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2022年10月12日

日本電信電話株式会社

五輪に向けたウインドサーフィン競技の躍進に貢献する新たなトレーニング手法に係る研究開発を推進
~ワールドカップ2022にて最新の成果を用いた実験・展示を実施~

日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:島田 明、以下、NTT)は、人の身体的な技能・能力の獲得や発揮を飛躍的に高める、身体知(=コツや勘、感性のような人の身体に根差した経験的な知)のデジタル化に係る技術の研究開発に向けて、日本ウインドサーフィン協会(以下、JWA)との協力のもと、競技パフォーマンスを高めるトレーニング手法の開発、実践評価を推進しています。
 その最新の成果をもとに、2022年11月11日から2022年11月15日にかけて開催予定の「ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀・三浦大会※1」の場において、NTTが独自に開発した身体感覚再生シミュレータを、人間拡張基盤®※2を活用し遠隔で動作させる実験、およびデモ展示を行います。本実験・展示より得られる評価や知見を活かし、身体知研究を加速することにより、トップ選手の競技力向上に貢献するとともに、競技者、観戦者のすそ野を広げる活動にも寄与してまいります。

1.背景・概要

NTTでは、ICTによるナチュラルな人の能力拡張を目指し、人の身体的な技能・能力の獲得や発揮を飛躍的に高める、身体知(=コツや勘、感性のような人の身体に根差した経験的な知)のデジタル化に係る技術の研究開発を進めています。その具体的な事例の一つとして、次回パリ五輪よりウインドサーフィン競技の公式艇に新たに採用される「iQFOiL※3」における競技力向上に寄与する未知の身体知に着目し、2021年よりJWAとの共同実験契約を締結、以後一年以上に渡り、国内トップ選手の競技中の身体や用具の挙動データ、およびデータに基づく選手インタビューの収集、分析を進めてまいりました。その成果として、パフォーマンスの発揮に繋がる固有な身体感覚の生じる状態を抽出する分析手法を創出するとともに、抽出した状態情報から、固有の身体感覚を競技者本人以外の人に共有し、体感可能にする身体感覚再生シミュレータの開発を始め、身体知をトレーニング実践に取り込む手法へ検討を拡大しております。
 その最新の成果をもとに、2022年11月に3年ぶりに開催予定の「ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀・三浦大会」の場において、海上で競技中の選手だけが感じている身体感覚を、NTTドコモの5Gネットワークおよび人間拡張基盤®を介して、陸上のシミュレータで即時再生可能にする技術を用い、これまで不可能であった、競技中に生じる競技者の主観的な感覚を、コーチが同じボードに同乗したかのようにその場で共有し指導を試みる検証実験を実施、世界の選手・競技関係者から、こうした取組み、技術の効果効用に関する評価をフィードバックいただくことを計画しています。さらに、一般来場者の皆さまに向けても、シミュレータ・デモを含めウインドサーフィン競技の身体感覚を実体験頂き、競技への興味・関心を高める取り組みをJWAとともに実施いたします。
 (なお、本取組みにつきましては、10月13日開催予定の実行委員会記者会見でもご紹介の予定です。)

2.技術のポイント

・身体知の抽出・共有

トップ選手が競技中に発揮する身体知に根ざす身体感覚が生じる状態を抽出、その状態を再現することで身体知の感覚を他者と共有可能にする技術

・身体知感覚の即時転送

海上の不安定な環境下のセンシング情報からでも、シミュレータの稼働状態を踏まえ、キーとなる体感を壊さずに即時再生にする技術
 および、5Gネットワークと人間拡張基盤®を活用した柔軟なセンサデータネットワーク接続

技術のポイント

3.今後の取り組み

今回の実験・展示より得られた評価や知見を踏まえ、身体知技術の実践的な深化を加速するとともに、引き続きJWAとの連携を進め、今後のワールドカップや五輪などのトップ国際大会におけるトップ選手の躍進に貢献するとともに、競技者、観戦者のすそ野を広げる活動に寄与してまいります。
 加えて、人の主観的な身体感覚を、ICTを介して他者と共有可能にすることを目指す身体知技術は、多様な人々の環世界の連結を志向するIOWNの技術基盤の一つとして、人間拡張基盤®を始め他のIOWN基盤技術との連携を通して、スポーツを始め多様な人の能力拡張、能力発揮に向けたサービス基盤の実現をめざしてまいります。

※1ウインドサーフィンワールドカップ開催概要
大会名称: ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀・三浦大会
開催期間: 2022年11月11日(金)~11月15日(火)
会場: 津久井浜海岸
主催: ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀・三浦大会実行委員会
【実行委員会構成メンバー】
全日本空輸株式会社、京浜急行電鉄株式会社、一般社団法人日本ウインドサーフィン協会、神奈川県、横須賀市、三浦市
https://www.anahd.co.jp/group/pr/202209/20220902.html当該ページを別ウィンドウで開きます

※2「人間拡張基盤®」はNTTドコモの登録商標です。

※3iQFOiL(アイキューフォイル)=(イノベーション・クォリティ・フォイル)
2024年パリ大会よりオリンピック・ウインドサーフィン・クラスに採用される公式艇。ボードの底面に飛行機のような水中翼を持ち、セイルが風を受けてボードが走り始めると、水中翼により揚力が発生、競技者ごとボードを海水面上に浮き上がらせる。そのため水上の抵抗力が従来艇に比して小さく、微風でも効率的に速度を出すことができる。

本件に関する報道機関からのお問い合わせ先

日本電信電話株式会社
サービスイノベーション総合研究所
企画部広報担当
nttrd-pr@ml.ntt.com

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