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ハイパーオートメーション×スマートシティ
それぞれの特徴や実用例、NTTの取組み

「ハイパーオートメーション」「スマートシティ」それぞれの用語を耳にしたことはありますか?
 ITやAIの技術が飛躍的な進化を遂げる今、いずれも現実世界ではなくてはならないものになりつつあります。
 とはいえ、ハイパーオートメーション、スマートシティはいずれもいまだ認知度が低い状況であり、どのような意味なのかイメージしにくい方も多いのではないでしょうか。

そこで、今回はハイパーオートメーション及びスマートシティについて解説します。
 実用例やNTTの取組みにも触れていきますので、ぜひ参考にしてみてください。

ハイパーオートメーションとは

ハイパーオートメーションとは、AIやロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)*1など最先端の自動化技術を統合し、複雑な業務プロセスを自動化するためのアプローチや戦略を指します。
 ハイパーオートメーションでは、機械学習、人工知能(AI)、RPA、自然言語処理(NLP)、分析、及び他の自動化技術が統合され、組織内のさまざまな業務プロセスを自動化できる点が特徴です。
 自動化しやすい業務としては、「定期的に発注している材料の調達を自動で処理する」「特定の部門や人材へ自動で連絡を行う」「AIによって予測された需要に基づいてドキュメントを自動で生成する」などが挙げられます。

業界や領域によっては、上記とは異なる使い方も可能でしょう。
 導入する現場や活用シーンなどに合わせて、さまざまなプロセスを自動化できるのがハイパーオートメーションの魅力です。
 なお、社内のさまざまな業務を自動化できるため、生産性や業務効率の向上のほか、ビジネスの促進力の向上やミスの低減、正確性の向上なども期待できます。

*1ロボティックプロセスオートメーション(Robotic Process Automation)
人間に代わって高度な作業を実施できるAIや機械学習等を含む認知技術を活用して代替する取組み。

ハイパーオートメーションが注目される理由

ハイパーオートメーションが注目される理由は、近年のビジネス環境が変化してきたからです。中でも特に大きな要因となっているのが、RPAの浸透とDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進や働き方改革、新型コロナウィルスの流行後のオフィスワークからリモートワークによる働き方の変化です。
 RPAは単純なコンピューター上の定型的な作業を自動化するためのツールのため、データ入力、チェック作業やデータを収集するなどのルーティンタスクを自動化することを意味しており、複数のツールと技術の組あわせによりビジネスプロセス全体を自動化することを目的とした取組みです。
 複数の部門にまたがる業務プロセスであっても自動化することが可能になるので、効率的な業務遂行が可能になります。RPAは部分的なプロセスのみを自動化することを中心に考えられており、それにくらべてハイパーオートメーションはビジネスプロセス全体を自動化する取組みになります。

ハイパーオートメーション活用によるビジネスの効率化

ハイパーオートメーションをビジネスで活用し効率化を図るには、タスク・プロセスを自動化する技術が主になるでしょう。

タスクの自動化には、主にRPA、クラウドアプリケーション、業務システムなどを統合してデータの流れを自動化するiPaaS(アイパース)などが利用されています。
 iPaaSとはintegration Platform as a Serviceの頭文字をとった略称で、クラウドサービスやオンプレミス(ソフトウェアなどを自社で保有し運用するシステムの利用形態)で利用する複数のシステムおよびアプリケーション内で、統合的にシステム連携やデータ連携を可能にするプラットフォームサービスをさします。
 実際のビジネスでは、業務フローにおいてさまざまな部署をまたぐことが多く、データがそれぞれ別々に管理されている場合が見られます。
 そうなると部署間でのデータ連携を行いたい場合は業務効率や生産性が落ちてしまう傾向にあります。そこでiPaaSを利用することで、別々で運用していた各部署のデータを連携して業務フローの改善が可能になります。
また、プロセス自動化の技術においては、ビジネスプロセスそのものを改善したり、自動化する技術が含まれます。例としてBPA(ビジネス・プロセス・オートメーション)を挙げます。
 一般的なビジネスプロセスには、顧客からの注文の処理、各契約書や申請内容の承認、経費報告書の処理、社員研修などがあります。
 これらのビジネスプロセスは通常、複数のメールやりとり、書類、入力などの引き継ぎを介します。この過程ではコミュニケーションが途切れたり入力完了が遅れたりなど、次々にビジネスプロセスの遅延が発生する可能性があります。このような問題は後々積み重なり大きくなり、特に処理が多くなる月末には多大な作業が発生している現状です。

プロセスの自動化はこのような問題を防ぐことを目的としています。ビジネスプロセスの処理遅延を改善し、混乱を減らすことができます。 ビジネスプロセスを自動化すると、時間とリソースを解放できるため、ビジネスプロセスの関係者は面倒で苛立ちを覚えるようなタスクではなく、コアで価値を生み出す作業に集中できます。
 またプロセス自動化の技術には、自社ビジネスを熟知した熟練の社内人材による内製化が欠かせません。
 その先には、人の能力をコンピューターによって拡張したり、補完したりする技術も考えられます。
 例えば、AIや機械学習、自然言語処理などの技術を活用して文書やコンテンツを自動的に処理・解析・抽出したり、会話型AIなどが当てはまります。

