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2024年3月 8日

NTTが取り組むGXとは?ソリューションブランド「NTT G×Inno」についても解説

NTTグループでは、GX分野の取組み強化に向けて、新たなソリューションブランド「NTT G×Inno(エヌティティ ジーノ)」を立ち上げました。GXとは、脱炭素社会の実現に向けて、化石燃料を用いる火力発電から、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー中心の産業構造へと転換する取組みのこと。環境保全と経済成長を同時に実現する取組みとして、いま世界中で注目を集めています。
 今回は、GXとは何かについて解説しながら、NTTがなぜGXに取組むのか、その背景を追いながら、「NTT G×Inno」が提供する具体的なソリューションを紹介します。

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1) GXとは? GXが注目される背景

画像:1) GXとは? GXが注目される背景

GXとは、グリーントランスフォーメーション(Green Transformation)の略称で、地球温暖化の要因である温室効果ガスの排出抑制を目的とし、化石燃料をできる限り使わずに、太陽光・風力発電といった再生可能エネルギー中心の経済社会システムへ変革していこうとする取組みや行動をさします。経済社会システムの変革を経済成長の機会と捉え、気候変動への対応だけではなく、経済の発展もめざしている点に特徴があります。

GXが注目される背景には、地球温暖化と環境問題の深刻化が挙げられます。
 近年、世界の平均気温は上昇を続けており、このまま温暖化が進むと、2100年までに地球の平均気温は最大5.7℃上昇するとも言われています。沿岸域の消失や生態系の崩壊といった世界規模のリスクが懸念されるなかで、2021年のCOP26終了時点で、154カ国・1地域が2050年までのカーボンニュートラルの実現を表明するなど、脱炭素に向けた動きは世界的に加速しています。

経済大国を中心に脱炭素の取組みが広がるなか、日本政府は2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」をめざすと宣言しています。岸田内閣が掲げる「新しい資本主義」に向けた重点投資分野の一つにもGXへの投資が挙げられており、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、今後10年間で150兆円規模からなる官民協調のGX投資が表明され、国際公約の達成と産業競争力の強化・経済成長の同時実現が掲げられています。このような動きを受け、カーボンニュートラルへの関心や認知度が高まるなか、温室効果ガス排出量削減への取組みを積極的に進める企業も増えています。

また、2022年の東京証券取引所の再編で、プライム市場に上場する企業には気候変動関連の事業リスクの開示が義務化されており、企業の脱炭素化に向けた取組みに対する投資家や消費者の関心も年々高まっています。

2) なぜNTTはGXに取組む? GXを通じてNTTがめざすもの

NTTグループでは新たな環境エネルギービジョンとして「NTT Green Innovation toward 2040」※1を掲げました。その中で、2030年度にNTTグループの温室効果ガス排出量を2013年度比で80%削減し、2040年度にはNTTグループのカーボンニュートラルの実現をめざすとしています。

※1新たな環境エネルギービジョン「NTT Green Innovation toward 2040」
URL https://group.ntt/jp/newsrelease/2021/09/28/210928a.html

加えて、NTTグループでは、2023年5月に発表したNTTグループ中期経営戦略『New value creation & Sustainability 2027 powered by IOWN』※2の中で、「グリーンソリューションの実現」や「循環型ビジネスの創造」「ネットゼロに向けて」への取組みを推進するとしています。

※2NTTグループ中期経営戦略『New value creation & Sustainability 2027 powered by IOWN』
URL https://group.ntt/jp/ir/mgt/managementstrategy

脱炭素社会の実現において、日本の電力のおよそ1%を消費しているともいわれるNTTグループには大きな社会的責任があります。自らが率先してこの責任を果たすとともに、カーボンニュートラルに向けた取組みを加速させるために、NTTグループ共通のブランドとして「NTT G×Inno」を立ち上げました。これにより、自社の脱炭素化や関連するバリューチェーンの脱炭素化の行動を起こすとともに、これらの取組みから得られたノウハウや実績から創出したGXソリューションを企業や自治体に提案することで、社会全体のカーボンニュートラルをめざしています。

3) NTT G×Innoが提供するGX分野の革新的技術によるソリュ―ションとは

NTTグループは「NTT G×Inno」というブランドのもとに、コンサルティング、可視化、省エネ、行動変容など、幅広い分野のソリューションをグループ各社から提供していきます。

グループ各社提供の各ソリューションについてはこちらの記事を紹介していますのでご覧ください。
【会見情報】GX分野の取組み強化に向けた新たなソリューションブランド「NTT G×Inno」を立ち上げ

温室効果ガス排出量を可視化するプラットフォーム

NTTグループは、環境エネルギービジョン「NTT Green Innovation toward 2040」に基づき、2040年度に向けて、自社での温室効果ガスの排出量であるScope1・2※3に加えて、サプライチェーン全体の温室効果ガスの排出量であるScope3※3まで含めたカーボンニュートラルの実現をめざしています。

※3温室効果ガスの排出量を算定・報告するために定められた「GHGプロトコル」の基準

Scope3とは、自社の事業活動にかかわる他事業者や使用者による間接的な排出量のことで、「サプライチェーン排出量」と呼ばれています。サプライチェーン排出量を算定するには、「排出原単位データベース」※4を用いるのが一般的ですが、データベースの値は日本全体の平均値であるため、各企業に個別の活動結果を反映しづらいという課題がありました。

こうした課題の解決策として挙げられるのが、「総排出量分配方式」です。総排出量分配方式とは「何を買ったか」ではなく、「誰から買ったか」で評価する方式のことです。企業のCO2排出量を「取引」と紐付けてやり取りするのがポイントで、サプライヤーの削減努力を自社排出量へ取り込めるだけでなく、その削減努力が取引を通じて下流へ取り込まれるという特徴があります。
 NTTグループは全体でサプライヤー排出量およびサプライヤーの削減努力を反映した温室効果ガスの算定・削減をめざし、2027年度までにともに排出量削減に取り組むサプライヤーへの導入1000社をめざします。
 「総排出量分配方式」を採用することで、サプライヤーへの削減要請や環境負荷の少ないサプライヤーへの調達切替えなど、「サプライヤーエンゲージメント」を機能させることも可能です。サプライヤーにも脱炭素化の取組みを促すことができ、ひいては社会全体の脱炭素化につながっていくと考えられています。

日本のみならず世界全体のカーボンニュートラル実現に向けては、NTTグループ単独の取組みに留まらず、地域間・企業間・業界間を横断して取組み、社会全体の行動変容を実現することが重要です。NTTグループが保有する最先端の技術やアセットを活用し、グローバル企業からスタートアップ、さらには産官学連携を含む幅広いパートナーのみなさまとともに、コンサルティングから行動変容まで幅広い分野のソリューションをグループ各社から提供していきます。

今後のNTTグループにご期待ください。

※4環境省『排出原単位データベース』
URL https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/estimate.html当該ページを別ウィンドウで開きます

4) 関連情報

【会見情報】GX分野の取組み強化に向けた新たなソリューションブランド「NTT G×Inno」を立ち上げ
https://group.ntt/jp/magazine/blog/nttgxinno/

NTTGxInno
https://group.ntt/jp/group/nttgxinno/

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