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2018年2月19日

自動車内の音声操作やコミュニケーションを快適にする集音技術を開発 ~コネクテッドカー時代に求められる低遅延で高音質な音声処理を実現~

日本電信電話株式会社(以下NTT、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:鵜浦博夫)は、自動車内の音声操作やコミュニケーションを快適にするマイク技術「インテリジェントマイク for car」を開発いたしました。

 今回、NTTは、雑音の多い環境でも所望の音声だけをクリアに集音できる「インテリジェントマイク」を、車載向けに「インテリジェントマイク for car」として発展させました。本技術は、自動車内における背景音を抑えながら、集音したい座席の所望の音声だけを抜き出すもので、エコーキャンセラ技術や適応ビームフォーミング、ハウリング抑圧技術など、NTTが長年培ってきた技術を結集させ、走行音やカーオーディオの音にも影響されない低遅延・高品質な集音を実現しています。
 自動車内でマイクで拾った音をスピーカから再生し、離れた座席に座る同乗者同士の会話を助ける「インカーコミュニケーション」や、拡声通話や音声による機器操作(いわゆる「音声操作」)を行う際、従来の技術では、ハウリングが発生する、遅延により音声が不自然になる、車の走行音やカーオーディオの音などの背景音により音声品質が劣化してしまう、という問題がありました。
 これに対して本技術では、電話会議装置等で培った音声処理技術を応用し、10ミリ秒未満の低遅延な音声処理や双方向通話を可能とする高性能ハウリング抑圧によって、違和感のない自然な会話を実現しています。また、適応ビームフォーミング技術により、走行音やカーオーディオなどの背景音に影響されず所望の音声だけを集音し、通話や音声操作に用いることが出来ます。
 また、本技術は、近年自動車への搭載が進んでいる「緊急通報システム」(※1)への対応として、「ハンズフリー通話」機能も強化しました。小型マイクスピーカ端末でも音声品質を保つ工夫を加え、従来比で70%端末サイズを小さくすることができており、同時に車両緊急通報のための音声品質の国際標準規格ITU-T P.1140におけるもっとも厳しい基準であるTYPE1(全二重対応:送話音声損失レベルが3dB以下)の基準を満たし、GOST-R55513にも準拠しています。

今後の予定

 NTTでは、様々なパートナーとのコラボレーションを通じ、コネクテッドカーや自動運転車など未来の自動車がより豊かな体験を提供できるような技術開発に取り組んでまいります。
 なお、本技術について、2018年2月22日~23日開催の「NTT R&Dフォーラム2018」にて展示いたします。

※1EUでは緊急通報システム「eCall」が2018年4月より新車への搭載が義務付けられています。
https://ec.europa.eu/transport/themes/its/road/action_plan/ecall_en当該ページを別ウィンドウで開きます

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別紙 「インテリジェントマイク for car」の技術について

1.技術の概要について

 インテリジェントマイク for carには、走行音やカーオーディオなどの背景音に影響されず所望の音声だけを集音する技術が用いられています。これにより、クリアに集音された音声を通話や音声操作に利用することが出来ます。

2.技術の詳細について

 通話や音声による機器操作(いわゆる「音声操作」)を行う際、従来の技術では、車の走行音やカーオーディオの音などの背景音により、通話の音声品質が劣化したり、音声操作が失敗したりしてしまうことがしばしばありました。自動車においては、車種・同乗者の有無・走行環境など、様々な環境変動要因があることがその原因です。本技術では、NTTが2015年に雑音環境下での音声認識コンテストCHiME-3チャレンジ(The 3rd CHiME Speech Separation and Recognition Challenge)にて世界一位の認識率を達成した「音声歪を抑えた雑音抑圧技術ASTER」を基に、車載機器用の演算処理装置でもリアルタイムに動作可能となるように処理の高速化および使用メモリ量の削減などの改善を施した技術が利用されています。自動車の環境に応じて適応的に集音特性を変化させることで、集音対象座席の音を適切に集音し、別座席の音声には感度の谷を向けることが可能となり、目的音のクリアな集音が可能となっています。

「インテリジェントマイク for car」の技術について

本件に関するお問い合わせ先

日本電信電話株式会社
サービスイノベーション総合研究所 企画部広報担当
TEL:046-859-2032
E-mail:randd-ml@hco.ntt.co.jp

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