2018年11月 9日
エヌ・ティ・ティ・ビズリンク株式会社
日本電信電話株式会社
エヌ・ティ・ティ・ビズリンク株式会社(東京都文京区、代表取締役社長:大井 貴、以下NTTビズリンク)は、日本電信電話株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:澤田 純、以下NTT)が開発したSDN(※1)ソフトウェアスイッチ・ルータLagopus(※2)を利用したFlow Copy-Cast(以下、FCC)システムを活用し、新たに4K映像(※3)の低遅延複数拠点ライブ配信を短期間からご利用いただける「4Kユニキャストコピー映像配信ソリューション」を、2018年10月1日から提供開始いたしました。尚、本ソリューションはInterBEE2018にて展示予定です。
また両社は、法人向けネットワークサービスへのSDN技術のさらなる活用のために、Lagopusをはじめとする高速なソフトウェアパケット処理技術について商用環境下での動作検証に関する共同実験を開始します。
昨今、映像配信が個人にも身近なものとなる中、遠隔講義やイベント中継など、法人向け映像配信への需要も高まりつつあります。その中で4Kなどの高精細映像サービスも普及しはじめており、様々な場面で高臨場映像を視聴する機会が増えて参りました。しかし、4K映像を複数拠点へ配信しようとすると、コストや準備期間といった理由により手軽に利用できないという課題がありました。
これまで法人向けに株主総会・社長/幹部講話・製薬会社セミナー・医薬系学会等において映像配信ソリューションをご提供し、お客様のニーズに幅広く対応してきたNTT ビズリンクは、更なる映像配信の利用形態の拡大に対応するため、今回新たに、「4K映像を低遅延ライブ配信で」、「複数拠点に」、「短期間から利用可能な」映像配信ソリューションとして、「4Kユニキャストコピー映像配信ソリューション」をリリースいたします。
「4Kユニキャストコピー映像配信ソリューション」は、NTTが開発したSDNソフトウェアスイッチ・ルータLagopusをベースとするFCCシステムと、インターネットより安心・安全なIPネットワーク(閉域網)と、利用形態に柔軟に対応する配信クラウドとを組み合わせることにより、『4K映像の低遅延複数拠点ライブ配信を短期間から利用』頂くことを可能にします。
NTTは、データセンタから広域ネットワークまで適用可能な性能・機能を備えるSDNソフトウェアスイッチ「Lagopus」を2014年7月に公開し、その後に様々な用途への適用検証を進めて参りました。また、検証を通じて得られた結果をOSS(※4)コミュニティへフィードバックし、ソフトウェア品質の向上にも継続的に取り組んで参りました。
今回NTTビズリンクがご提供する4Kユニキャストコピー映像配信ソリューションは、次の内容でご提供いたします。
4Kユニキャストコピー映像配信ソリューションは、配信元の4K 映像を複数の配信先に対してユニキャスト方式でライブ配信するソリューションです。配信元のカメラ映像のエンコード(映像データ圧縮)、ユニキャスト回線経由での各配信先への送信、デコード(映像データ復元)まで全て一括でのご提供が可能です。
解像度が上がれば、より臨場感が高く、より正確に情報を受け取れるようになります。低遅延配信は迅速性が求められる利用シーンで活用度が高まります。
4K対応のハードウェアエンコーダ・デコーダを活用し高画質映像を低遅延ライブ配信することにより、配信元の様子をリアルに配信先に伝えることが可能です。
1拠点だけではなく複数拠点に安価に映像を配信したい、インターネットではセキュリティ面が不安、そんなお客様に安心してご利用いただけるのがこのソリューションです。
FCCにより安価に複数拠点配信を実現し、また配信クラウドとIPネットワークの組み合わせにより、インターネットを通ることなく高セキュリティな閉域網で安心してご利用頂くことができます。
4K映像配信を短期間だけ利用してみたい、本ソリューションではそんなお客様のご要望にもお答えします。
配信クラウド利用のため、高セキュリティな閉域網を利用しながら、期間に応じた金額でご利用いただくことができます。
