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2023年3月20日

日本電信電話株式会社

メタバース空間×リアル空間におけるWell-being体験を通じて地域創生に貢献
~日本文化・伝統を有する高野山におけるSocial Well-beingの実証実験を開始~

日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:島田 明、以下「NTT」)は、個々人のWell-beingと地域の関係人口創出・拡大を目的とした「日本文化・伝統に基づくSocial Well-being」(※1)の実証実験を開始いたします。
 実証実験の第1弾として、1200年の歴史を有し、世界遺産にも登録されている高野山(和歌山県伊都郡高野町)を対象とした「高野山×Social Well-being」について実証します。
 本実証を通じ、高野山の伝統的な文化・自然や人との関わりをメタバース空間や身近な生活圏内で感じられる体験を創出することで、体験に関わる人々のWell-beingを支援するとともに、地域の関係人口創出・拡大による地域創生をめざします。

1.背景

NTTは、デジタルとリアルが連携された分散型社会において、個人の自律と集団の調和が利他的に共存している状態として「Social Well-being」のコンセプトを提唱し(※2)、これを可能にする社会をめざした研究開発を行っています。個人(自分)を大事にすると同時に、自分を取り巻く人やモノも大事にする考え方が広まることで、集団(組織)のために自分を犠牲にすることや、個人の価値観や役割が固定化することで集団の中で機能不全が起こるといった、個人と集団の二項対立を超え、個人と集団のよい状態が共存する社会をめざしています。
 その具体的な取り組みとして、Social Well-beingのコンセプトに共感する多様なパートナーと、人の存在・内在的価値を重視するWell-beingに基づくサービスや社会の仕組みを共創しています。また、その共創プロセスを方法論化した「Well-beingデザインフレームワーク」の研究開発に取り組んでいます。
 今回、高野山で受け継がれてきた思想・教えがSocial Well-beingのコンセプトと高い親和性を持つことを踏まえ、高野山に関係するパートナーである高野山大学を始めとする多様なパートナー(※3)とともに、Well-beingデザインフレームワークを活用し、高野山の文化・伝統を活かしSocial Well-beingにつながる体験を共創しました。

2.「高野山×Social Well-being」の概要

NTTが開発した「わたしたちのウェルビーイングカード」(※4)を用いたパートナーとの対話を通じ、高野山という地域の魅力を通じて得られるWell-beingの要因を以下の3つの価値として整理しました。

  1. 高野山の自然・歴史・人とのつながり
  2. 自己への気づき、メタ認知
  3. 共創・共同体験による人とのつながり

図1 本取組の提供価値 図1 本取組の提供価値

そして、これら3つの価値を、ICTを活用することで、生活者の身近な場所(生活圏)やデジタル空間(メタバース)でも感じられる体験を創出しました。気軽に現地(高野山)に行くことが難しい人や少し興味はあるが現地に行くのをためらっている人など、それぞれの人が関わりやすい形で体験することで、Well-beingと同時に高野山への興味を喚起し関係人口増による地域創生をめざします。

図2 2つの体験と各体験で得られる価値 図2 2つの体験と各体験で得られる価値

・生活圏における体験

NTTの振動伝送技術(※5)を活用し、高野山の僧侶の動作を体感しながら、金剛峯寺内の見学、金剛峯寺にある阿字観道場での瞑想体験を行います。視覚・聴覚に加えて触覚も提示することで、多様な感覚で風景の中の世界の変化を感じ取れ、身近な場所(生活圏)においても実体感のある体験ができ、現地での体験に近い個人のWell-being体験(Well-being要因を感じられる体験)ができます。また、現地の僧侶の動作を通じて生じた振動を音やリズムとして身体に巡らせることで、高野山とのつながりを肌で感じることや、瞑想の経験者(僧侶)の動作のコツを体感することができます。

図3 生活圏での体験 図3 生活圏での体験

・メタバースでの体験

「わたしたちのウェルビーイングカード」を活用し、自分自身がよい時を過ごしていたと感じる写真(Well-beingな写真)で構成される「Well-beingマイマンダラ」を作成します。Well-beingマイマンダラは、高野山の教えを表現している「曼荼羅(まんだら)」の様式に倣って表現され、自分自身のよいあり方(Well-being価値観)に基づく内観を促します。Well-beingマイマンダラを複数人で共有しながら対話をすることで、お互いの価値観理解を促します。さらに、複数人のWell-beingマイマンダラを融合して作られる「Well-beingチームマンダラ」を用いた対話により、集団がもつWell-being価値観の多様性と、その中の一員である自分を俯瞰して感じることができます。

