NTTグループでは、気候変動に関する環境課題を重要な経営課題と捉え、特に重要な事項については、取締役との議論を踏まえて決定しています。たとえば、2021年9月に発表した新たな環境エネルギービジョン「Green Innovation toward 2040」は、社外取締役を含めた全取締役と2021年度3回に渡り議論を行い、取締役会にて決議し、策定されました。
温室効果ガス排出量については、各グループ会社の事業計画に組み込むとともに、達成状況について、今後、重要な指標として役員報酬に反映していきます。
取締役による監督体制としては、2021年11月から取締役会直下にサステナビリティ委員会(委員長:社長)を設置し、サステナビリティ委員会の内部委員会として、Green Innovation委員会を設置しました。グループ全体の環境活動方針やその進捗状況をGreen Innovation委員会にて管理・推進し、サステナビリティに関する方針(憲章および付随する方針等の制定・改廃、特に重要な指標の決定)は、サステナビリティ委員会を経て取締役会で決定、それ以外の項目は執行役員会議で決定する体制としました。経営陣の役割としては、環境課題やリスクを把握するとともに、これらの状況を勘案し、事業を推進していきます。
NTTグループ各社横断的に環境課題について取組むことを目的としたグループGreen Innovation委員会では、研究企画部門長を委員長とし、主要グループ会社の環境を所掌する主要各社責任者等を委員として年2回以上開催し、環境エネルギービジョン策定等環境保護に関する基本方針の立案や目標・進捗状況の管理・推進をしていきます。2022年3月の委員会では、NTTグループ役員の業績評価に連動する、温室効果ガスの削減目標値等の決定を行いました。
また、NTTグループの温室効果ガス排出要因の9割以上を占める電力に関しては、NTTグループの省エネ推進活動(TPR[トータルパワー改革]運動)を管理するエネルギー高度利用推進委員会(委員長:副社長)と連携し、電力削減に向けた計画を策定するとともに、進捗状況を管理・推進しています。
NTTグループでは、環境を含むCSR活動の基本方針である「NTTグループCSR憲章」のもとに、地球環境保護に関する基本理念と方針を明文化した「NTTグループ地球環境憲章」を1991年に制定し、その基本理念と方針を礎として、「NTTグループ環境宣言」および「環境目標2030」「環境エネルギービジョン」等を策定し、NTTグループ一体となって環境活動に取組んでまいりました。
2021年には、これまでのCSR憲章を再構築した「NTTグループサステナビリティ憲章」を新たに制定し、サステナビリティ憲章を補完する方針等の1つとして環境エネルギービジョン「NTT Green Innovation toward 2040」を位置づけました。
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1991年 | 4月 | 「環境問題対策室」を設置 |
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7月 | 意思決定機関として「地球環境保護推進委員会」を設置 | |
10月 | 環境基本理念、基本方針、推進体制などを定めた「NTT地球環境憲章」を制定 主要行動計画目標を定めた「地球環境保護対策基本プログラム」を制定 |
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1992年 | 3月 | 各事業部などのアクションプランをまとめた詳細プログラムを策定 |
1997年 | 11月 | 重要な6つの課題への取組みを推進する課題別委員会を設置 |
1999年 | 7月 | NTT再編にともない、組織名称を「環境推進室」に変更 新たに基本理念と方針を明文化した「NTTグループ地球環境憲章」を制定 環境保護推進の基本コンセプトとして「NTTグループ・エコロジー・プログラム21」を制定 |
2000年 | 3月 | 「温暖化防止」「廃棄物削減」等の項目について、2010年度の目標を設定 |
2006年 | 5月 | 「NTTグループ環境貢献ビジョン」を策定 |
2010年 | 11月 | 「NTTグループ地球環境憲章」の基本方針に「生物多様性の保全」を追加 2020年度に向けたNTTグループの環境ビジョン「THE GREEN VISION 2020」を発表 |
2016年 | 9月 | 環境の未来像とNTTグループがありたい姿として「NTTグループ環境宣言」を発表 2030年までの目標となる「環境目標2030」制定 |
2018年 | 10月 | 「EV100」「EP100」へ加盟 |
2020年 | 5月 | 「環境エネルギービジョン」を策定 TCFDへの賛同を表明 |
10月 | SBT WB2.0℃目標の認定取得 | |
12月 | CDP気候変動において、国内通信事業者としてはじめて最高評価であるAスコアを取得 | |
2021年 | 9月 | 環境エネルギービジョン「NTT Green Innovation toward 2040」を策定 |
12月 | SBT 1.5℃目標の認定取得 |