ストレスの多い現代人に重要として、近年注目されているマインドフルネスを、耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。
仕事やプライベートでさまざまな悩みを抱えやすい現代人は、マインドフルネスで自分に目を向けることが大切であると考えられるようになってきました。
そこで、今回はマインドフルネスと、それに関連する心理メカニズムについて解説します。
実際に社内で実施している企業やNTTにおけるマインドフルネスの取組みにも触れているため、ぜひ参考にしてみてください。
マインドフルネスとは、「今ここ」に目を向けて集中している状態のことをさします。
私たちは普段、今この瞬間を生きているようにみえますが、実は過去や未来のことを考えていて、「心ここにあらず」の状態になっていることが大半なのです。特に、過去のミスや未来への不安が大きいほどネガティブ思考になり、その考えを占める時間が多くなりがちになります。
マインドフルネスは、こうした「心ここにあらず」の状態から抜けだし、心を「今」に向けた状態を作ることをいいます。
また、状況や感情を非難するのではなく、受け入れる態度を育てます。そうなることで自分や他人への寛容さと共感力が磨かれるとされています。
マインドフルネスを実施することで、ストレスの軽減や感情のコントロール、集中力の向上、対人関係の改善など、心身におけるさまざまな健康上のメリットがあるとされ、精神療法やストレス管理プログラムにも取り入れられることが多いようです。
心理メカニズムとは、人間の心の安定において重要な防衛機制のことです。
悲しいことや辛いことがあったとき、精神の負担を軽減するために、人間の心には防衛機制が備わっています。
心の防衛機制が正常に機能することによって、ストレスを軽減することができるのです。
心理メカニズムにおける心の防衛機制は、精神分析学に関わっていた「ジークムント・フロイト」が考え出した概念です。
その後もさまざまな専門家によって整理され、現在の心理メカニズムとして固定されました。
精神的なストレスを抱え続けていた場合、精神崩壊を起こす可能性がありますが防衛機制が働くことによって、精神的な安定を保つことができるのです。
しかし、場合によっては向き合ったほうがいい事例もあるため、防衛機制が働きすぎることが必ずしもメリットになるとは限らないようです。
近年、マインドフルネスの実施は中小企業から大手企業まで、企業規模を問わず社員に浸透させようとする働きが見られるようになりました。
マインドフルネスを取り入れた研修により、社員にマインドフルネスの機会を提供したり、研修としてではなく部活動としてマインドフルネスを実施している企業もあるようです。
たとえば、パソコン作業が続き集中力が途切れる際に適度なリフレッシュができるようにするために、社内に瞑想のための部屋を完備。また実際にヨガの講習を行い、就業時間を瞑想に使うことを許可している企業も見られるようです。
マインドフルネス瞑想における「ありのままの気づき」とは何か?――マインドフルネス瞑想の心理・生理・神経メカニズムの解明
https://journal.ntt.co.jp/article/22755