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2023年11月13日

ソニー株式会社
日本電信電話株式会社

ソニーとNTT、多拠点間の広域リモートプロダクションプラットホームの形成及び発展の加速に向けた連携・協力に関する協定を締結
~放送設備の共有化・IP化・クラウド化を通じ、コンテンツ制作のデジタルトランスフォーメーションをめざす~

ソニー株式会社、日本電信電話株式会社は、この度放送局や編集拠点、催事場等の多拠点間の広域リモートプロダクションプラットホームの形成及び発展の加速に向けた連携・協力に関する協定を締結しました。本協定を通じ、放送設備の共有化・IP化・クラウド化による、保有・運用・維持管理に関するコスト低減およびコンテンツ制作のデジタルトランスフォーメーションをめざします。これにより、コストの関係上これまで届けることのできなかった地方のスタジアムやライブ会場のコンテンツ配信など、より多くのコンテンツの提供による顧客体験の向上をめざします。

1. 協定を締結する背景と目的

放送局においては、コンテンツ制作のデジタルトランスフォーメーションをめざし、放送設備の柔軟な制作環境および配信環境の整備を進めるべくIP対応装置の導入を順次進めています。特に、IP対応装置の広域での導入においては、拠点間の遅延の揺らぎがないネットワークを整備し、効率的な設備運用を支える必要があります。
 これらの背景を鑑みて、ソニーの映像制作用商品やソリューションとNTTの持つ大容量・低遅延の広域ネットワークを組み合わせた技術検討を加速し、リモートプロダクションプラットホームを形成することによる、放送設備の保有・運用・維持管理のコストの削減と、映像サービスの拡大による顧客体験の向上をめざします。

図1. リモートプロダクションプラットホームの形成イメージ 図1. リモートプロダクションプラットホームの形成イメージ

2. 各社の技術的要素

  1. ソニー
     各放送局の放送設備をIP化/クラウド化する「次世代放送局」構想を掲げており、その実現に向けて、次世代ライブ制作ソリューション「Networked Live(ネットワークド ライブ)」*1 を提供します。「Networked Live」は、オンプレミスやクラウド、さまざまな場所にあるリソースを活用することで、ワークフローの効率化と機敏性・柔軟性をもたらし、高品質なライブ制作を実現します。主に放送局向けに、ネットワークリソースの一括管理ソリューションや、オンプレミス・クラウドシステムを活用したスイッチャー、メディア伝送する際の効率的なネットワーク帯域運用に適するコーデックなどの商品を取り揃え、リモートプロダクションにも対応します。
  2. NTT
     IOWN APN *2 の技術開発により、光レイヤのパス接続の上でIP対応装置の通信をマルチデバイス/マルチプロトコルでトランスペアレントに送信可能となります。また超大容量のエンドエンド光パス接続により、4K/8Kクラスの映像通信を非圧縮伝送/軽圧縮伝送技術により低遅延で通信可能となり、さらに遅延揺らぎなしの通信により、IP対応装置間のPTP *3 等による高品質な同期が可能となります。さらに光パスの冗長化による高速な回線切り替えにより映像編集における厳しい可用性要件を実現するアーキテクチャをめざしています。

3. 主な連携・協力事項

  1. IOWNおよびNetworked Liveを活用したネットワーク環境の構築・管理に関する検討
  2. IOWNおよびNetworked Liveに関する技術・環境構築に関する検討
  3. IOWNおよびNetworked Liveと既存ネットワーク・システムとの比較に関する検討
  4. IOWNおよびNetworked Liveの将来機能をふまえた環境の拡張に関する検討

4. 今後の取り組みについて

本協定により、双方が連携し、連携協定関係者とともに推進するべき事項等に関する情報・意見交換を実施しながら、広域リモートプロダクションプラットホーム形成に向け協働で検討を進めてまいります。

<注釈一覧>

*1「Networked Live」について、詳しくは以下をご覧ください。
https://www.sony.jp/nxl/about/当該ページを別ウィンドウで開きます

*2IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)は、光を中心とした革新的技術を活用した高速大容量通信、膨大な計算リソース等を提供可能な、端末を含むネットワーク・情報処理基盤です。IOWNは主に、ネットワークだけでなく端末処理まで光化する「APN:オールフォトニクス・ネットワーク」、サイバー空間上でモノやヒト同士の高度かつリアルタイムなインタラクションを可能とする「デジタルツインコンピューティング」、それらを含む様々なICTリソースを効率的に配備する「コグニティブファウンデーション」の3つで構成されます。IOWNにより、通信分野に留まらず、多岐にわたる分野で多彩なサービスと新しい価値を創出し、豊かな社会の実現に貢献していきます。
詳しくは以下をご覧ください。
https://www.rd.ntt/iown/当該ページを別ウィンドウで開きます

*3PTP(Precision Time Protocol)は高精度に時刻同期を実現する技術で、専用の時刻同期用パケットにタイムスタンプを埋め込み、システム間でこのパケットを交換することで双方の時刻を同期する方式です。

本件に関する報道機関からのお問い合わせ先

ソニー株式会社
広報部
sony.pressroom@sony.co.jp

日本電信電話株式会社
研究開発マーケティング本部
研究企画部門 IOWN推進室
nttrd-pr@ml.ntt.com

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