認知の拡大が広がり、徐々に知られるようになってきた「IoT」と「IoB」。いずれも、インターネットとモノを繋げる仕組みやテクノロジーのことを意味します。
そんなIoTやIoBは、身体も結合できるようになり、より深く私たちの生活の中に溶け込み、人間にとって必要な存在となりつつあります。
そこで、今回はIoTとIoBの概要や、身体とネットにおける結合事例について詳しくご紹介していきます。
IoTとは、「モノ」と「インターネット」を繋げるための仕組みを意味します。
インターネットといえば、スマホやパソコン、タブレットなどをイメージする方が多いと思います。
しかし、現代ではこれまでネットに接続されることのなかったモノもインターネットに接続できるようになってきました。
たとえば、家の中にある冷蔵庫やエアコン、照明などはその代表例です。
インターネットと接続できるようになることで、遠隔での操作が可能となり、外出していながら、各家電の操作が可能となります。
他にも、車両や住宅・オフィスなどの鍵、カメラ、スマートウォッチなどもIoTによってインターネットに接続されるようになりました。
今後も、より多くのモノがインターネットに接続できるようになるといわれています。
IoBとは、人間とインターネットをつなぐテクノロジーのことです。
そもそもIoBは「Internet of Bodies」「Internet of Behavior」を意味します。
つまり、インターネットと身体・行動を繋げることを指すのです。
Internet of Bodiesは、近年、ユーザーが増えている「スマートウォッチ」が大きく関係しています。
今や、スマートウォッチはIoBの代表格といえる存在です。
スマートウォッチなどのIoBデバイスを身につければ、端末を通じて心拍数を測定したり、歩行数をカウントしたりすることができます。
また、行動履歴もデータ化することができ、活用できるのが特徴です。
仮に、ウォーキングの習慣がある方であれば、歩いた距離や道、時間帯などをわざわざノートに記録しなくても、IoBデバイスが自動でデータとして記録してくれるため非常に便利です。
一方のInternet of Behaviorは、「行動のインターネット」を意味することであり、一人ひとりの行動をデータ化し、生活の質の向上や利便性、快適さを高めるための技術の一つです。
スマートウォッチを身につけたときに、位置情報が記録されたり、購買情報や運動の情報等を記録・確認できるのはInternet of Behaviorの特徴です。
手軽に自分の行動を可視化できるため、自分の日々の暮らしに目を向けるきっかけになったり、自分が最近興味のある分野についてインターネットの検索履歴をもとに振り返る機会も増え、生活の質が高まったりするでしょう。
身体とネットの新結合の実例は、近年急速に増えています。
具体的にどのような実例があるのかを以下から見ていきましょう。
身体とネットの新結合の実例として、まず挙げられるのが「行動履歴」です。
文字通り、どのような行動を把握したのかが履歴として残るのが特徴です。
主にTwitter、FacebookなどのSNSや、google、Yahoo!などの検索エンジンでの行動(検索含む)が該当します。
ユーザーがインターネット上でどのような行動をしたのかを企業側が分析したうえで、効果的な販促活動や広告の掲載などを実現しやすくなります。
IoBにおける行動履歴のデータは、とくに企業側にとって貴重な情報です。
スマホやタブレット、パソコンなどでおなじみの「顔認証」。スマホのロックを解除するための手段の一つとして顔認証を設けている端末は少なくありません。
パスワードやIDといった、番号では何らかの原因によって流出してしまうリスクがあるものの、顔認証であれば本人しか解除できないため、強力なセキュリティ対策となります。
IoBでは「位置情報取得」といった実例があります。
自分はもちろんのこと、家族や友人の位置も把握できるようなサービスが多く展開されている状況です。
実際、子どもの居場所をチェックするために、IoB端末を子どもに持たせている親は少なくありません。
人工衛星を利用して位置情報を取得しているため、データの正確性も高い傾向にあります。
IoBの技術が使われている実例として、自動車の運転情報が挙げられます。
ドライバーの走行情報を集めたうえで、その運転技術などについてフィードバックを行います。
適切なフィードバックによって、事故防止につながるだけでなく、万が一事故を起こした際にも、運転者側にどの程度の過失があるのかを分析できるのが特徴です。
NTTでは、IoT・IoBそれぞれの領域において、さまざまな取組みを行っています。
詳しい取組み内容は、ぜひ以下をご覧ください。
NTTにおけるIoT研究開発の取組み
https://journal.ntt.co.jp/backnumber2/1707/files/JN20170706.pdf