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2020年7月 3日

日本電信電話株式会社
精華町役場

精華町とのAI対話システムにおける共同実験の開始について
~なりきりAI京町セイカがご案内!~

日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:澤田 純、以下「NTT」)は、精華町役場(京都府相楽郡精華町、代表者(町長:杉浦 正省、以下「精華町」)と共同実験を開始し、精華町の広報キャラクターである「京町セイカ」を、なりきりAI京町セイカとしてAI化する取り組みを行います。

NTTがこれまで培ってきた「なりきりAI」技術を応用し、個性的なキャラクターを持つ京町セイカが雑談のみならず、情報提供や観光案内、窓口受付といった役場業務も行う対話システムを構築します。

また、なりきりAI京町セイカを構築するにあたり、AIの学習に必要なデータ収集および実証実験を精華町、精華町民の皆様のご協力のもと実施し、企業・行政・住民の三者の協力による地域連携の取り組みとして本プロジェクトを進めていきます。


1.研究の背景

NTTでは現在、人間をより深く理解し、人間と共生できるような対話システム技術の研究と開発を行っています。この対話システムの実現には、人間の持つ行動傾向や性格、価値観、知識、言語能力などをモデル化し、人間の振る舞いを理解し、自分自身も人間のように振る舞う技術が必要となります。

この技術の一つの方向性として、対話システムに有名な仮想キャラクターという個性を持たせることで、そのキャラクターをよく知るユーザであれば満足度の高い対話を行うことができる「なりきりAI」という技術がNTTメディアインテリジェンス研究所で開発されています。なりきりAIは、あるキャラクター(有名人や小説、ゲームのキャラクターなど)になりきった対話データを様々なユーザから収集することで、そのキャラクターの振る舞いを再現した対話を実現します。NTTでは、NTTドコモ、ドワンゴとの連携により、これまで複数のキャラクターを対象としてなりきりAIを構築し、NTT R&Dフォーラムやニコニコ超会議等で出展してきました。しかし、現状のなりきりAIはエンタテイメント目的で雑談対話を行う技術であるため、受付や案内などを行うタスク対話はできず、「その人の持つ知識や経験の活用」や、それを活かした高度なインタラクションは実現できていませんでした。

NTT コミュニケーション科学基礎研究所では、かねてより質問応答や案内といったタスク対話と雑談対話を自由に行き来し、対話の話題を自然に制御する技術の基礎研究を行ってきました。この技術では2体のロボットが連携して話を進めるなど、様々な対話のテクニックを活用することでタスク対話と雑談対話の間で話題や知識を一致させ,対話が自然に続かないという問題を解消しています.一方で、この技術は限られた話題に対してのみ利用可能であり、応用範囲が狭いという問題がありました。


2.研究の内容

今回の研究では、これまで限られた話題でのみ行われていたタスク対話と非タスク対話の両立を,対話データの収集方法および、対話制御モデルに工夫を加えることで、幅広い話題や知識に対応できるよう改善しました。また、この技術をなりきりAIに適用することで、キャラクターの特徴を生かして、タスク対話と非タスク対話を両立する技術の提案に至りました。

本研究では、これらの技術をさらに発展させ、従来通りの対話システム側からの一方的な質問によるタスク対話ではなく、タスク対話の合間でもユーザからの雑談や質問に答えたり、適切に情報提供や相談を行うなど、ユーザの気持ちや要望に寄り添いながらタスク対話を進行する「人の心に寄り添うタスク対話」の実現をめざします。

(1)地域連携による高度な知識・経験をもつ対話データの収集

NTTと精華町は連携して精華町に関する高度な知識や経験を含んだ対話データを収集しました。データ収集では、精華町の広報キャラクターである京町セイカになりきった対話データを様々なユーザから収集しました。これにより、非常に多様な知識を内包する対話データを一つのキャラクターの知識として集約することができます。さらに、今後は精華町の皆様のご協力のもと、精華町に関するより多数の知識、経験を含む対話データを収集し、なりきりAI京町セイカの学習データとして活用していきます。(図1

図1.地域連携による学習データ収集 図1.地域連携による学習データ収集

(2)高度なインタラクションが可能ななりきりAI対話制御モデルを作成

NTTのこれまでの対話研究によって培われた技術を活かし、従来のなりきりAIでは困難であった情報提供や観光案内、窓口受付といった役場業務に関する対話も可能な対話制御モデル※1を作成します。情報提供や観光案内、窓口受付といった役場業務では、これまでに行われてきたバス運行案内などのタスク対話と異なり,町に関する非常に広範な情報の提供や案内が求められます.また,受付などでは,単に情報を提供するのみでなく,相手との対話を通してより詳細な要件を伺うことや,別の窓口への引継ぎなど深く情報をやり取りする対話も行う必要があります。本システムでは,なりきりAIの対話データ収集方法を改善し,非常に広範かつ高度な知識をもつ対話データを集めることで,これまで難しかった役場業務に関する対話を実現できる対話制御モデルを学習します。(図2

また,学習したなりきりAI京町セイカを用いて,窓口業務の一部を補助できるかどうかを、精華町役場における受付業務の場を活用して、実証実験で性能を確認していきます。(図3

図2.対話制御モデルによる役場業務を行う対話の例 図2.対話制御モデルによる役場業務を行う対話の例


図3.なりきりAI京町セイカのプロトタイプとの対話(「精華町に図書館はありますか?」と話しかけた際の様子) 図3.なりきりAI京町セイカのプロトタイプとの対話
(「精華町に図書館はありますか?」と話しかけた際の様子)


3.今後の展開

精華町の皆様のご協力及び、精華町役場での実証実験を通じた成果について、今後のイベントなどで発表すると共に、ここで得られたデータをもとに、人の心に寄り添ったタスク対話の高度な実現をめざした研究開発をさらに進めていきます。


※1AI対話制御モデル
役場業務に関する対話がどのような順序、話題で進行するかを制御するモデルを用いて、雑談対話とタスク対話、なかでも情報提供、観光案内、窓口受付などの個別のタスク対話を自然に切り替えながら対話全体を制御します。これにより、従来のなりきりAIでは一問一答の雑談対話しかできませんでしたが、本技術を用いたなりきりAIでは対話全体でタスク対話と雑談対話を両立させることができるようになります


本件に関する報道機関からのお問い合わせ先

精華町役場
総務部 企画調整課
TEL: 0774-95-1900

日本電信電話株式会社
先端技術総合研究所 広報担当
science_coretech-pr-ml@hco.ntt.co.jp
TEL: 046-240-5157

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