2024年11月20日
日本電信電話株式会社
株式会社TBSテレビ
発表のポイント:
日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:島田 明、以下「NTT」)と株式会社TBSテレビ(本社:東京都港区、代表取締役社長:龍宝 正峰、以下「TBS」)は、両社の資本業務提携に基づく共同事業の一環として、映像プロダクションの効率化と高度化に向けて、制作拠点と撮影現場をIOWNオールフォトニクス・ネットワーク(以下、「APN」)(※1)(※2)で接続するリモートプロダクション環境の実現に成功しました。
なお本取り組みは、2024年11月25日~29日に開催されるNTT R&D FORUM 2024 ―IOWN INTEGRAL(※3)に展示予定です。
映像制作において、撮影現場と制作拠点をネットワークで接続し制作を行う手法であるリモートプロダクション等の映像プロダクションDXは、中継車で多くの機器を現地に用意し、多くのスタッフを現地に派遣する必要があるという業務効率化の課題、さらには人口減少による映像系技術者数の不足といった社会課題の解決にも寄与することが期待されており、実現に向け、映像制作装置や技術の標準化や集約化が進んでいます。一方で、以下のような課題も存在しています。
本取り組みでは、実際の放送局であるTBSの赤坂スタジオ(東京都港区)、スポーツイベントを開催しているスタジアム(埼玉県さいたま市)、3000km離れた台湾の中華電信股份有限公司(以下、「中華電信」)の3拠点の映像を、東京都蔵前の制作プライベートクラウドを介して、大容量・低遅延・ゆらぎなしの特徴を持つAPNで接続しました。NTT武蔵野研究開発センタ内にコントロールパネルにてスイッチング等の映像制作ができる環境を構築し、APNで各撮影場所を接続することで、大規模なフルリモートプロダクションが可能であることを実証しました。
映像はTBSのほかにJリーグ(日本プロサッカーリーグ)より提供いただき、スイッチャー等の映像制作装置はソニーマーケティング株式会社より、映像伝送装置はNTTイノベーティブデバイス株式会社より、リモートカメラはパナソニック コネクト株式会社より提供いただき、クラウドCG制作等のサービスは株式会社朋栄のサービスを利用して、実験環境を構成しました。
図. APNを活用したリモートプロダクションのイメージ
本取り組みはNTTとTBSの共同施策として推進しました。
NTT: APNの回線環境等を提供
上記以外に、以下の映像コンテンツ提供および機材提供と技術協力をいただいています。
今後、本取り組みでの活用装置および活用技術をふまえた映像制作のフィールド実証を両社共同で進め、映像プロダクションDXの更なる推進による映像制作の質の向上、映像制作拠点や撮影現場へのアクセシビリティの確保に貢献いたします。
また、この基盤であるAPNの技術を、放送局各局および各制作拠点に展開することで、映像制作業界全体の映像プロダクションDXの発展による映像制作の効率化と高度化をめざします。
※1:IOWN
IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想とは、あらゆる情報を基に個と全体との最適化を図り、光を中心とした革新的技術を活用し、高速大容量通信ならびに膨大な計算リソースなどを提供可能な、端末を含むネットワーク・情報処理基盤の構想です。詳しくは以下ホームページをご覧ください。
■IOWN構想とは?
https://www.rd.ntt/iown/index.html
※2:APN
APN(All-Photonics Network)とは、ネットワークから端末まで、すべてにフォトニクス(光)ベースの技術を導入し、これにより現在のエレクトロニクス(電子)ベースの技術では困難な、圧倒的な低消費電力、高品質・大容量、低遅延の伝送を実現します。詳しくは以下ホームページをご覧ください。
■オールフォトニクス・ネットワークとは
https://www.rd.ntt/iown/0002.html
※3:「NTT R&D FORUM 2024 ―IOWN INTEGRAL」公式サイト https://www.rd.ntt/forum/2024/
※4:PTP
PTP(Precision Time Protocol)とは、ネットワーク上でマイクロ秒単位の時刻同期を行うためのプロトコル。ネットワーク上で極めて高精度な時刻同期が必要なシステムに用いられる。2002年にIEEEによって「IEEE 1588」として標準化され、さらに放送制作業界では「SMPTE ST 2059-2」というプロファイルが使われる。
本件に関する報道機関からのお問い合わせ先
日本電信電話株式会社
IOWN総合イノベーションセンタ 広報担当
https://tools.group.ntt/jp/rd/contact/index.php?param01=R¶m02=101
株式会社TBSテレビ
メディアテクノロジー局
電話:03-3746-1111(代表)
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