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2018年11月28日

日本電信電話株式会社

次世代技術の基礎研究を担う海外新研究所の設立について

日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:澤田純、以下「NTT」)は、2018年11月6日に発表したNTTグループ中期経営戦略『Your Value Partner 2025』に基づき、グローバル事業の競争力強化に向け、次世代技術の基礎的研究開発をグローバルに拡大・強化するため、2019年7月1日に北米シリコンバレーに新たな研究組織を発足します。

1.背景

グローバル事業の競争力強化に向け、NTTでは、NTTグループ中期経営戦略『Your Value Partner 2025』の一環で、全く新しいものを生み出す「革新的創造」への取組みに注力し、NTT研究所の成果をグローバル展開することに加え、研究開発ターゲットのグローバル化も進めています。さらに、NTT研究所の特徴である「基礎研究」をさらに強化することを目指し、海外に新たな研究起点となる研究法人を作ります。その第一歩として、北米のシリコンバレーに新しい研究法人NTT Research, Inc.を設立します。

2.NTT Research, Inc.の概要

NTT Research, Inc.では、NTT研究所が独自の技術を蓄積してきた物理学(PHysics)と情報学(Informatics)の共創領域(Φ "PHI")を探求する新たな研究組織「NTT Φ(ファイ) Laboratories」を2019年7月1日に北米シリコンバレーに発足します。(正式名:量子計算科学研究所 (Quantum Science & Computing Laboratories))。この研究所では、基礎物理学研究、特に散逸系における量子論の基礎研究と、その情報 処理への応用など全く新しい理論を構築する基礎研究を推進していきます。本研究所の所長には、国立情報学研究所/スタンフォード大学の名誉教授で、内閣府の革新的研究開発推進プログラムのプログラム・マネージャーを務める山本喜久先生を招聘する予定です。
 その他、NTT研究所の基礎研究を加速するため、以下の2つの研究所も、NTT Research, Inc.配下に発足します。

・暗号情報理論研究所(Cryptography & Information Security Laboratories)
安全・安心な未来を構築するための暗号理論および情報セキュリティの基礎研究として、高度先端機能に対応した暗号理論やブロックチェーン等の分散環境下における安全性理論などを探求します(通称:NTT CIS(シス) Laboratories)。本研究所の所長には、世界最先端の暗号理論研究者である岡本龍明フェローが就任する予定です。
・生体情報処理研究所 (Medical & Health Informatics Laboratories)
プレシジョン・メディシン(精密医療)につながるAIなど生体情報の分析技術に取り組みます(通称: NTT MEI(ミー) Laboratories)。本研究所の所長には、世界のトップクラスとの交流実績を持つ榊原記念病院顧問の友池仁暢先生を招聘する予定です。

NTT Research, Inc.では、これらの研究所長の人脈を活用し、NTT研究所が蓄積してきた独自技術を支える研究領域に、海外をはじめとした外部の優れた研究者を招聘し、国内と連携する新たな研究チームを組成します。(図1)
 さらに、革新的創造への取組みとして、事業会社とも積極的に情報共有し、"One NTT"としてのグローバルビジネスの競争力強化につなげていきます。

3.各研究所長のご紹介

NTT Φ Laboratories所長就任予定:山本喜久

所属:

革新的研究開発推進プログラム プログラム・マネージャー / スタンフォード大学 名誉教授 / 国立情報学研究所 名誉教授

略歴:

1978年: 東京大学大学院工学系研究科博士課程修了
1978年: 日本電信電話公社入社
1982年: マサチューセッツ工科大学 客員研究員
1985年: スウェーデン王立工科大学 客員研究員
1989年: AT&Tベル研究所 客員研究員
1992年: スタンフォード大学応用物理学科・電気工学科 教授
2003年: 国立情報学研究所 教授(東京大学工学部電子情報学科 教授)
2003年: 科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業CREST研究総括
2013年: 理化学研究所 CEMS量子光学研究グループ グループディレクター
山本喜久

グローバルな業績:

  • Hermann Anton Haus Lecturer, MIT (2010)
  • IEEE Lasers and Electro-Optics Society Quantum Electronics Award (2000)
  • Carl Zeiss Research Award, Germany (1992) など

NTT CIS Laboratories所長就任予定:岡本龍明

所属:

NTTフェロー

略歴:

1978年: 東京大学工学系研究科計数工学専門課程修士修了
1978年: 日本電信電話公社入社
1988年: 工学博士(東京大学工学系研究科計数工学専門課程)
1989年: カナダ ウォータールー大学 客員助教授
1994年: AT&T ベル研究所 客員研究員
1999年: 東京大学大学院数理科学研究科 客員教授
2001年: 筑波大学大学院 客員教授
2001年: 京都大学大学院情報学研究科 客員教授
2007年: NTTフェロー
岡本龍明

グローバルな業績:

  • RSA Conference Awards 2017 Excellence in the Field of Mathematics
  • International Association for Cryptologic Research (IACR) Fellow (2015)
  • IACR Distinguished Lecturer (2009) など

NTT MEI Laboratories所長就任予定:友池仁暢

所属:

榊原記念病院 顧問

略歴:

1969年: 九州大学医学部卒業(内科研修の後、循環器内科入局)
1975年: 米国カルフォルニア州立大学サンディエゴ校 医学部 Research Associate
1990年: 九州大学医学部付属心臓血管研究施設 助教授
1991年: 山形大学医学部内科学第一講座 教授
2001年: 国立循環器病センター 病院長
2010年: 国立循環器病研究センター 病院長 / 名誉院長
2011年: 公益財団法人日本心臓血圧研究振興会附属榊原記念病院 病院長
2017年: 公益財団法人日本心臓血圧研究振興会附属榊原記念病院 顧問
友池仁暢

グローバルな業績:

  • Sweden-Japan Cardiovascular and Metabolic Science Symposium (2007)
  • Fellow of the American College of Cardiology (2003-)
  • Fellow of the American Heart Association (1997-) など

4.今後の展開

NTT Research, Inc.のロケーションはグローバルに拡大します。まずは、上記の3分野で最も論文投稿が多い北米で、情報が最も集まるシリコンバレーを起点に、北米東海岸のボストン、欧州のミュンヘン、イスラエルなどにも拠点を増やす予定です。このグローバル展開により、基礎研究の分野で世界最先端の研究者ネットワークを構築することを目指します。

(図1) 研究組織の位置づけ

(図1) 研究組織の位置づけ

本件に関するお問い合わせ先

日本電信電話株式会社
研究企画部門 R&D推進担当
rdplan-pr@ml.hco.ntt.co.jp
TEL:03-6838-5322

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