メディアやビジネスシーンで耳にすることが増えた「デジタルツイン」や「ベストプラクティス」。
コンピュータの存在が当たり前になった今、いずれも重視されている概念の一つです。
とはいえ、最近ではデジタルツインも、ベストプラクティスもまだまだ認知が広がっていない状況です。
本記事ではNTTの取組みを交えてご紹介します。
デジタルツインとは、収集したデータをモデル化したうえで、ツイン(双子)のようにコンピュータ上で再現する技術を指します。
データは現実世界から集めたものがメインであり、製品やシステム、建築物、プロセスなど、物理的なものも挙げられます。
デジタルツインを用いることで、現実世界の事柄をコンピュータ上で再現し、あらかじめテストしたり分析したりすることが可能です。
たとえば、製造現場において一定のプロセスの変更案が挙がった場合、現場に直接反映させる前にデジタルツインの技術でその現場の環境をコンピュータ上で再現し、テストしたうえでプロセスの変更を検討できるでしょう。
さらにIoTを導入すれば、データをリアルタイムに把握できるようになり、自社の製品の故障を未然に予知しやすくなります。
稼働の状況に関するデータを十分に蓄積できれば、仮に問題が検知されると予測される際に、故障前にアラートを通知することも可能です。
デジタルツインは、現状だけではなく、将来的な事柄の問題を予測するための分析としても活用できる技術であるため、問題を発生させる前の対策を計画する際に便利です。
ちなみに、デジタルツインの技術が使われている業界は幅広く、産業分野や製造業、建築業、エネルギー業界などに至るまで、領域を問わず活用されています。
ベストプラクティスとは、特定の活動やプロセスにおいて、最も効果的で効率的な方法や手法などに関するアプローチを意味します。
ビジネスシーンでよく耳にする言葉でもあり、この時点において最善の方法であることを表現したり、最も良い方法であることを意味することが多いです。
一方で、効果的な方法、成功事例といった意味で使われることも多く、言葉の意味は現場や業界、領域によって異なる場合もあります。
ベストプラクティスは、これまでの経験や知見、調査などに基づいた手法であることがほとんどです。
さらに最善の方法や最適な方法が生み出されることがあれば、それが新たなベストプラクティスとなります。
ベストプラクティスは、目標達成を目指したり、タスクを進めたりする場面において、高い効果を備えているのが特徴です。
実際、ベストプラクティスは、数多くのプロジェクトや活動で実証され、さまざまな成功事例があることが確認されています。
ベストプラクティスは分野を問わずに、業務・製品の品質向上やプロセスの効率化、リスク軽減などの目標達成へと導くことが可能です。
企業、プロジェクト、業務プロセスの設計や実行において、ベストプラクティスの導入によって、ビジネスチャンスを高めることとなるでしょう。
ここからは、デジタルツイン×ベストプラクティスの実用例についてご紹介します。
どのような実用例があるのか、チェックしてみてください。
製造の分野はとくにデジタルツイン×ベストプラクティスとの相性が良い傾向にあります。
設計から計画に至るまで活用できるだけでなく、リアルタイムで機器をモニタリングして工場全体のパフォーマンス向上を目指すことも可能です。
住宅や商業施設のほか、インフラなどに関する計画を策定する際に、デジタルツインが活用されます。
3Dモデリングとデジタルツインの技術によって、建物の構造だけではなく、室内の温度や占有率、大気質などを明らかにできます。
これらのデータを活用することで、利用者や居住者がより快適に過ごせる環境づくりへと役立てることができるでしょう。
デジタルツインを活用して、車両のデジタルモデルを作成できます。車両のモデルを作成することで、車両のパフォーマンスの分析がしやすくなるだけでなく、仮に異常が見られる際にユーザーへの警告を促すことも可能です。
医療の業界では、病院の建物や設備などに着目したデジタルツインの活用や、患者に対する治療の反応を分析するためのデジタルツイン活用など、さまざまな場面でデジタルツインの技術が見られます。
デジタルツインは、設備だけではなく、人体のツインも生成できることから、「骨格」「臓器」など、モデル化したデータと照らし合わせながら治療方針について検討することも可能です。
デジタルツインにおけるNTTの取組みは、以下にてご紹介していますのでぜひご参照ください。
デジタルツインで創る未来~IOWNイノベーションの本質~ -NTT DATA Tech Up Corridor-
https://www.youtube.com/watch?v=cmjfw00oLTo