図4 メタバースでの体験 図4 メタバースでの体験

3.実証実験の概要

本実証実験では、「生活圏」および「メタバース」での体験について、西日本電信電話株式会社(以下、NTT西日本)が運営するオープンイノベーション施設QUINTBRIDGE(※6)においてQUINTBRIDGE会員向けに実施し、それぞれの体験で、個人のWell-being体験、地域へのつながり感の醸成を検証していきます。

・生活圏での体験

3月27日から約1か月間展示し、QUINTBRIDGE会員の好きなタイミングで体験いただきます。
 今後、イベントや常設展示できる場所を増やし、現地に行くよりも気軽に体験できる場所が生活圏内にできることで、持続的なつながりを創出・維持できることをめざします。

・メタバースでの体験

3月24日に実施されるQUINTBRIDGE1周年記念イベント(※7)にて、デジタルとリアルを連携させたワークショップ形式で実施します。Well-beingマイマンダラの作成をメタバース空間で行い、その共有と対話をリアル空間で実施します。
 今後、共有・対話を含めてメタバース空間で実施することで、どこにいても持続的なつながりを創出・維持できることをめざします。

4.今後の展開

今回の実証実験では、Well-being価値観に基づく内観を他者との対話と五感を使った体感を通じて行う体験を提供します。本実証による知見を踏まえて高野山大学密教文化研究所監修のもと体験内容を改善し、体験ユーザを拡げて法人向けや訪日外国人向けの商用化に向けた検討を実施後、NTTグループ会社と共にビジネス持続性のためのエコシステムの検討・検証を行ってまいります。

※1.日本文化・伝統に基づくSocial Well-being:日本文化・伝統を有する地域の地域創生と、その地域とつながることで一人ひとりのWell-beingに資する体験をめざした取り組み。NTTでは、Social Well-beingな社会を実現するための個人の考え方として、東アジアの思想伝統を踏まえた自己観が重要であると考え、その思想と親和性の高い日本文化・伝統に基づいたWell-beingな体験を創ることで、個人のWell-beingと地域創生に資する価値の創出をめざしています。

※2.Social Well-being:個人の自律と集団の調和を利他的に共存できるつながり
URL:https://journal.ntt.co.jp/article/19106当該ページを別ウィンドウで開きます

※3.高野山の地域のパートナーとして学校法人高野山大学(密教文化研究所)と、ICTを活用したWell-beingサービス開発のパートナーとして株式会社エクサウィザーズが参画

※4.わたしたちのウェルビーイングカード:NTTが開発した、Well-beingを理解するための第一歩として、自分や周囲の人たちが「何に対して幸せを感じるのか」ということを言語化するためのコミュニケーションツール。カードには自分がWell-beingを感じること(Well-being要因)が書かれており、2022年度版では4カテゴリ32種のカードがある。
URL:https://socialwellbeing.ilab.ntt.co.jp/tool_measure_wellbeingcard.html当該ページを別ウィンドウで開きます

※5.振動伝送技術:NTTが開発した、動きや音によって生じる振動情報を計測し送信する技術。
URL:https://www.ntticc.or.jp/ja/archive/works/vibro-scape/当該ページを別ウィンドウで開きます

※6.QUINTBRIDGE:大阪 京橋から企業・スタートアップ・自治体・大学等のパートナーと共に『業界・地域課題の解決』と『未来社会の創造』をめざすNTT西日本が運営するオープンイノベーション施設。事業創造のための多彩な教育プログラム、西日本各地のオープンイノベーション組織との連携、50以上の地域包括協定による社会実装フィールドなど、『学ぶ・繋がる・共創する』機会を提供し、つながりでWell-beingを実感できる社会をパートナーの皆さまと共に実現していきます。
URL:https://www.quintbridge.jp/当該ページを別ウィンドウで開きます

※7.QUINTBRIDGE1周年記念イベント:2023年3月24日13時~20時
イベントURL:https://www.quintbridge.jp/event/detail/afq_h6i7g/当該ページを別ウィンドウで開きます

本件に関する報道機関からのお問い合わせ先

日本電信電話株式会社
サービスイノベーション総合研究所
企画部広報担当
nttrd-pr@ml.ntt.com

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