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量子コンピューター×災害対策について|活用例や災害時の役割を解説

従来のコンピューターとは異なる特徴を持つ量子コンピューターは、さまざまな計算プロセスを高速化できるのが特徴で、さまざまな領域で導入されている存在でもあります。
 特に、近年では災害対策として、何らかの災害が発生した際に活用する事例が増えています。
 しかし、そもそもどのような特徴を持つコンピューターであるのかは、まだよく知られていないのが現状です。

そこで、今回は量子コンピューターとはどのような存在であるのか、活用事例や、災害場面での活用内容などについてご紹介します。

量子コンピューターとは

量子コンピューターとは、量子力学の原理を基にして設計されたコンピューターです。
 従来のコンピューターは「ビット」を基本的な情報単位として使用しています。

しかし、量子コンピューターでは「量子ビット」(または「キュビット」)と呼ばれる新しい情報単位を利用するのが特徴です。
 古典的なビットは0または1のいずれかの状態を取りますが、キュビットは量子重ね合わせの原理により、0と1の重ね合わせ状態を同時に持つことができます。
 これにより、同じ数のキュビットを持つ量子コンピューターは、従来のコンピューターよりも多くの情報を同時に処理できるのです。

画像:量子コンピューターとは

また、量子もつれと呼ばれる特殊な量子状態を利用することで、複数のキュビットが相互に依存し合うことがあり、これによって新たな計算の手法が生まれます。
 量子コンピューターの応用分野としては、暗号解読、最適化問題の解決、分子シミュレーション(特に複雑な化学反応の理解や新薬の開発)、人工知能などがあります。
 しかし、必ずしもあらゆる計算を高速化できるわけではありません。webブラウジングやエディタを使用したコンピューターが量子コンピューターで展開されることはないと考えられています。

量子コンピューターの活用例

量子コンピューターはどのようにして活用されるのか、ご存じでしょうか。
 さまざまな計算を効率化する存在であるとして認知されつつありますが、具体的にどんな場面で活用されるのかはあまり知られていません。
 本項からは、代表的な活用事例として、以下の2つの事例をご紹介します。

コールセンターでの活用

量子コンピューターの活用事例として、まずご紹介するのがコールセンターでの活用です。
 この現場ではコールセンターのシフト作成業務を最適化することを目的として、量子コンピューターを使用しています。
 これまではオペレーターの管理を務める社員が各オペレーターに勤務日時の希望を確認してシフトの作成を行っていましたが、着信件数が時期によって異なる点や、オペレーターそれぞれのスキルを考慮してシフトを作成するのは難しいといった課題があったため、シフトの希望を優先して調整すると、オペレーターが少ない時間帯、オペレーターが必要以上に多い時間帯などが生じていたのです。
 しかし、量子コンピューターを導入し、シフト作成における条件を調整、シフト作成に反映させたところ、人員不足・人員過剰の状態が大幅に改善され、オペレーターの勤務希望日時が100%反映されるようになった例があります。
 オペレーター管理者によるシフト作成時間の短縮化も実現でき、現場の業務負担と人員配置の課題を一気に解決することができました。

工場内での活用

量子コンピューターは、工場内で活用されるケースもあります。
 量子コンピューターを使って、工場内を走行する無人搬送車のルートや速度などを調整することができます。
 これまで現場では無人搬送車が渋滞してしまうことが多いといった課題がありました。
 量子コンピューターの計算結果に基づいて、無人搬送車の走る速度や移動ルートなどの最適化を継続した結果、渋滞を軽減し、無人搬送車の稼働率の向上を実現できたのです。

量子コンピューターを災害対策に活用

量子コンピューターはビジネスシーンだけではなく、災害対策として活用することも可能です。
 地震や津波などの災害が発生した場合、速やかに安全な場所へ避難することが求められます。
 しかし、避難場所へ向かうにあたり、特定の場所が避難者で混雑するリスクがあり、危険な事態に陥ってしまうといった懸念点がありました。
 量子コンピューターを取り入れれば、住民の最適な避難ルートを確立できるとして期待されていて、すでに専用のアプリの開発が進められています。
 人が集合しすぎたことによる事故や避難の遅れによって災害に巻き込まれるリスクの軽減を実現できるとして注目されています。

NTTの災害取組みについて

量子コンピュータのシステムアーキテクチャ実現に向けて
https://www.rd.ntt/research/JN202309_23082.html当該ページを別ウィンドウで開きます

人と人、技術と人を情報でつなぐ未来の防災 ~被災者や災害対応者に「今、必要なこと」を届ける~
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