2021年10月19日
地方独立行政法人静岡県立病院機構 静岡県立総合病院
日本電信電話株式会社
地方独立行政法人静岡県立病院機構 静岡県立総合病院(以下「県立総合病院」)と日本電信電話株式会社(以下「NTT」)コミュニケーション科学基礎研究所は、難聴者・人工内耳装用者の音声・言語認知を研究することを目的とした共同研究に関する協定を令和3年10月19日に締結します。
近年、デジタル補聴器、人工内耳という新たな機器の普及が見られます。しかし、音を知覚し、ことばを認知するまでの過程には未だ不明な点が多く残されています。特に、先天聾であっても乳幼児期早期に人工内耳を装用すると健聴児と同様の音声言語獲得が可能なことが実証されています。しかし、電気信号から語音認知に至るまでの情報処理や発声・歌唱能力とのかかわりについて、その脳のメカニズムや発達の過程は解明されていません。また、WHO(※1)が2021年に高齢者の聴覚管理の重要性を提言しているように、高齢社会の中で難聴のためにコミュニケーションが阻害されることは、認知症発症の危険因子とされています。そこで、医療と脳科学の両面から研究を一層充実させ、メカニズムを解明することが期待されます。
これまでに県立総合病院では、「きこえとことばのセンター」を設立し、最先端の医療設備・体制を整備するなど、静岡県内の新生児聴覚スクリーニング検査や難聴児支援についての先進的な取り組みを進めております。また、NTTコミュニケーション科学基礎研究所では脳科学・人間科学研究への多角的な取り組みの中で、聴覚メカニズム解明をめざした研究や、幼児言語発達プロセスの体系的な研究を進めています。
この度両者は、難聴者における聴覚機構の態様を明らかにし、音声知覚・言語発達の個人差の背後にあるメカニズムを解明することを目的に、共同実験協定を締結します。本共同実験の進展により、難聴に関する科学的なサポートを多くの方に提供できるようになることをめざすと共に、人間の聴覚メカニズムの本質的な解明に向けた研究の進展をめざします。
1 日 時 | 令和3年10月19日(火)13:30~ |
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2 場 所 | 県立総合病院先端医学棟2階特別会議室 |
3 出席者 | 県立病院機構理事長兼総合病院院長 田中 一成 NTTコミュニケーション科学基礎研究所所長 山田 武士 |
※1WHO(World Health Organization、世界保健機関)
世界保健機関は、国際連合の専門機関の一であり、人間の健康を基本的人権の一つと捉え、その達成を目的として設立された機関。 1948年設立。本部はスイス・ジュネーヴ。
本件に関する報道機関からのお問い合わせ先
地方独立行政法人静岡県立病院機構
静岡県立病院 広報担当
honbu-jouhou@shizuoka-pho.jp
℡ 054-200-1610
日本電信電話株式会社
先端技術総合研究所 広報担当
science_coretech-pr-ml@hco.ntt.co.jp
℡ 046-240-5157
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