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2017年9月19日

日本郵船株式会社
株式会社MTI
日本電信電話株式会社
株式会社NTTデータ

船舶IoTの次世代プラットフォームに関する共同実験の開始とさらなる連携について --船舶IoT分野におけるイノベーション創出に向けて--

日本郵船株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:内藤忠顕、以下NYK)、NYKグループの株式会社MTI(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:田中康夫、以下MTI)、日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:鵜浦博夫、以下NTT)および株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:岩本敏男、以下 NTTデータ)は、NYKグループが進めている船舶IoTの次世代プラットフォーム開発に関して、NTTのもつ陸上ベースの技術および研究開発成果を組み合わせた共同実験を開始しました。
 今後、NYK・MTIがもつ現場力や課題解決力とNTTがもつIoT関連の先端技術やNTTデータのICTソリューションを掛け合わせることで、情報通信技術(ICT)を活用した船舶IoT分野におけるイノベーション創出に向けての取り組みを進めます。

1.連携の背景・目的

NYKは、2014年からの中期経営計画"More Than Shipping 2018 ~Stage 2 きらり技術力~"において技術力による差別化をテーマの一つに掲げ、技術力や現場力、創造性を発揮して新しいビジネスの創出や課題解決を具体化する取り組みを推進してきました。その中で、海運会社にとって欠かすことのできない「安全」と「環境」への取り組みを一段とレベルアップさせるために、IoTやビッグデータなど、最新のICT活用によるイノベーションに注力し、データ活用による最適運航や船舶機器の故障予知・予防の研究、さらに将来の自律航行船に向けた技術開発も進めています。また、安定的かつ効率的なIoTデータの船陸間共有を目指し、船陸間通信に関する独自の高い技術力をもつDualog社(注1)と戦略的協力関係を結び、船舶IoTの次世代プラットフォームの開発検討を進めています。

一方、NTTは、お客様に選ばれ続ける「バリューパートナー」として、ICTを通じたパートナーの皆さまとのコラボレーションにより、「Co-Innovation(共創・技術革新)」の取り組みを推進しており、今回の共同実験においては、NTTの研究成果であるIoT関連の先端技術とNTTデータがもつAIおよびIoT関連の実績やノウハウを活用し、NYK・MTIとDualog社が検討している次世代船舶IoTプラットフォームの実現をサポートします。

今後は、各社が連携し、船舶の安全性・経済性の追求および国際的な競争力の強化のため、海事産業のイノベーション創出を目指します。

2.連携の概要と各社の取組内容

NYKとMTIが研究開発を進めてきたパフォーマンスマネージメントシステム「SIMS」(注2)においては、NTT研究所のエッジコンピューティング技術(注3)とNTTデータのデータ活用ノウハウを適用することで、船上で収集した各種データを様々なアプリケーションで迅速に活用し、かつDualog社の船陸間データ共有技術を活用することで、安定的・効率的な船陸間のデータ・情報・アプリケーションの共有が可能となり、より高度な船舶の運航と保守管理などの「安全」と「環境」への取り組みを加速させます。

1.NYKグループ(NYK、MTI):安定的かつ効率的な船舶IoTプラットフォームの実現

これまでのSIMS開発、運用で判明した技術的な課題、およびユーザーとして定義した運用・技術要件をベースに、安定的かつ効率的な船舶IoTプラットフォームを開発します。また同プラットフォームは、一般社団法人日本舶用工業会が中心となって取り組んできた船舶IoT分野に関する国際標準規格化(注4)に対応し、日本や欧州の船級協会が推進するデータセンター構想と連携する方針です。

2.NTTグループ(NTT、NTTデータ):研究成果、ノウハウ提供による次世代船舶IoT実現の加速

NTTがこれまで研究開発を進めてきたエッジコンピューティング技術を船舶IoTプラットフォームに適用することで、船上の各種アプリケーションを配信・管理し、多種・多様な機器とアプリケーション間の高速なデータ交換とリアルタイムな分散処理を可能にします。
 また、NTTデータがこれまで積み重ねてきた様々なお客さまとの300件以上のデータ分析に関する実績や、NTTグループのAI技術「corevo®」(注5)などを活用し、次世代船舶IoTの実現に貢献するIoTソリューションを提供します。

3.Dualog社:船陸間データ共有技術提供による次世代船舶IoT実現の加速

Dualog社が開発してきた、特定の衛星通信プロバイダーに依存せず安全かつ安定的に船陸間データ共有を維持する技術を利用し、船陸双方で様々なデータとアプリケーションを効率的に利用できる次世代船舶IoTの実現に貢献します。

次世代船舶IoTプラットフォーム共同実験の概念図

次世代船舶IoTプラットフォーム共同実験の概念図

注1Dualog社
1994年にノルウェーで設立。海事分野のデジタルプラットフォームのサービスプロバイダーとして、船舶向けに信頼性とセキュリティレベルの高い、インターネット、Email、クラウドサービスを提供。船舶管理に必要な船上のITサービスをこれまでに3,000隻以上の船舶に提供。

注2SIMS
「SIMS(Ship Information Management System)」。運航状態や燃費、機器の状態など、毎時間の詳細な本船データを船陸間でタイムリーに共有するための装置。

注3エッジコンピューティング
データセンターとデバイスの間にサーバー(エッジサーバー)を設置し、データの処理計算を分散させることで、より高速なビッグデータ処理とリアルタイムなサービスを可能にする技術。

注4船舶IoT分野に関する国際標準規格化
船舶IoTデータ活用を円滑に行う基盤としての各種船舶データの国際標準規格化案。一般社団法人日本舶用工業会スマートナビゲーションシステム研究会が国際標準化機構(ISO)に対して提案、2013年10月より策定中。
ISO/DIS19847:航海系、機関系、その他の系統の実海域データを、時間軸をそろえて共有するための船内のデータサーバー諸要件の定義。 ISO/DIS19848:船上機械および機器用のデータ標準。ISO/PWI19847と平行し提案する新規国際標準規格化案。機器やシステム間の連接利便性向上のための船舶搭載機器間、またはシステム間でやり取りされる各種データの標準化。

注5「corevo」は日本電信電話株式会社の商標です。corevo®

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