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IC認証基盤ソリューション【u:ma】認証プリント

概要

プリンタや複合機からの印刷において、紙出力時にICカードによる認証を必須とすることで、印刷物の放置やミスプリントなどの無駄な印刷を削減し、紙資源やプリンタ消耗品の節約につなげることができます。

パソコンから印刷指示をかけた後、あらかじめ登録してある各個人のICカードをプリンタ近くのICカードリーダへかざし、本人認証を行うことによって、自分の印刷物のみプリントします。

認証には、既に企業内で社員が所有しているICカードをそのまま利用できます。さらに、マルチベンダのプリンタおよび複合機に対応していて、専用サーバを必要としないため、既存資産を更新することなく、現在の環境に低コストで認証プリントを導入できます。また、【u:ma】認証プリント利用に必要となる機器は、非常に軽量で小型です(下図参照)。

【u:ma】認証プリントの利用イメージ 【u:ma】認証プリントの利用イメージ

環境効果のアピールポイント

プリンタや複合機から印刷を行なう際、紙出力時にICカードによる認証行うことで自分の印刷物のみを出力することができるようになります。持ち主不明の印刷物の放置や他の印刷物への混入の機会を減らします。認証されなかった印刷ジョブは一定時間後に自動的に削除する機能や、認証前であれば各利用者がパソコンから手動で印刷ジョブを削除する機能も備えますので、紙資源やプリンタ消耗品の節約につなげることが可能となります。さらに、ログ収集機能によって、カラー印刷や片面印刷など印刷状況の履歴管理を行い、運用上の資源節約推進活動の見える化にも活用することで、印刷資源の無駄使いを削減する効果はさらに高くなります。

また、設置にあたってサーバが不要で、各プリンタ・複合機近くに設置する認証BOXとICカードリーダのみが必要ですので、従来のサーバを必要とする認証プリントの構成に比べ、機器から排出されるCO2量が相対的に少なくなります。

評価モデル

(1)従来手段「通常のPCからの印刷」

導入前後の評価モデルとしては、実際の導入事例を用います。紙の消費量の変化、情報システムによる環境負荷(使用時)はいずれも実績値です。

【u:ma】認証プリント導入前には、個々のクライアントPCから直接複合機(プリンター)に印刷ジョブを投入していました。この結果、不要な印刷やミスプリントが発生し、紙の使用枚数が増加していました。

(2)ソリューション「認証プリントを用いた印刷制御」

【u:ma】認証プリント導入後は不要な印刷が減り、紙の印刷枚数が削減されました。一方で、複合機1台につき、【u:ma】認証プリントの認証BOXおよびICカードリーダをそれぞれ1台導入したことから、機器利用に伴う環境負荷が増加しました(下図参照)。

【u:ma】認証プリント導入前後の比較イメージ 【u:ma】認証プリント導入前後の比較イメージ

(3)評価の範囲

複合機1台、クライアントPC台数43台で10カ月間、【u:ma】認証プリントを利用した場合の実績値を年換算しました。

対象ライフサイクルステージ

評価対象で考慮された環境負荷のライフサイクルは、用いた原単位に依存しています。試算にあたっては、「IT社会を環境で測る」※、に掲載された原単位(「CO2排出原単位」参照)を用いました。

評価結果

【u:ma】認証プリント導入によって削減されたCO2削減効果を試算します。

本システムの導入前には、紙の消費に関わる環境負荷が10カ月で合計約1420kg- CO2でした。一方、本システムの導入後には、紙の消費量が減ったかわりに、サーバなどの電力による環境負荷が増加しました。

その結果、環境負荷の削減効果として、約30%の削減効果(約506kg- CO2/年の削減)を達成することができました(下グラフ参照)。

【u:ma】認証プリントの認証BOXおよびICカードリーダが、今後20,000式普及したと想定すると、年間のCO2純環境負荷低減効果は約10,768t- CO2/年となると考えられます。

【u:ma】認証プリント導入前後の1年間あたりのCO2排出量 【u:ma】認証プリント導入前後の1年間あたりのCO2排出量
(分類の詳細は下表参照)

環境負荷の分類 内訳
情報システム利用 【u:ma】認証プリント導入に必要なサーバなどIT機器利用
物の消費 紙の消費
環境負荷分類の詳細

CO2排出原単位

排出原単位は、「IT社会を環境で測る」、にとりまとめられたデータを用いました。それぞれの出所は次のとおりです。

・紙の消費

紙の換算係数:「紙パルプハンドブック(1998)」

その他

・引用文献

※松野泰也、近藤康之編著、『IT社会を環境で測る -グリーンIT-』、社団法人産業環境管理協会、2007