医療機関様にて実施する診療報酬請求の診療報酬明細書(レセプト)の自動点検を行うソフトウェアです。レセプトの自動点検を実施することによるレセプト点検の平準化、仮レセプト発行を抑えるペーパーレス推進、機械化による人件費の抑制を促すことができます。
また、レセプト博士は医療機関の医業収入の改善を促すため、下記の独自機能を装備しており、より高度なレセプトチェックを実現するソフトウェアです。
「レセプト博士Neo Standard」/「レセプト博士」(以下「本システム」と記述)導入前は、医事課による目視によってチェックを行うために、医事会計システムから仮レセプトを全件プリントアウトしていました。本システム導入後は、システムが自動チェックを行うため、医事課による目視によるチェックは、システムが確認を必要と判断したデータのみとなり、紙が大幅に削減しました。
本システム導入前は、医事課が主に残業時間帯に仮レセプトを目視によってチェックしていました。本システム導入後は、必要最低限のチェックとなったことによって、医事課の残業時間が大幅に削減されました。この結果、医事課のオフィスの照明や空調などにかかるエネルギーが間接的に削減できました。
本システムの導入によって、どの程度環境負荷が低減したのか、病院の規模ごとにサンプル調査を行いました。病院の区分ごとの本システムの導入病院数は、以下のとおりです(2010年3月末現在)。
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病床数 | 病院数 | サンプル有無 |
---|---|---|
700以上 | 40 | 無 |
400~699 | 154 | 有 |
200~399 | 319 | 有 |
100~199 | 453 | 有 |
20~99 | 319 | 無 |
0~19 | 394 | 無 |
病院数
サンプル調査ができた病床数が、100~299、200~399、400~699の病院(各1)のデータをもとに環境負荷の試算を行いました。
サンプル調査した病院の数値が同規模の病院でも同様の効果があったものとして計算しました。
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病床数 | 導入前(枚/月) | 導入後(枚/月) | 病院数 |
---|---|---|---|
400~699 | 10,138 | 97 | 154 |
200~399 | 141,764 | 1,352 | 319 |
100~199 | 3,200 | 31 | 453 |
合計 | 48,233,462 | 459,853 | 926 |
紙の環境負荷評価原単位は、1.28kg-CO2/kg(出典:紙パルプハンドブック[1998])であることから、0.004kg/枚、0.00512kg-CO2/枚としました。
1ヵ月あたりの紙にかかる環境負荷低減効果は、以下のとおりとなります。
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導入前 | 導入前 | |
---|---|---|
枚数(A4判換算) | 48,233,462 | 459,853 |
CO2(kg) | 246,955 | 2,354 |
サンプル調査した病院の数値が同規模の病院でも同様の効果があったものとして計算しました。
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病床数 | 導入前(人時間/月) | 導入後(人時間/月) | 病院数 |
---|---|---|---|
400~699 | 1349 | 772 | 154 |
200~399 | 674.5 | 386 | 319 |
100~199 | 346 | 119 | 453 |
合計 | 579,650 | 295,929 | 926 |
事務工数1人あたりのCO2原単位は、995kg-CO2/人/年、(出典:松野泰也、近藤康之編著、(社)産業環境管理協会発行「IT社会を環境で測る-グリーンIT-」[2007])であることから、9時間/日、20日/月とし、995÷(240×9)=0.46kg-CO2/人/時としました。
1ヵ月あたりの紙にかかる環境負荷低減効果は、以下のとおりとなります。
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導入前 | 導入前 | |
---|---|---|
稼働(人時間) | 579,650 | 295,929 |
CO2(kg) | 266,639 | 136,127 |
1病院で1台のPCを1ヵ月の稼動時間180時間(9時間/日×20日)のうち、20時間をこのシステムのために使用するとしました(全使用時間の11%)。
(社)産業環境管理協会のエコリーフに登録されているPCのうち、2006年に標準的なスペックであったエプソンダイレクト株式会社製 Endeavor AT960(製品環境情報No. BJ-06-034-A)のライフサイクル全ステージにおける温暖化負荷は336.9kgであることから、その使用1ヵ月でかつ「レセプト博士」の利用時間で按分すると、336.9kg÷48ヶ月×11%=0.780kg/月・台となります。
このPCが上記の926病院で使用されたとすると、722kg/月の環境負荷が増加することになります。
評価対象で考慮された環境負荷のライフサイクルは、用いた原単位に依存しています(下表)。試算にあたっては、「IT社会を環境で測る」※1掲載された原単位((7)CO2排出原単位参照)を用いました。
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対象ライフサイクルステージ
導入前 | 導入後 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
製造 | 使用 | 廃棄 | 製造 | 使用 | 廃棄 | |
ICTシステム | - | - | - | ○ | ○ | ○ |
ソフトウェア | - | - | - | ○ | - | - |
モノの電子化※1 | ○ | - | - | - | - | - |
人の稼働 | × | ○ | × | × | ○ | × |
注) モノの電子化では紙の負荷を計上しているが、使用段階は負荷が発生しないものとして対象としていない。また廃棄段階は対象としているが、カーボンニュートラルの考えによって負荷は0計上としている。
上記926病院における1ヵ月あたりのCO2排出量は、以下のように推計できます(73%の削減)。
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導入前(kg- CO2/月) | 導入後(kg- CO2/月) | |
---|---|---|
紙の使用 | 246,955 | 2,354 |
人の稼動 | 266,639 | 136,127 |
PCの使用 | 0 | 722 |
ソフトウェア | 0 | 59 |
合計 | 513,594 | 139,262 |
レセプト院内審査支援システム
「レセプト博士Neo Standard」/「レセプト博士」システム導入前後の1ヵ月あたりのCO2排出量
単位:kg-CO2/月
排出原単位は、主に「IT社会を環境で測る」※にとりまとめられたデータを用いました。それぞれの出所は以下のとおりです。
ソフトウェアの排出原単位は、環境しろうのデータを用いました。
※引用文献:松野泰也、近藤康之編著、『IT社会を環境で測る -グリーンIT-』、社団法人産業環境管理協会、2007
環境保護の取り組み