2023年5月30日
日本電信電話株式会社
日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:島田 明、以下「NTT」)は、最新のR&D成果を一般公開するイベント「オープンハウス2023」(入場無料・事前登録制)を、2023年6月1日(木)・6月2日(金)、NTT西日本QUINTBRIDGE(所在地:大阪府大阪市)において開催いたします。本イベントは、NTT コミュニケーション科学基礎研究所(以下「NTT CS研」)が主催するものです。
NTT CS研は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため2020年からオープンハウスをWebで行っていましたが、4年ぶりに現地開催します。今回、人工知能(AI)が会話の状況を正しく読み解く技術、聴力検査だけでは測り切れない自閉スペクトラム症の聞こえ方の解明、トップアスリートのメンタルの指標と動作や競技成績との関係の分析や、複数の音が混ざっている中から聞きたい音を抽出する技術などを研究開発しました。これらの他にも、IOWNの実現に向けた研究成果など最新の研究開発技術(合計16点)を、デモを交えながら、NTTの研究員が直接説明します。
また、オープンハウス当日は特設ウェブサイトを公開し、その後一定期間、招待講演・所長講演・研究講演・展示内容など、各種動画コンテンツをご覧いただける予定です。
≪NTT コミュニケーション科学基礎研究所 オープンハウス2023特設ウェブサイト≫
https://www.kecl.ntt.co.jp/openhouse/2023/index.html
1.開催日時: | 2023年6月1日(木)12:00~17:00 6月2日(金) 9:30~17:00 |
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2.場所: | 現地開催:QUINTBRIDGE(NTT西日本) [Website] 大阪府大阪市都島区東野田町4-15-82 QUINTBRIDGE JR大阪環状線「京橋駅」北口:徒歩約10分 京阪本線「京橋駅」西口:徒歩約10分 地下鉄長堀鶴見緑地線「京橋駅」:徒歩約5分 |
人と社会と地球の未来を読み解き、誰もが輝ける世界をデザインする
~多様な知と技術で過去・現在・未来をつなぐコミュニケーション科学~
コミュニケーション科学基礎研究所 所長 納谷 太
内耳の電気刺激(人工内耳)による音声言語獲得
静岡県立総合病院きこえとことばのセンター長 高木 明 様
〇観測データから物理現象を再現する機械学習技術
~データ駆動型アプローチに基づく物理シミュレーション~
本講演では、物理法則を事前知識として活用することで、観測データから物理現象を正確に再現するための機械学習技術を紹介します。これまでの歴史で培われてきた物理学の知識が、どのようにして機械学習に融合されるのかに焦点を当てます。気象や海流のような流体のダイナミクスは複雑かつ大規模な物理現象です。これらを数理科学と情報科学の融合を深めることにより、シミュレーション可能にすることをめざします。
図1 観測データから物理現象を正確に再現するための機械学習技術
〇量子コンピュータにおける計算高速性と信頼性のジレンマ
~計算結果の正しさの効率的な検証技術による量子エラーの克服~
量子コンピュータは、現在のコンピュータよりも高速な計算を可能にすると期待されていますが、ノイズによるエラーが発生しやすく、正しい答えを出力できない場合があります。そのため、正しい答えであるか検証する必要があります。本講演では、量子計算の高速性の起源である量子重ね合わせが計算結果の検証を困難にするというジレンマに触れつつ、私たちがどのような方法でそのジレンマを回避しているのかをご紹介します。
図2 量子コンピュータの出力の正しさの検証
その他、下記2点の計4点の研究講演を実施します。
〇機械の脳で読み解くヒトの脳
~AIと脳情報解析技術の融合による脳メカニズム理解~
〇マインドフルネス瞑想における「ありのままの気づき」とは何か?
~マインドフルネス瞑想の生理・心理・神経メカニズムの解明~
〇離れていても柔らかく触れる?
~遠隔操作ロボットにおける高追従低剛性制御の実現~
ロボットを遠く離れたところから動かす技術は、遠隔医療や人が入れない危険環境の作業に役立ちますが、正確に動くだけでなく、柔らかく触れることが必要な場合があります。本研究では、操作する人の動かし方から動作意図を推定することにより、操作側の動きに追従しながらも物に柔らかく触れる制御法を実現しました。
図3 通信遅延の影響を排除して遠隔ロボットを意図どおりに動かす技術
〇生徒それぞれに適度なレベルの問題を出題します
~Monotonic VAEに基づいた個別最適な問題推薦手法~
本展示では多数の生徒の問題に対する解答データ(正誤または未解答) のみから、生徒が初見の問題に正解する確率を予測する手法を紹介します。本手法は教科や問題の種類によらず適用可能であり、生徒の学力を踏まえた適度な難易度の問題群を推薦できます。 個別最適な問題 を推薦する技術を活用し、多様な生徒の学力レベルの変化に応じて効率的な学びを提供できる未来をめざします。なお、本成果の一部は内閣府・戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期にて実施しました。
図4 未解答問題を解いた場合に正解する確率を予測
その他、下記の報道発表を行う3点を含む、全16点の最新の研究開発技術を出展します。
本件に関する報道機関からのお問い合わせ先
日本電信電話株式会社
先端技術総合研究所 広報担当
E-mail: nttrd-pr@ml.ntt.com
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現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。
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