2015年1月27日
株式会社NTTデータ
日本電信電話株式会社
株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:岩本 敏男、以下:NTTデータ)は、日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:鵜浦 博夫、以下:NTT)が開発した機械翻訳エンジン「多言語統計翻訳プラットフォーム」を採用した技術文書の翻訳サービスの提供を2015年4月より開始します。
NTTデータは、これまで中国語・韓国語の特許文献を対象とした翻訳サービスを提供してきましたが、今回提供を開始するサービスでは、新たに対象言語に英語を追加するとともに、対象文書も特許文献に加えて、製品マニュアル、設計書、学術論文等の技術文書に拡大します。本サービスを利用することで、技術文書における翻訳コストの削減ならびに人手翻訳作業の期間短縮の実現が可能となります。
NTTデータは、本サービスを特許情報サービス業界や翻訳サービス業界に向けて提供を推進し、2017年度までの累計で10億円の売り上げを目指します。
近年、ビジネスのグローバル化に伴い、さまざまな言語で記載された大量の文書情報を利用する必要性が高まっています。特許文献や製品マニュアル等の技術文書についても人手翻訳で対応する中で、取り扱う文書量の増加に伴い、自動翻訳に対するニーズが高まっています。
NTTデータでは、NTT研究所で開発された機械翻訳エンジン「多言語統計翻訳プラットフォーム」を採用し、2014年4月より中国語特許文献の翻訳サービスを提供してきましたが、このようなニーズを受け、技術文書を高精度に自動翻訳する機械翻訳サービスの提供を2015年4月より開始することとなりました。
本サービスではNTT研究所の機械翻訳技術を活用しており、NTT独自の世界最高水準の構文解析技術や文法に基づく語順変換技術により、技術文書に現れる長い文に対しても高い品質で翻訳することが可能となっています。製品マニュアル等の翻訳にあたっては、これまでお客さまにて保有・蓄積された対訳データ(言語間で対応付けられた文のデータ)があれば、カスタマイズされた翻訳サービスの利用も可能となっています。
本サービスについては、SIによる提供形態をはじめクラウド型でも展開を行い、2017年度までの累計で10億円の売り上げを目指します。また今後はビジネス文書等、順次新規分野向けに展開を図っていきます。
従来の自動翻訳では、専門家が翻訳規則を作成する"ルールベース翻訳"が主流でしたが、翻訳規則を作成する作業量が膨大であることやその作成に専門知識が必要であることから、翻訳規則作成のコストが高くなってしまうという問題がありました。これに対し、大量の対訳データ(原文とその訳文の対からなるデータの蓄積)を統計処理し、従来の翻訳規則や翻訳辞書に当たる翻訳の統計モデルを自動学習することで実現コストを低減できる"統計翻訳"が近年注目されており、欧米諸国で商用化され始めています。しかし、統計翻訳では日本語と英語のように構文構造が大きく異なる言語間では高精度な統計翻訳を実現することが難しいという課題がありました。
今回NTTでは世界最高水準の構文解析技術や文法に基づく語順変換技術を活用することで、翻訳精度を劇的に改善し、技術文書等の書き言葉文章に出現するような長文に対しても高品質な翻訳を可能とする統計的機械翻訳技術を考案しました。本サービスはこの統計的機械翻訳技術をベースに開発した高精度機械翻訳エンジン「多言語統計翻訳プラットフォーム」の外国語(英中韓)⇒日本語への翻訳機能を用いて実現しています。また、本プラットフォームでは上記機能に加え、日本語⇒外国語(英中韓)への翻訳機能も有しています。
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