2015年2月18日
日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:鵜浦博夫、以下NTT)は、2020年に向けて、ビッグデータ分析を通じ、人・モノ・情報の流れを近未来予測し先行的に制御を行ない、例えば、イベントの混雑緩和など、人や交通の流れの最適化を目指す研究開発の取り組み「himico」を開始します。本取り組みは、2013年7月に設立した、ビッグデータ分析の関連技術を結集した「機械学習・データ科学センタ」(MLC:Machine Learning and Data Science Center, 上田修功 代表)を中核として、NTTの研究所一丸となって取り組んでまいります。
従来の技術では、事象が「いつ・どこで発生するか」といった時間と空間までを特定した近未来予測は困難でした。今回、NTTが開発を目指す「時空間多次元集合データ分析」では、過去の一定期間のビッグデータから、数時間程度先に起こる事象の発生時期(時間)と場所(空間)を近未来予測します。
加えて、IoT時代が本格化する中で、大量の各種センサーなどから得られる情報を、リアルタイムに観測・分析・予測・誘導を反復することで、人、モノの混雑が緩和されるような最適化を目指します。
また、NTTでは、通信事業者として、「himico」の取り組みを通じて、通信ネットワークにも応用し、いつ、どこでネットワークが混雑するか等を近未来予測し、SDNやNFVなどのネットワーク制御技術などと組み合わせ、いつでも、どこでも快適な通信の実現を目指します。
今後、NTTでは、「himico」の取り組みを推進し、通信ネットワーク分野のほか、他産業の企業の皆様とのCo-Innovationを図り、観光、交通、街づくり、スポーツ/エンターテイメント、流通、エネルギー等の分野において、いつでもどこでも快適な世界の実現を目指してまいります。
既存の機械学習技術では、単なる未来の予測は可能でしたが、その事象がいつ、どこで発生するか、といった時間と空間まで特定して予測することは困難でした。
今回NTTが、新たに開発を目指している「時空間多次元集合データ分析」では、多次元の軸で「時間」と「空間」を考慮することで、過去一定期間のデータから人、モノ、情報等の流れに対する時間と空間の影響パターンを学習し、数時間程度先の近未来における事象の発生時期と場所の予測を目指しています。
「時空間多次元集合データ分析」を人流に適用して近未来の混雑を予測します。そして、予測に基づいて複数の誘導シナリオのシミュレーションを行い、そのシナリオの中から最も混雑が緩和できるシナリオで先行的に誘導を行う、という処理をリアルタイムに反復することで、人流誘導の最適化を目指します。
ビッグデータを用いた革新的なサービス創出においては、深いデータ分析技術(機械学習技術)に加え、関連技術(データベース、クラウド計算、セキュリティ等)、応用領域の専門家との密な連携、さらには、データの収集、活用方法に関する取り組みとの連携が必須です。
今回、NTTの研究所によるデータの収集、活用も含めたビッグデータに関するトータルな取り組みを邪馬台国の預言者にちなみ「himico」と命名しました。本取り組みは、「機械学習・データ科学センタ 」を中核として、取り組んでまいります。
今後、NTTでは、「himico」を通じて、更なる革新的な技術開発を推進し、ビッグデータを組合せ、新たな価値創造を推進してまいります。
図1 himicoについて
図2 時空間多次元集合データ分析により人流誘導を全体最適化
図3 具体的な適用例 訪日外国人観光客の観光導線をトータルでおもてなし
本件についての報道機関からのお問い合せ先
日本電信電話株式会社
サービスイノベーション総合研究所 企画部広報担当
E-mail:randd@lab.ntt.co.jp Tel:(046)-859-2032
ニュースリリースに記載している情報は、発表日時点のものです。
現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。
NTTとともに未来を考えるWEBメディアです。