融資統合システムは、金融機関が融資関連業務(自己査定、不動産担保評価など)を行うための情報システムです。金融機関にて独自に構築していた情報システム(共同センター)に、開発した融資統合システムを一元化しコミュニティクラウド形態で提供します。
今回の財務分析機能は、取引先へ融資を実施するにあたり、金融機関にて決算書情報、共同統計情報をもとに定量評価分析を行う機能です。財務に関する情報を一元管理することで、財務分析にかかる事務負担の軽減はもちろんのこと、金融機関本部による支店への臨店指導や余計な帳表出力を削減し、コスト削減・意思決定の迅速化に寄与します。
融資統合システム概要図
コミュニティクラウド形態の共同センター利用によって、金融機関の独自開発が不要となり、ソフトウェアの削減が可能になります。
帳表をPCからダウンロード可能にすることで、本部から各支店へ営業車で帳表を持参する場合の人移動を削減できます。
帳表をPCからダウンロード可能にすることで、本部から各支店へ宅配便で帳表を送付する場合の物移動が削減されます。
財務分析結果の帳表を電子化し、本部・支店にてPC閲覧できる環境を構築したことによって、紙出力が削減されます。
従来よりも少ないPC操作で財務分析可能となり、人の稼働が削減できます。
【機能単位】
金融機関(約200本部、5,000支店)における1年間あたりの財務分析業務
従来は、ホストから媒体にて配布された情報を基に、各本部が財務分析処理を行い、帳表を出力していました。出力には、帳表数分のオペレーションが必要となります。出力した帳表は支店に営業車にて持参するか、または宅配便にて配送します。
融資統合システム[財務分析機能]によって、ホストの情報を基に、金融機関の各本部・各支店にて財務分析処理が可能となります。そのため、出力した帳表を各支店に配布する代わりに、各支店にてダウンロードでの帳表取得が可能となり、人移動や物移動が削減されます。NWインフラ利用の負荷が追加となりますが、各支店は既存の汎用PCにて財務分析が可能となったため、必要な帳表のみを出力することができ、紙の削減にも繋がります。また、帳票が削減されることで、削減された帳票数分のオペレーションが不要となります。
融資統合システムの評価モデル
対象ライフサイクルステージ
〔凡例 ○:評価対象、-:評価対象外〕
※横スクロールできます
従来手段 | 融資統合システム | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
製造 | 使用 | 廃棄 | 製造 | 使用 | 廃棄 | |
ICT機器利用 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
NWインフラ利用 | ― | ― | ― | ○ | ○ | ○ |
ソフトウェア利用 | ○ | ○ | ― | ○ | ○ | ― |
人移動 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
物移動 | ○ | ○ | ○ | ― | ― | ― |
材料・エネルギー消費 | ○ | ○※ | ○※ | ○ | ○※ | ○※ |
物保管 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
人執務 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
「材料・エネルギー消費」では紙およびDVDのCO2排出量を計算していますが、使用段階はCO2が発生しないものとしてCO2排出量は0としています。また廃棄段階についても、紙はカーボンニュートラルの考えによってCO2排出量は0としています。
グラフは評価結果です。融資統合システムを1年間利用したときのCO2排出量は1,760t-CO2/年、従来手段の場合のCO2排出量は2,863t-CO2/年であり、融資統合システムを利用することにより、約1,103t-CO2/年(38.5%)の削減ができます。
融資統合システムの1年間あたりのCO2排出量
環境保護の取り組み