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人材戦略

方針・考え方

NTTグループは、新たな価値の創出と顧客体験(CX:Customer Experience)の向上を通じて、サステナブルな社会の実現をめざしています。その原動力となるのが、従業員体験(EX:Employee Experience)の向上です。従業員一人ひとりが働きがいや成長を実感し、自律的に挑戦できる環境を整えることで、新たな価値やイノベーションを創出し、その成果をお客さまや社会へ還元する好循環の実現に取り組んでいます。

人材戦略は、経営戦略・事業戦略の実現を支える重要な基盤と位置付けています。中期経営戦略で掲げる事業ポートフォリオの変革、AI・デジタル技術を活用した業務変革、グローバル競争力の強化を推進するため、将来必要となる人材ポートフォリオを明確化し、採用・育成・配置・リスキリング・エンゲージメント向上を一体的に推進しています。

また、人材戦略の実効性を高めるため、人材戦略の3つの柱ごとに指標を設定し、施策の進捗や効果を継続的にモニタリングしています。あわせて、エンゲージメントや人材育成などの人的資本指標と、生産性や事業成果に関する指標を統合的に確認することで、人材戦略と経営戦略の連動を強化しています。

さらに、グループ共通の方向性と各社の事業特性の両立を重視しています。NTTグループ全体で共通して取り組む人材テーマを定める一方、各社・各組織が事業課題に応じて施策を具体化し、取組み状況や成果を定期的に共有しています。これにより、グループ横断での学びや好事例の展開を促進し、人材戦略の高度化につなげています。

今後も、人材戦略を通じて従業員の能力発揮と組織能力の向上を実現し、CX向上、生産性向上、イノベーション創出を通じた持続的な事業成長と企業価値向上をめざします。

人的資本投資と企業価値向上

NTTグループは、人材への投資をコストではなく、持続的な成長と企業価値向上を実現するための重要な経営投資と位置付けています。

事業環境が大きく変化する中、競争力の源泉となるのは従業員一人ひとりの能力や挑戦意欲です。そのため、教育・キャリア開発、AI・デジタル人材の育成、専門人材の拡充、人材流動性の向上、自律的なキャリア形成支援、エンゲージメント向上などに継続的に取り組み、事業競争力の強化やイノベーション創出、生産性向上につなげています。

人的資本投資の効果を把握するため、投資額や育成時間、研修受講状況などのインプット指標に加え、スキル獲得や人材配置、エンゲージメント向上などのアウトプット指標を継続的にモニタリングしています。さらに、これらの取組みが生産性向上や事業成長などの成果につながっているかを確認し、人材戦略と経営戦略の連動強化を図っています。

人的資本投資の成果は、短期間で現れるものだけではありません。例えば、AI・デジタル人材の育成や専門人材の拡充は、スキル獲得や業務変革、新たな価値創造を通じて、将来的な収益力や生産性向上につながるものと考えています。そのため、投資・施策・行動変容・成果の一連のプロセスを継続的に確認しながら、施策の改善と投資効果の最大化に取り組んでいます。

今後も、人的資本指標、従業員エンゲージメント、事業成果との関係性を可視化し、人への投資がどのように企業価値向上につながっているのかを、投資家をはじめとするステークホルダーへ継続的に開示していきます。

ガバナンス

人材戦略の実効性を高めるため、NTTグループでは、グループ共通の方針・重点テーマと各社の事業特性に応じた取組みを組み合わせて推進しています。グループ全体として重視する人材テーマやKPIを設定し、各社・各組織が自社の事業課題に応じて施策を具体化することで、経営戦略と人材戦略の連動を図っています。

人材戦略の進捗は、従業員エンゲージメント率をはじめとするグループ共通KPIに加え、各施策の実施状況、スキル・人材ポートフォリオの変化、事業成果・生産性に関する指標を組み合わせて定期的に確認しています。これらの指標を経営層・関係部門で共有し、課題の早期把握と施策の見直しにつなげることで、継続的な改善サイクルを運用しています。

また、従業員エンゲージメント調査や各種人材データの分析結果は、グループ各社の経営層・人事部門にフィードバックし、各社の事業課題や組織課題に応じた改善活動に活用しています。グループ全体としての共通課題や好事例については、関係会議等を通じて共有し、横断的な改善と施策の高度化につなげています。

階層・会議体 主な役割
取締役会/経営会議 人材戦略の方向性、重要KPI、主要リスク・課題の確認
CHRO・人事担当役員 グループ全体の人材戦略の統括、重点テーマ・施策の推進
持株会社 人事部門 グループ共通方針・KPI設計、データ分析、各社へのフィードバック、好事例共有
グループ各社 経営層・人事部門 各社の事業戦略・組織課題に応じた施策の具体化・実行、改善活動の推進
各組織・職場 対話、施策実行、従業員エンゲージメント向上に向けた改善活動

人材戦略の推進にあたっては、取締役会・経営会議等による監督のもと、CHRO・人事担当役員がグループ全体の人材戦略を統括し、持株会社人事部門がグループ共通方針・KPI設計、データ分析、各社へのフィードバックを担っています。グループ各社では、各社の事業戦略や組織課題に応じて施策を具体化し、各組織・職場での対話や改善活動を通じて実行しています。

リスク管理

人材戦略の推進にあたっては、経営戦略・事業戦略の実現に必要な人材の不足、AI・デジタル等の専門スキル獲得の遅れ、従業員エンゲージメントやウェルビーイングの低下、戦略理解・キャリア展望の不足による挑戦意欲や生産性の低下等を、人的資本に関する主要なリスクとして認識しています。

