東急不動産、NTT、NTTドコモは、2023年11月に竣工した「Shibuya Sakura Stage」へ、まちづくり分野においては世界初となる次世代ネットワークAPN IOWN 1.0の導入を決定。それに伴うイベント「IOWN WEEK」が12月13日(水)から12月15日(金)までの3日間、開催されました。「Shibuya Sakura Stage」ではお笑い芸人たちが集い、ゲームやラップバトル、漫才などを披露した「IOWNエンタメイベント」が、別会場である「渋谷ソラスタ」では「Shibuya Sakura Stage」へ入居する法人さま向けにオフィスでの利用を想定した「IOWNウェブ会議」を実施しました。
「IOWN WEEK」幕開けのプレゼンテーションでは、NTT代表取締役副社長 副社長執行役員 川添雄彦と東急不動産ホールディングス株式会社 代表取締役 副社長執行役員 植村仁様がIOWNを駆使したまちづくりと未来について語りました。
プレゼンテーションの冒頭で川添は次のように述べました。
「かつて日本が世界で大きなポジションを占めていた時代は『質の論理』の世界でした。品質の良い商品が生まれるのは日本から、という時代がしばらく続いていたのですが、その後に『数の論理』の時代がやってきました。GAFAや大きな中国市場のように、とにかく数を集めれば勝者になれる時代です。日本企業はこれに立ち向かおうとしてきたのですが、このような条件は日本にとって不利なのかもしれません。しかしこのような時代も長くは続かないと私は思っています。次には『価値の論理』の時代が来ると考えます。それは世界のいろいろな価値観、考え方、それをみんなでリスペクトして、それを利用していく時代です」。
そして次の新しい時代を支える基盤となるのがIOWNであると語ります。
「IOWNを活用することによって、クラシックコンサートの指揮者や演者が離れた場所に居ても、遅延のない演奏を実現することができます。都市部にいるドクターが地方の患者さんに手術を施すこともできます。遅延の許されないeスポーツの世界を盛り上げることもできます。このようにIOWNは、時間と距離とエネルギーの3つの壁を乗り越えることができる新しいイノベーションプラットフォームです」。
最後に世界的な広がりを見せるIOWNについても言及しました。「IOWN構想を推し進めるにあたり、世界中の方々とコラボレーションしようということで、2020年1月に『IOWNグローバルフォーラム』を立ち上げました。当初はたった3社でのスタートだったのですが、現在は137組織・団体の方々に参加いただき、まさに新しい世界を作ろうということで活動しています。その中で、都市として初めてこのグローバルフォーラムに参加していただいたのが渋谷区さん。IOWNを使い、この渋谷区で新しい価値を、皆さんの努力とともに創造していきたいと思っています」と結びました。
次に植村様が登壇され、渋谷におけるIOWNを活用したまちづくりについてのプレゼンテーションがありました。東急不動産のホームグラウンドである渋谷におけるDXを通じた独自性のある価値創造をまちづくりを通じて体現したいと語ります。
「今回、NTTグループ様と協業し世界初となる次世代通信サービスIOWNを活用した新たなまちづくりを進めていきます。渋谷のまちは若者が集まる流行最先端のまちとして取り上げられることが多いですが、一方でクリエイター、アーティストたちが集まる文化創造発信地としての特徴を持っております。今回のIOWNの導入により、渋谷のまちに最先端のインフラ環境が整備され、クリエイターやアーティストがさらに集まり、多様性のある感性の高い人々が繋がることで、優れた価値やコンテンツが渋谷を起点に誕生し、あらゆる人を引きつけるまちへと進化いたします。この「Shibuya Sakura Stage」は、100年に一度と言われる再開発が進む渋谷において、最大級の規模となる複合施設として先月末に竣工いたしました。本施設を環境とDXを組み合わせたモデルケースにしていきたいと考えております」。
プレゼンテーションに続き「IOWNエンタメイベント」としてお笑い芸人の皆さんが登壇。ステージには見取り図、鬼越トマホーク、ヨネダ2000の誠さんが、そして別会場である「渋谷ソラスタ」からIOWNで接続されたモニターにトレンディエンジェルの斎藤さん、とろサーモンの久保田さん、ヨネダ2000の愛さんが登場。IOWNの技術を活かしたさまざまな企画に挑戦していただきました。
最初の企画は「からだじゃんけん」。身体全体を使ったグーチョキパーで対戦します。ステージの鬼越トマホークの金ちゃんさんとヨネダ2000の誠さん、別会場からヨネダ2000の愛さんが参戦。まずは従来のインターネット回線を使用してじゃんけんを行いましたが、遅延によって愛さんが後出しするかたちとなり、ゲームがうまく成立しません。そこで回線をIOWNに切り替え再戦すると、まるで全員がその場にいるかのようなスムーズなじゃんけんに。あまりのスムーズさに「もうじゃんけんなんてどうでもいい」と感嘆の声を上げる見取り図・盛山さん。見事、誠さんが勝利をおさめました。
