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2023年7月18日

日本電信電話株式会社

価値多層社会の実現に必要な哲学思想の構築を目指し一般社団法人 京都哲学研究所を設立

日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:島田 明、以下 NTT)は、西洋的価値観と日本・東アジアの価値観が矛盾許容的に共存する価値多層社会、パラコンシステント・ワールドの実現を目指し、京都大学出口康夫教授(文学研究科哲学専修/副研究科長、副プロボスト)と共に、一般社団法人 京都哲学研究所(以下、京都哲学研究所)を設立します。

京都哲学研究所では、哲学を中心とした人文学に関する研究活動を通して、現代社会の諸問題の解決につながるあらゆるヒト・モノ・コトが両立・共存する社会を実現するための新たな哲学思想の構築を目指し活動を開始致します。

1. 設立趣旨

国内外の企業の中長期的活動指針となりうる、世界価値基準を提案し、価値多層社会における持続可能性な考え方となる新たな社会価値・秩序を形成する。

  • 日本・東アジアの思想と欧米思想の双方の価値を両立させる新しい価値形成・価値戦略の検討・展開を図り、国内外の産業界、ひいては社会全体を巻き込んだ運動論の形成を行う。
  • 現代社会の諸問題に取り組むため、哲学を中心とした人文学の研究を遂行し、日本・東アジアの価値観を、西洋思想と対話可能なオルタナティブ(同位思想)として哲学的に体系化する。
  • 上記思想の社会提案・実装に取り組み、西洋的価値観と非西洋的価値観が矛盾許容的に共存する価値多層社会の実現を目指すとともに、社会への積極的関与を志向するエンゲージング(積極関与)人文学の興隆を図る。
  • 世界有数の歴史と伝統を持つ都市・京都を中心に以上の活動を展開することで、国際的に訴求力をもった運動体を形成する。

2. 活動内容

  1. 研究プロジェクト:世界価値戦略のための言説空間の構築
    1. 国内外の研究者が参画する哲学研究プロジェクトを一定期間実施し、多言語の学術書・学術論文・一般入門書・メディアコンテンツ等からなる言説空間を創出することで、「京都会議」を中心とした世界価値戦略に対する座標軸を与える。
  2. セクター横断的な共同事業および社会発信による哲学の社会実装
    1. 人文系研究者と産官学民人材、科学技術者、アーチスト・デザイナーとの対話・共同研究・共同事業を実施し、その内容をマルチメディアコンテンツ化し価値観の社会実装を図る。
  3. 京都会議開催
    1. 世界を代表する人材が一堂に会し、世界経済や環境問題などについて討議する「京都会議」を定期的に開催することで、新たな世界価値基準の戦略的展開を行う。

(島田社長コメント)
 近年、環境問題、安全保障、少子化問題など、解決すべき大きな社会課題が存在しています。一方で技術革新のスピードは速く、AIをはじめとする新技術が社会に与える影響はますます大きくなっています。新しい技術を社会に導入するためには、社会基盤、特にその根幹となる哲学についても環境に合わせ進化させていく必要があります。NTTはIOWN構想の光半導体が本格的に導入される2030年代を臨み、京都大学出口康夫教授と哲学共同研究・活動を進め、世界価値基準を社会に提案してまいりたいと考えております。今回の研究所設立はその第一歩であり、今後の研究・活動の着実な進展を期待しております。

(出口教授コメント)
 哲学は価値の提案の学です。提案する相手は、何よりも人々であり社会です。人々にその声を届けるためにも、哲学はいま再び、社会と向き合い、社会にエンゲージしなければなりません。一方、21世紀の世界は、価値の多元化、多層化をますます必要としています。このような二つの指向性が交わる「場」、哲学と社会を結び、両者の対話の中から新たな人間観、世界観を生み出し、それを世界に発信する「場」として京都哲学研究所は設立されました。世界の人々や研究者が、ここ京都に集い、議論し交流することで、京都発の新たな価値観と知のトレンドを生み出す。それが「われわれ」のミッションであり、夢でもあるのです。

3. 団体概要

名称:一般社団法人 京都哲学研究所(Kyoto Institute of Philosophy)
住所:京都市
URL:http://www.k-philo.org当該ページを別ウィンドウで開きます

4. 組織体制

  1. 設立時社員
    1. 日本電信電話株式会社
    2. 出口康夫(京都大学文学研究科・哲学専修教授/副研究科長、副プロボスト)
  2. 代表理事
    1. 出口康夫(京都大学文学研究科・哲学専修教授/副研究科長、副プロボスト)
  3. 共同研究者
    1. Jay Garfield教授(スミス大学:ドリス・シルバート教授、ハーバード大学神学大学院ディヴィニティスクール:客員教授、メルボルン大学:教授、中央高等チベット学研究所:兼任教授)
    2. Graham Priest教授(メルボルン大学:ボイス・ギブソン名誉教授、ニューヨーク市立大学大学院センター:特別教授)
  4. Executive Advisor / Chief Strategist
    1. 野村将揮(京都大学産学連携本部連携研究員、ハーバード大学ケネディ行政大学院、元経済産業省)
  5. 理事
    1. 生田誠司(日本電信電話株式会社)
    2. 大森久美子(日本電信電話株式会社)

5. 今後の計画

  1. (1)2023年度
    • 2023年7月18日:一般社団法人設立
    • 2023年8月1日:事業開始
    • 2024年1月19日:設立記念シンポジウム開催
    • 2024年2月:パートナー企業・賛同者の招待開始
  2. (2)2024年度以降
    • 京都宣言発出
    • 京都会議開催

本件に関する報道機関からのお問い合わせ先

日本電信電話株式会社
広報部門

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