2024年4月 9日
NTTアクセスサービスシステム研究所の鷹取泰司、淺井裕介、石原浩一、篠原笑子、エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォーム(株)の吉田英邦が令和6年度科学技術分野の文部科学大臣表彰の科学技術賞(開発部門)に、NTT社会情報研究所の藤堂洋介特別研究員が同表彰の若手科学者賞の受賞者に、それぞれ選ばれました。
鷹取氏、淺井氏、石原氏、篠原氏、吉田氏が受賞に至った業績は、「大規模環境における高効率Wi-Fi技術の開発」です。本開発では、無線アクセスの多様化が進展し、多数のWi-Fiを同時利用した際の電波干渉によるスループット低下が課題となる中で、電波干渉低減のため、状態把握、周波数リソース最適化、分散スマートアンテナ技術を組合せ、高効率無線アクセス技術を確立しました。これに加えて、Wi-Fiが利用する周波数リソース拡大のため、レーダーシステムとの共存帯域ではない可用性に優れた5.2GHz帯の屋外利用、5925MHz-6425MHzの屋内/ 屋外利用、ならびに920MHz帯における最大チャネル帯域幅の1MHzから4MHzへの拡大の電波法令改正に貢献しました。
本開発により、多数のWi-Fi端末を利用した場合における安定した同時通信が可能となり、高密度環境となる大規模Wi-Fi環境においても、スループットを飛躍的に向上させました。
本成果は、局所的に発生する大容量トラヒックを高効率収容することでさらなるWi-Fi技術の発展、ならびに、あらゆる産業のDXに向けて5G等の無線システムと組み合わせた高付加価値無線アクセスサービスの提供に寄与しています。
藤堂氏は、社会的に必要不可欠な暗号技術の安全性評価に関する研究を精力的に進めてきました。この研究により、多くの革新的解析法の提案による暗号の安全性理解を深めることで標準暗号の安全性評価に寄与し、また代数次数に関する基礎技術の研究と応用を通じて安全性を保障する技術の確立に努めたことで、現在や将来における安全な社会構築に貢献した点が評価されました。
科学技術分野の文部科学大臣表彰は、科学技術に関する研究開発、理解増進などにおいて顕著な成果を収めた者を顕彰しており、科学技術賞は、わが国の社会経済、国民生活の発展向上等に寄与し、実際に利活用されている画期的な研究開発を行った研究者個人に与えられ、若手科学者賞は萌芽的な研究、独創的視点に立った研究など、高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた若手研究者個人に与えられます。
<科学技術賞(開発部門)>大規模環境における高効率Wi-Fi技術の開発
<若手科学者賞>革新的解析法の開発による標準暗号の安全性評価に関する研究
<科学技術賞(開発部門)>
鷹取 泰司 NTTアクセスサービスシステム研究所 上席特別研究員
吉田 英邦 エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォーム(株)ワイヤレス技術部 部長
淺井 裕介 NTTアクセスサービスシステム研究所 特別研究員
石原 浩一 NTTアクセスサービスシステム研究所 主任研究員
篠原 笑子 NTTアクセスサービスシステム研究所 主任研究員
<若手科学者賞>
藤堂 洋介 NTT社会情報研究所 特別研究員
令和6年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者等の決定について(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_01364.html
鷹取泰司上席特別研究員の紹介
https://www.rd.ntt/organization/researcher/superior/s_029.html
淺井裕介特別研究員の紹介
https://www.rd.ntt/organization/researcher/special/s_084.html
藤堂洋介特別研究員の紹介
https://www.rd.ntt/organization/researcher/special/s_057.html
鷹取 泰司 上席特別研究員
吉田 英邦 部長
淺井 裕介 特別研究員
石原 浩一 主任研究員
篠原 笑子 主任研究員
藤堂 洋介 特別研究員
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