次の企画は「あっち向いてホイ」。ステージの見取り図・リリーさんと、別会場のトレンディエンジェル・斎藤さんの対戦です。先ほどと同様、従来の回線では遅延によって斎藤さんが後出しを連発。ところがIOWNに切り替えたとたんにスピーディーな展開に。リリーさんの勝利となりました。
3つめの企画は「表面張力ぎりぎりストップ」。鬼越トマホーク・坂井さんの頭に乗せたグラスに水を注ぎ、あふれるぎりぎりのラインで別会場のとろサーモン・久保田さんにストップ!と声をかけてもらいます。まずはIOWN回線でのチャレンジ。これまでの流れならぎりぎりで止まりそうですが、久保田さんのストップ!があまりにも個性的で、動揺と笑いによって回線の遅延とは関係なく水が少し漏れてしまうというアクシデントが発生。気を取り直して再度チャレンジしたところ、無事にぎりぎりのところで水を止めることに成功しました。そして回線を従来のものに切り替え挑戦したところ、遅延の影響で連携がうまくいかず、坂井さんの頭に水がこぼれる結果となってしまいました。
続いては、ステージ上の盛山さんと別会場の斎藤さん、久保田さんによるラップバトルです。IOWNによる遅延のない回線を利用して、お笑い芸人らしからぬハイレベルなラップバトルが展開。3人の見事なテクニックと、IOWNによるあまりにスムーズな展開に、会場は大いに盛り上がりました。
最後にヨネダ2000のおふたりによるIOWNを介した漫才が披露されました。ステージ上の誠さんと、別会場の愛さんが披露したのはリズムネタの「餅つき」。「ぺったんこーぺったんこー」を繰り返しながらダンスや歌、さらにハモリまで披露するネタは、まさに通常の漫才以上にふたりの息がぴったりと合わなければ成立しないもの。それがIOWNの超高速・低遅延の技術によって、離れた場所同士でのネタが成立しました。笑いを忘れて関心しきりの会場に、誠さんは「もっと笑ってくれていいのに」とぼやいていました。
すべての企画が終了したあと、芸人のみなさんに感想をうかがいました。盛山さんには「びっくりしました。これがあれば営業やネタ合わせでコンビが集まらなくてもよくなるかも」と言っていただき、誠さんからは「遅延がないので、遠くのおじいちゃんやおばあちゃんともゆっくり話せるかも」と新しい使い方をご提案いただきました。
また斎藤さんからは「恋のすれ違いがなくなるかも」と謎のコメント。
こうして「IOWNエンタメイベント」は無事に幕を閉じました。
「渋谷ソラスタ」では「Shibuya Sakura Stage」への入居を検討する法人さま向けに、オフィスでの利用を想定した「IOWNウェブ会議」が開催されました。IOWNが導入された「Shibuya Sakura Stage」では、遠隔のパートナーとの商談を、あたかもその場にいるかのように実現。低遅延、大容量通信、低消費電力といったIOWNの特徴はもちろん、リアルタイム同声翻訳により、言葉の壁を越えた未来の会議室を使用することができます。
IOWNによる低遅延・大容量通信技術によって、まるで同じ会議室にいるかのような環境を実現、雑談やブレストなど既存リモート会議では障壁があるコミュニケーション課題が解決します。
IOWNの通信課程でAIによる自動翻訳を実装することで、言語の壁もリモートならではのやりかたで解消。まさにグローバル規模でのチームプレーが可能な時代になります。
IOWNによる低遅延・大容量通信を兼ね備えたオフィスなら、海外をはじめとする遠隔地とも遅延のないリモート会議の実施はもちろん、高解像度の3D映像をデータ圧縮することなく通信することができます。
ディスアグリゲーテッドコンピューティングによって、大量のデータ処理が必要な作業も従来に比べ圧倒的な低消費電力で実現。オフィス光熱費の圧縮とともに企業のサステナブル活動のスタンダードになります。
次世代コミュニケーション基盤・IOWNが「Shibuya Sakura Stage」に導入されたことをきっかけに、新しいオフィス環境や働き方、これまでにない人と人との交流、優れたコンテンツや新しい文化の創造など、さまざまな潮流が生み出されることが予想されます。本イベント「IOWN WEEK」は、NTT、NTTドコモ、NTT東日本、NTTテクノクロス、NTTアドにて新たな価値を体現するため、企画し実行いたしました。NTTはIOWNをさらに加速させ、新しいまちづくり、そして人のために、地球のために、持続可能な世界の実現に向けた挑戦を続けていきます。
IOWNってなあに?
https://www.rd.ntt/iown/whats.html
IOWN構想とは?
https://www.rd.ntt/iown/
東急不動産、NTT、ドコモが「IOWN WEEK」イベントを開催
https://group.ntt/jp/newsrelease/2023/12/14/pdf/231214aa.pdf