スマートシティとは

スマートシティとは、先進的な情報技術や通信技術を活用して、都市の基盤やサービスを効率的に管理し、住民の生活を向上させることを目指す概念です。
 新技術を活用することで、マネジメントを高度化し、都市や地域などが抱えている問題の抽出・改善を促すことが可能です。

スマートシティにおけるマネジメントとは、計画や整備、運営などを指し、まさに街全体を包括的に管理するような意味を持ちます。
 現代、多くの地域で掲げられている「持続可能な都市・地域づくり」の大きな一歩と言っても過言ではありません。

スマートシティの概念は、都市の持続可能な発展と効率的な運営に向けて進化しており、世界中の都市で検討・実践されています。

スマートシティを目指すメリット

各都市、自治体がスマートシティに向けて取組みを行っていますが、実際に私たちにはどのような恩恵があるか、そのメリットを挙げます。

交通渋滞

人口が集中する都市部では時間帯による交通渋滞が頻発しています。この減少をめざすために、たとえば車や道路にセンサーを設置して交通量のリアルタイムデータを分析、そのデータから信号を自動制御して渋滞を減少させることが期待されます。

セキュリティ

防犯カメラによる行動分析や顔認証技術、音声認識技術などからAIにデータを蓄積、その情報をネットワークで共有することで不審者を検出し、危険を未然に防ぐことが期待されます。

高齢者ケア

近年、一人暮らしをする高齢者は年々増加傾向であり孤独死といった課題が懸念されています。このような背景から、家電製品にセンサーを組み込むことで、一定時間動作がなかったり日常と異なる動作を検知したら介護スタッフや医療機関にアラートが通知されるなど、介護者が不足していてもピンポイントで高齢者のケアができるような対策が期待されます。
 さらに、センサーが収集した情報をビッグデータを介してAIで分析し、認知症などの兆候を予測することもできるようになるかもしれません。

エネルギー供給

近年、脱炭素社会に向けて再生可能なクリーンエネルギーに転換していく取組みであるGX (グリーントランスフォーメーション)が、日本政府が掲げる2050年のカーボンニュートラル実現に欠かせない取組みになっています。NTTグループはGX分野の取組み強化に向けた新たなソリューションブランド「NTT G×Inno」を立ち上げました。
 スマートシティが実現すると、屋根にソーラーパネルを設置してAIが使用状況を分析しながら効率的なエネルギー供給ができるようになるでしょう。また、余剰分の電力は売却することができ、消費電力の多い地域に供給されてエネルギー消費が効率化されていくことが期待されます。

防災・天災対策

近年の大気変動や突如見舞われるゲリラ豪雨など、ヒートアイランド現象に関連した台風や土砂災害に対して早期対策できる可能性が期待されています。
 これまでの天災や気候ビッグデータをAIを介して分析を行い、地域ごとの詳細な降雨予測や迅速な避難計画の立案、水没や土砂崩れにより隔離された地域の検知、ネットワークを利用した避難施設間での連携や食糧配給など、スマートシティでは様々な災害に対する対策が期待されています。

ハイパーオートメーション×スマートシティの実用例

ハイパーオートメーション及び、スマートシティは、現在どのように活用されているのでしょうか。
 本項からは、それぞれの実用例について詳しく解説していきます。

自治体の活用事例

自治体では「画像認識AI」を使った取組みが見られます。
 街に見守りカメラを設置し、リアルタイムでのモニタリングを実現。
 カメラを通じて、「転倒した人」「倒れこんだ人」「杖を使って歩行している人」など、サポートが必要なシーンをAIが自動で検知し、防犯・セキュリティ会社に出動要請を行うことが可能です。
 誰もが安全に暮らせる社会づくりの一環として実施できる地域の取組みといえます。

駅前の活用事例

連日多くの利用者で賑わう駅前では、AI技術が駅前のモニタリング調査に活用されています。  AI技術を使って、駅の利用者や駅に停車する車両などを解析し、滞在時間や通行量などを可視化。どのような属性の人・車両が利用しているのかを明らかになるでしょう。
 AI技術によって得たデータから、駅前の活用方法に反映させたり、街づくりの参考にしたりするなど、将来的にはスマートシティの実現に向けた貴重な情報源として利用することが期待できます。

ハイパーオートメーションにおけるNTTの取組み

NTTでは、ハイパーオートメーションの取組みを行っています。
詳しい取組み内容は以下をご覧ください。

NTT R&D Website -操作プロセス分類型業務デザイン支援技術-
https://www.rd.ntt/as/history/process/pr0017.html当該ページを別ウィンドウで開きます

NTTのスマートシティに関する取組み

NTTでは、スマートシティへの取組みを行っています。
詳しい取組み内容は以下をご覧ください。

環境負荷ゼロの実現に向けた、エネルギー流通基盤技術
https://journal.ntt.co.jp/article/11786当該ページを別ウィンドウで開きます