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特別調査委員会による調査報告の概要について

別紙1

(1) 調査の概要

  • 調査対象期間:2016年4月1日~2021年3月16日(第1回特別調査委員会開催日)
  • 調査範囲:NTTグループ(持株、東、西、コミュニケーションズ、ドコモ、データ)の経営陣と総務省課長級以上の職員及び総務省の政務三役との間の会食
  • 調査方法:関係資料(決裁資料等)の精査及びヒアリングの実施

(2) 本件調査の結果判明した事実

  • 総務省幹部等との間で、費用を等分負担していなかった会食は29件であることが判明した。
    (政務三役との会食:5件、国家公務員との会食:24件)
    ※他に費用を等分負担している会食が8件

(3) 本件における不正の有無

  • 本件調査の結果、NTTグループの経営陣と総務省幹部等との会食において、総務省幹部による便宜供与やNTTグループからの便宜供与の依頼等があったとは認められなかった。
  • また、NTT持株によるNTTドコモ完全子会社化やNTTドコモによる携帯電話料金の値下げなどについて、行政の判断が歪められたという事実も確認されなかった。
  • しかしながら、本件会食のうち、総務省幹部が参加しているものは、当該総務省幹部が、国家公務員倫理法に基づき定められている国家公務員倫理規程に違反する結果を招いたものであり、NTTグループ経営陣は、かかる法令違反を誘発・助長した点で、非難を免れることはできない。また、総務省政務三役が参加しているものは、国民の疑惑を招きかねない会食であった。
  • NTTグループ経営陣は、本件会食が国民や社会から厳しい批判を招いたことを真摯に反省し、二度とこのような事態を引き起こさないように、徹底した再発防止に努めるべきである。

(4) 原因・背景の分析

  • 当委員会のヒアリング結果によれば、経営陣において国家公務員倫理法・倫理規程及び大臣規範に関する知識、感度が不足していたことが認められる。
  • 知識、感度が不足していたことの背景には、国家公務員倫理法・倫理規程及び大臣規範に沿った会食を実施するための具体的なルールを定めた社内規程が存在していなかったことや、国家公務員倫理法・倫理規程及び大臣規範を遵守するための研修を実施していなかったことが挙げられる。
  • また、経営陣の発案した会食に関する牽制機能が十分に働いていなかったことも、本件の一因となったものと考えられる。

(5) 再発防止策の提言

  • 国家公務員倫理法・倫理規程及び大臣規範を遵守させるための社内規程を新たに制定、既存の社内規程の趣旨を明確化すべきである。
  • 国家公務員倫理法・倫理規程及び大臣規範遵守の重要性や利害関係者との間での会食は完全な等分負担でなければ許容されていないことなどの具体的な規定内容が理解できるように、国家公務員倫理法・倫理規程及び大臣規範に関する研修を実施するべきである。
  • 経営陣が発案した会食について、新たに策定するルールに基づいて適切に実施されているかを確認するとともに、政治家や公務員との会食に関する場合には、適切な機関による事前チェックを必要とすべきである。
  • また、会食を実施した後も、内部監査部門等が、特定の政治家や国家公務員との会食の件数や集中度等を確認し、会食での会話内容や会食の趣旨目的を確認するなどの事後のチェック策を講じるべきである。
  • 本件問題に即した再発防止策を実施するだけに止まらず、今後とも引き続いて、組織としての問題を自ら究明する努力を不断に継続していくべきである。