これらのリスクについては、従業員エンゲージメント調査や各種人材データ、施策の進捗状況、事業成果・生産性に関する指標を通じて継続的に把握しています。把握した課題は経営層・関係部門・グループ各社へフィードバックし、対話や施策の見直し、好事例の横展開を通じてリスクの低減と人材戦略の実効性向上につなげています。

目標と実績

サステナビリティ指標

従業員エンゲージメント率については、グループ共通のKPIとして継続的にモニタリングし、前年度実績・基準年度からの改善状況を確認しています。今後は、エンゲージメントの推移に加え、戦略浸透、経営層との対話、キャリア形成等の重点領域の改善状況もあわせて確認し、従業員ウェルビーイングの動向をより具体的に把握していきます。

※横スクロールできます

項目 2025年度目標値 2025年度実績値 2026年度目標値
⑪-3 AI活用実践人材数(2027年度目標値)​ 初級以上:10.0万人 初級:19.6万人
中級以上:1.0万人
2027年度末時点で
初級:全社員
中級以上:2.5万人
(⑯~⑲共通)従業員エンゲージメント率​ 2022年度(57%)比改善 64% 2022年度(57%)比改善

⑪-3バウンダリ:国内外グループ会社

(⑯~⑲共通)バウンダリ:NTT、NTTドコモ(NTTドコモビジネス含む)、NTT東日本、NTT西日本、NTTデータグループ、NTTアーバンソリューションズ、NTTアノードエナジー及びこれらが指定する子会社

主な取組み

従業員エンゲージメント調査

NTTグループでは、2021年度より従業員エンゲージメント調査を実施し、エンゲージメントを測る4項目をグループ共通KPIとして設定しています。調査結果は、役員報酬や全管理者の賞与評価指標にも反映し、経営層・管理者・職場が一体となって従業員エンゲージメント向上に取り組む仕組みとしています。また、調査結果の分析を通じて、従業員のウェルビーイングや働きがいに影響する要因を把握し、各社・各組織での対話と改善活動につなげています。

さらに、エンゲージメント向上を経営上の重要テーマとして位置付け、経営層による継続的な関与と、管理者・職場単位での改善活動を組み合わせて推進しています。調査結果を評価指標として活用するだけでなく、結果の背景にある要因を分析し、戦略浸透、経営層との対話、キャリア形成支援等の重点領域に対して具体的な打ち手を講じることで、実効性ある改善につなげています。

NTTグループのKPI 4項目

〜自発的な貢献意欲〜
①当社では、仕事を成し遂げるために求められる以上の貢献をしようという気持ちになる

〜自社に対する愛着・誇り〜
②私は、当社で働くことを誇りに思う
③私は、当社を素晴らしい職場として、知人に勧めると思う

〜仕事のやりがい〜
④私は、仕事を通して個人として達成感を得ている

具体的な取組み

エンゲージメント(KPI4項目)との相関分析を行い、エンゲージメントに影響を与える項目を特定したうえで、優先順位をつけて施策を進めています。分析結果は各社・各組織にフィードバックし、経営層との対話、キャリア形成支援、職場コミュニケーションの改善等、具体的なアクションにつなげています。これにより、従業員調査を単なる実態把握にとどめず、改善活動と効果検証のサイクルとして運用しています。

維持エリアの取組み

NTTグループでは、働きやすさや心理的安全性、社内コミュニケーションに関する項目が比較的良好な水準にあることを確認しています。また、成長機会の提供についても強みの一つであり、自身のスキルや能力を活かせていると感じる従業員の割合も改善しています。今後も従業員との対話を継続し、社員が成長実感を持ちながらワクワクと働くことができる環境の整備に取り組みます。

要改善エリアの取組み

2023年度の調査では、「戦略の浸透」「経営層との対話」「キャリア」が要改善領域として確認されました。これらはそれぞれ独立した課題ではなく、会社の方向性が十分に伝わらないことが、従業員自身のキャリア展望や仕事への納得感に影響し、結果としてエンゲージメントに影響を及ぼす一連の課題として捉えています。

「戦略の浸透」・「経営層との対話」
会社がどのような戦略で事業を推進していくのか、経営層がどのような考え方でその戦略を実行し、社員一人ひとりにどのような期待や支援を行うのかを、より分かりやすく伝えていく必要があります。そのため、経営層と社員との対話機会の拡充や、各組織における調査結果を踏まえた意見交換を通じて、戦略の理解と納得感の向上に取り組んでいます。

「キャリア」
会社の方向性を踏まえ、自らの強みや専門性をどのように活かし、どのようなキャリアを形成していくかについて、従業員が主体的に考えられる機会を拡大しています。具体的には、キャリアを考えるイベント「Career Design Boot Camp」や、高度な専門性を持つスペシャリストグレード(SG)との交流会等を通じて、自律的なキャリア形成を支援しています。

こうした取り組みの結果、エンゲージメントスコアは前年から大きく改善しました(対前年+7ポイント、対基準年+4ポイント)。今後も、調査結果に基づく課題特定、各社・各組織での対話、改善施策の実行、効果検証を継続することで、従業員エンゲージメントおよびウェルビーイングの向上を図ります。あわせて、人的資本投資とエンゲージメント、事業成果・生産性との関係性を整理し、人的資本経営の実効性を高めていきます。

【コラム】挑戦できる組織は、なぜ成果を生み出すのか

急速に変化する事業環境の中で、新たな価値を創出し続けるためには、社員が挑戦し、能力を発揮しながら成長できる環境が重要です。NTTグループでは、従業員エンゲージメント調査と組織パフォーマンスの分析を通じて、その関係性を検証しました。本資料では、分析結果から見えてきた組織づくりの示唆をご紹介します。

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AI活用実践人材の育成

■レベルに応じた人材像と目標

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