本サービスは、電子サインパッド、本サービス用モジュール(複数の機能をまとめたもの)、伝票保管センタの3つで構成されます。
クレジットカード取り扱い加盟店では、クレジット決済用端末(POS)にサインパッドおよび本サービス用モジュールを組み込み、サインデータと呼ばれるサインを電子化したものの取り込みと伝票情報を電子化した伝票電子データの作成を実施することによって、クレジットサイン伝票の紙出力が不要となります。また、作成された伝票電子データは、本サービス用モジュールを通じて共同利用型の伝票保管センタに送信され、伝票保管センタで安全に保管されます。保管センタでは、保管した伝票データを伝票イメージで閲覧できる検索サイトを提供しており、加盟店は簡単に伝票を検索し確認することができます。
本サービスの加盟店から伝票保管センタまでの通信ネットワークは、従来から利用しているクレジット決済サービス「CAFIS®」を利用します。
CAFIS®伝票保管サービスの概要イメージ
加盟店で、サインデータと呼ばれるサインを電子化したものの取り込みと伝票情報を電子化した伝票電子データの作成を実施することによって、クレジットサイン伝票の紙出力が不要となります。また、電子的に保管するため、保管スペースも不要になります。
伝票出力が不要になることで、伝票集約時の運送なども不要になります。
クレジットサイン伝票の取り扱いに必要な加盟店の業務運用稼働を削減します。
評価モデルは、月間約4万件のクレジット取引を取り扱う店舗を全国に15店舗展開しているクレジットカード取り扱い加盟店のケースでの試算となります。
CAFIS®伝票保管サービス試算モデル(フロー)イメージ
伝票保管サービス導入前には、加盟店では、クレジットカード決済時、「お客様控え」に加えて、必ず「カード会社控え」を出力し、カード会社控えは加盟店にて7年間の保管が義務付けられています。また、磁気カード取引の場合には、カード会社控えに本人確認のためのサインをもらう必要があります。そのため、加盟店では、カード会社控えについて、(a)枚数チェック、(b)渡し間違いチェック、(c)サイン漏れチェック、(d)不備伝票のカード会社との調整、(e)保管用の仕分け作業、(f)保管作業、といった作業が発生していました。また、カード会社からの問い合わせがあった際には、該当伝票を提示する必要があり、(g)問い合わせ対応(伝票探しなど)、という作業も発生しました。
伝票保管サービス導入後は、カード会社控えの紙出力が廃止され電子化されます。また、それに伴い紙伝票を用いて人に頼って行われていた業務フローもシステム化することができ、オペレーションミスの抑止ができます。また、カード会社から問い合わせがあった場合は、検索用画面でデータを検索し、検索結果の伝票イメージを返却することで作業を完了できます。そのため、上記(a)~(g)のような作業稼働が不要、もしくは大幅な削減となります。また、カード会社控えとして利用していた紙および伝票の運送も削減されます。一方で、導入によって、伝票保管センタのサーバ・保管用ストレージなどのIT機器が増加となりました。
伝票保管サービス導入前後での環境負荷は、ライフサイクル全体(製造、使用、廃棄)の結果です。
※横スクロールできます
対象ライフサイクルステージ
導入前 | 伝票保管サービス | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
製造 | 使用 | 廃棄 | 製造 | 使用 | 廃棄 | |
ICTシステム | - | - | - | ○ | ○ | ○ |
ソフトウェア | - | - | - | ○ | - | - |
モノの移動 | ○ | ○ | ○ | - | - | - |
モノの電子化 | ○ | ○ | ○ | - | - | - |
人の稼働 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
評価結果を以下のグラフに記します。合計で年間49%のCO2削減効果となりました。
サービス導入前後のCO2排出量(年)
評価対象で考慮された環境負荷のライフサイクルは、用いた原単位に依存しています。試算にあたって、CO2排出原単位は下記データを用いました。
環境保護の取り組み