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2018年11月22日

日本電信電話株式会社

車いす利用者への道案内に必要なバリアフリー情報を市民参加により自動的/持続的に収集する技術MaPiece®(まっぴーす)を開発 ~「ダイバシティ・ナビゲーション」の実現に向けた研究開発の推進~

日本電信電話株式会社(代表取締役社長:澤田純、本社:東京都千代田区、以下:NTT)では、少子高齢化や訪日外国人の増加などが進展する社会に向けて、車いすやベビーカーで移動される方や高齢者、訪日外国人などの身近な移動を安心・便利にサポートする「ダイバシティ・ナビゲーション」*1をコンセプトとした研究開発を推進しています。
 今回、オリンピック・パラリンピック等経済界協議会*2の活動(国土交通大臣賞*3受賞)に使用されている、車いすやベビーカーで移動される方などへの道案内(ナビゲーション)に必要なバリアフリー情報の収集技術「MaPiece®(まっぴーす)」*4に、新しく市民参加により収集する2つの技術「歩いてMaPiece」と「みんなでMaPiece」が加わりました。
 「歩いてMaPiece」は、2018年11月29日から2018年11月30日まで開催されるNTT R&Dフォーラム2018(秋)*5にて展示し、実際に技術を体験して頂けます。「みんなでMaPiece」は2018年12月からの国土交通省の実証実験に活用される予定です。

開発した技術の概要

様々な人の移動のサポートに向けて、広範囲のバリアフリー情報を効率的に収集できることが必要です。そこで、NTT研究所が培ってきた機械学習や統計処理のノウハウを活かし、市民参加で情報収集する技術として、歩行者が携帯したり、ベビーカーに取り付けたりしたスマートフォンを活用して車いすなどが通れるルートを自動検出するクラウドセンシング技術「歩いてMaPiece」と、市民の投稿から正しいバリアフリー情報を抽出し、日常的にバリアフリー情報を収集・更新する技術「みんなでMaPiece」の2つの技術を開発しました。(図1)

1)通れるルートを自動検出するクラウドセンシング技術「歩いてMaPiece」

歩行者が携帯したり、ベビーカーに取り付けたりしたスマートフォンを活用して車いすなどが通れるルートを自動検出するクラウドセンシング技術です。本技術では、利用者がツール等に情報を入力する必要がなく、各自のスマートフォンにアプリをインストールし所持して歩くだけで、路面情報の収集に協力できます。多くの協力者からのスマートフォンのセンサ情報がサーバに送られ、サーバで分析することにより自動で路面の状態を検出することが可能になります。
 本技術は、2018年11月29日から2018年11月30日まで開催されるNTT R&Dフォーラム2018(秋)にて展示しており、車いすの通行に支障が出ると言われる2cmの段差等の検出の仕組みを実際に体験して頂けます。(図2)

2)市民の投稿から正しいバリアフリー情報を抽出し、日常的にバリアフリー情報を収集・更新する技術「みんなでMaPiece」

普段の移動の際に、スマートフォン上のアプリで周辺のバリアフリー情報を確認でき、さらに、地図に投稿されていない段差や階段、トイレなどの情報を自ら投稿することで、より便利な地図をみんなで創るための技術です。(図3)
 従来の調査によるバリアフリー情報収集に加え、市民が日常の中で利用しながら情報を追加・更新することで、これまでの更新のコストを大幅に減らし、情報の鮮度を維持することが可能です。さらに、投稿された情報を利用者同士で評価する機能や、投稿された情報の信頼度判定技術を加えることで、管理者の情報チェックの労力を軽減しつつ、信頼性を確保した更新を行うことが可能となっています。(図4)

国土交通省では、ユニバーサル社会の構築に向けて、例えば、車いすの方が通行できる段差等のバリアのないルートを、スマートフォンを通じてナビゲーションする等、ICTを活用した歩行者移動支援サービスの普及のための取り組みが進められており、その中で「多様な主体の参画による新たなバリアフリーデータの収集・活用による既存サービスの高度化」の検討を目的として、2018年12月に千代田区協力のもと千代田区御茶ノ水周辺にて実証実験が予定されています。本実証実験に本技術が活用される予定です。

今後の展開

先に開発した、ボランティア向けのバリアフリー情報収集技術「測ってMaPiece」は、実際にオリンピック・パラリンピック等経済界協議会と自治体による2019年、2020年の大会に向けた会場周辺のバリアフリー情報調査において活用されていますが、その後も持続的に情報を更新し、収集エリアを拡大していくために本技術の早期実用化をめざします。

*1:http://www.ntt.co.jp/news2015/1501/150115a.html

*2: http://kyougikai2020.jp/ (別ウインドウが開きます)

*3:http://www.mlit.go.jp/report/press/joho01_hh_000048.html (別ウインドウが開きます)

*4:http://www.ntt.co.jp/news2016/1611/161125a.html

*5:http://labevent.ecl.ntt.co.jp/forum2018a/ (別ウインドウが開きます)

(参考)バリアフリー情報収集技術MaPiece®(まっぴーす)を「ロゴ」として表現しました。
「MaPiece」は日本電信電話株式会社の登録商標です。

MaPiece®(まっぴーす)

図1.新しく開発した「歩いてMaPiece」「みんなでMaPiece」の位置づけ

図1.新しく開発した「歩いてMaPiece」「みんなでMaPiece」の位置づけ

図2.「歩いてMaPiece」の仕組み体験デモ概要

図2.「歩いてMaPiece」の仕組み体験デモ概要

図3.「みんなでMaPiece」アプリの特徴概要

図3.「みんなでMaPiece」アプリの特徴概要

図4.「みんなでMaPiece」の仕組み概要

図4.「みんなでMaPiece」の仕組み概要

本件に関するお問い合わせ先

日本電信電話株式会社
広報室
TEL:03-5205-5550

Innovative R&D by NTT
NTTのR&D活動を「ロゴ」として表現しました

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