ21社が最高位の「ゴールド」に認定されました。なお、NTTにおけるゴールドの受賞は2016年から6年連続となります。
制度・福利厚生の充実
性的指向や性自認にかかわらず、誰もが自分らしく生き、働くことができる組織、社会の実現をめざして、2016年には重要なライフイベントにかかわる「結婚休暇」「忌引休暇」「慶弔金」「慶弔電報の発信」について、同性のパートナーにも適用。2018年には各種手当や福利厚生など、配偶者およびその家族に関わる制度全般を同性のパートナーにも適用しました。
理解醸成に向けた取組み
新任管理者に対して、LGBTQの理解促進と正しい知識を習得することを目的としてLGBTQ当事者による研修を毎年実施しています。
また、LGBTQのサポートを表明するALLYのイベントも定期的に開催しており、2021年度は、LGBTQ当事者の講演会やグループディスカッションなどのALLY交流イベントを2回実施し、NTTグループ内から約130名が参加をしました。
NTTグループでは、障がいのある方々の積極的な採用と活躍の場の拡大に取組んでいます。NTTグループには、約4,000名の障がいのある社員が働いており、その内約1,000名が特例子会社で働いています。
NTTグループでは4社の特例子会社を設立しており、障がい者が働きやすい職場づくりと、障がいのある社員の特性や能力を活かした取組みを進めています。
Webサイト内にあるアクセシビリティ上の問題点を把握し、改善案を示したレポートを提示するウェブアクセシビリティ診断や、障がい当事者が講師となった障がい理解研修(心のバリアフリー研修)などに従事しています。
NTTグループの特例子会社(4社)
NTTは、遠隔操作型分身ロボット「OriHime-D」を活用した障がい者による受付業務を2020年7月に本格導入しました。さらに、障がい者活躍推進、リモートワールドにおけるビジネス対応力の強化をめざし、 2020年10月、オリィ研究所と資本業務提携を実施しました。資本業務提携を通じ、NTTグループが保有する研究開発力や、オリィ研究所の遠隔操作型分身ロボット「OriHime」をはじめとした高い商品開発力などの両社のリソースを組み合わせることで、 体が不自由な方や、外出困難な方の雇用と活躍の場のさらなる拡大とリモートワールドに対応した取組みを推進していきます。
NTTグループでは、障害のある方が遠隔操作するOriHimeを活用し、本社受付での受付業務(OriHimeによる来訪者の会議室への先導、問い合わせへの応答)をはじめ、ショールームやイベントでの案内業務、オリィ研究所が2021年にオープンした分身ロボットカフェDAWNでは、体が不自由な方の社会進出を支えるナチュラルなコミュニケーションの実現に向け、ローカル5Gと通信品質制御技術を用いた遠隔ロボット操作の実証実験を行うなど、さまざまな取組みを行っています。
2019年12月に障がい者の活躍推進に取組む国際イニシアティブ「The Valuable500」に加盟しました。また、翌2020年12月には、対象地域をグローバルに拡大いたしました。
健康や育児・介護などに関わる社員ニーズは変化していることから、これまで以上に働きやすい環境を整備していくために、従来の福利厚生メニューを2018年に大幅に見直し、「NTTベネフィット・パッケージ」として、育児・介護に関わる各種支援メニューを充実させました。具体的には、居住地に合った保活支援等を実施する「育児コンシェルジュ」を導入したほか、各種育児補助金などのサービスも大きく充実させています。また、介護については、ケアマネージャーのマッチングを含め各種介護の相談に応える「介護コンシェルジュ」も新設しました。
育児においては、従業員が望むタイミングで復職できるよう、企業主導型保育園や事業所内託児所、授乳・搾乳施設を設置しています。 その他、厚生労働省による「仕事と介護を両立できる職場環境」の整備促進のためのシンボルマーク(愛称「トモニン」)を活用し、NTTの取組みをアピールするとともに、仕事と介護を両立できる環境づくりを進めています。
"大介護時代"の到来を見据えて、仕事と介護を両立できる職場環境づくりを進めていくため、グループ各社で介護勉強会などを開催しています。社員の関心が高く、参加者も多い傾向にあり、今後も開催していく予定です。
また、介護休暇や介護による短期休暇を認めるなどのほか、ライフプランに関する事由であれば目的を定めないライフプラン休暇制度を設けるなど、介護と仕事を両立をしやすい環境を整えています。
NTTグループでは育児休職復職者セミナーの実施、産前育休後面談の実施、事業所内託児所の設置などを行っています。NTTは、「2022年度までに男性社員の育児事由休暇取得率100 %」という目標を設定し、2021年度から社員の積極的な育児参画に向けたセミナーを実施し、制度説明や育児休職取得社員によるパネルディスカッションを通して、職場の風土醸成にも取組んでいます。
NTTグループは、社員向けの「育児・介護支援Webサイト」を設け、各種制度の内容や利用方法に加え、実際に育児と介護を両立している社員の体験談を紹介するなど、さまざまな情報を発信しています。
その他、支援ツールとして、制度説明用面談シート・マニュアル制定やライフイベントごとに必要な手続き等が網羅された「コミュニケーションハンドブック」を改訂、育休取得に向けたポスターの作製等の取組みを行っています。社員が育児のための休暇を取得しやすい制度・環境づくりに努めています。
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