Lagopusは、NTTが開発した高速にパケットを処理するSDNソフトウェアスイッチであり、汎用サーバで動作しアプリケーションとの連携が容易であることが特徴です。2014年7月にOSSとして初版がリリースされ、Lagopus OSSコミュニティを通じてソフトウェアの機能と品質を継続的に向上させております。2015年から毎年、InteropのShowNetに採用され、Interop Tokyo 2015においてShownet Best of Showアワード 審査員特別賞を受賞するなど実績を積み重ねております。2017年には、スイッチ機能に加えてルータ機能も搭載するとともに、今後も新たな機能をモジュールとして追加しやすい構成のソフトウェアになっております。
公開ページ: http://www.lagopus.org/
FCCシステムは汎用サーバ上で高速に動作するLagopusを基盤とする配信システムであり、単一拠点への映像配信に適用するユニキャスト通信を複数拠点へ効率的にコピーし配信することができます。パケット処理においては、ネットワークスイッチとパケットをコピー・処理・転送するアプリケーションとを個別で構成する従来方式と比較し、パケットをコピー・処理・転送するパケット処理規則を事前にLagopusへ投入することにより、パケット処理の負荷を低減する方式を採用しております。また、Lagopusの採用により、市中の配信サーバ製品を利用する場合と比較し、安価な配信ソリューションを実現することができます。
SDN技術の商用環境下での実トラフィックを用いた動作の安定性やその応用先の検討に向け、NTTビズリンクとNTTは配信クラウド・配信ネットワークを利用して、法人向けのネットワークサービスへのSDN技術の適用性に関する共同実証実験を開始します。NTTビズリンクは、配信ネットワークを提供し、自社のネットワークオペレーションやサービスへのソフトウェアの適用検証を行います。NTTは、汎用サーバ上で動作するLagopusを含めたソフトウェアパケット処理技術を商用環境において、適用検証を実施します。実証実験の結果は、OSSコミュニティにフィードバックし、Lagopusの継続的な品質向上を実施します。
本ソリューションは、InterBEE2018にて展示を予定しております。
日時: | 2018年11月14日~16日 |
---|---|
場所: | 幕張メッセ |
詳細は下記お問い合わせ先(NTTビズリンク)までお問い合わせください。
NTTビズリンクは今後も様々な形態の映像配信ソリューションの提供を予定しております。様々な端末へ映像を安定して配信できるMPEG-DASH配信や高度な誤り訂正技術を採用した映像配信、臨場感あふれるVR配信など、お客様のニーズにあった映像配信ソリューションをご提供するため、引き続き対応を進めてまいります。
NTTは、本共同実験で得られた結果をLagopusのOSSコミュニティにフィードバックするとともに、SDN技術のさらなる発展を目指して、研究開発を進めて参ります。
※1『SDN』
Software Defined Networkingの略。ソフトウェアにより機能や構成を定義・制御することが可能なネットワークのこと。
※2『Lagopus』
未来研が開発し、普及活動に努めているSDNソフトスイッチ・ルータのこと。
※3『4K映像』
フルHD(1920×1080)の4倍、4K(3840×2160)の解像度を持つ高精細映像。
※4『OSS』
オープンソースソフトウェアのこと。
※記載の会社名・商標名等は各社の商標又は登録商標です。
お問い合わせ先
NTTビズリンク株式会社
電話:03-6381-2840
メール:event@nttbiz.com
お問い合わせ時間:9:00-17:30(土・日・祝祭日を除く)
日本電信電話株式会社
先端技術総合研究所 広報担当
電話:046-240-5157
メール:science_coretech-pr-ml@hco.ntt.co.jp
ニュースリリースに記載している情報は、発表日時点のものです。
現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。
NTTとともに未来を考えるWEBメディアです。