2024年6月 5日
日本電信電話株式会社
学校法人早稲田大学
日本電信電話株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:島田明、以下「NTT」)と、学校法人早稲田大学(東京都新宿区、総長 田中 愛治、以下「早稲田大学」)は、「地球愛」の醸成とサステナブルな社会を実現するため地球環境・エネルギー・食・スポーツ/健康の分野で新たな価値の創出をめざしたビジョン共有型共同研究を始動しました。
本研究は、「守りのサステナビリティ」と「攻めのサステナビリティ」の二軸を起点として、4つの研究テーマで行います。これまでの両者共同研究にはない、各専門分野の垣根を越え、両者横串を通した文理融合の体制で推進します。
近年、地球温暖化をはじめとするエネルギー、環境、食糧問題等、人類の存続に関わる地球規模の喫緊の課題を解決することが求められています。また、スマートフォンやAI・IoT等の普及により、20年間でインターネットトラヒックは約90倍、消費電力は5倍以上に増加しており、ネットワークの遅延や輻輳、エネルギーの枯渇や温室効果ガスの排出が世界的な課題となっています。これらの課題を解決するためには、省エネ・環境保全など現状からの悪化を防ぐ取り組み、すなわち「守りのサステナビリティ」と、新たな視点によるエネルギー創出、食糧供給の方法などを通じたドラスティックな解決策の提案、すなわち「攻めのサステナビリティ」といった二つのアプローチを両軸として推進していく必要があります。
この度NTTと早稲田大学は、互いの強みを活かし、新たな価値の創造とサステナブル社会の実現に貢献すべく、他に類を見ないビジョン共有型の文理融合研究を始動しました(図1)。
図1 早稲田大学とNTTの文理融合による新たな連携
早稲田大学は、ナノ・エネルギー、量子/ICT、ロボット工学などのエマージングテクノロジーに代表される理工系分野のみならず、政治・経済、法学、経営学、文学、言語学など人文社会科学系分野においても高い研究力を誇り、文理融合研究を通じた研究成果の確実な社会実装が期待できるという総合大学ならではの強みを有しています。
2024年の4月に、早稲田大学では、アカデミアとしての「総合知による人類への貢献」を目標に、3つのグローバルセンターによる三位一体の新たな推進体制を構築しました。研究の司令塔となるグローバルリサーチセンター(GRC)を新設し、独創的な研究を発展・飛躍・融合させて、社会変革をもたらす価値を創造します(図2)。総長・プロボストのリーダーシップの下、「世界に貢献する研究大学」として世界を取り巻く喫緊の課題を解決するために、トップダウンによる研究力強化のための施策をGRC で迅速に展開しつつ、ボトムアップで生まれる独創的・萌芽的研究のシーズを開花させる大学全体を通貫する新しい研究を推進します。
図2 3つのグローバルセンターに基づく「世界に貢献する研究大学」への始動
NTTは、IOWN構想(※)のもとスマートな世界を実現する、最先端の光関連技術および情報処理技術を活用した未来のコミュニケーション基盤を研究開発しています。IOWNの圧倒的な低消費電力、大容量・高品質、低遅延なネットワークにより、新たな価値の創造とグローバルサステナブル社会の実現をめざしています。
早稲田大学とNTTはこれまで多数の共同研究を行ってきたものの、それぞれの課題に対し研究室単位での共同研究を行うことが通例となっており、複数の組織や研究者を横断した体制とはなっていませんでした。しかし、現代の複雑にからみあう社会課題を解決するには、共通のビジョンを共有し、複数組織・研究者に横串を通した研究体制の構築により、様々なスキル・考え方を持ち寄り検討することが必要と考え、本体制を導入しました。
また、研究による技術創出に留まらず、創出した技術を社会へ展開するための既存制度への提言や、ビジネスモデルの構築まで実行していくことが重要となります。
そのため、「ビジョン共有型共同研究」という枠組みの中で、複数の研究機関を横断した文理融合の研究を実施します。
早稲田大学とNTTが連携することにより、人類の未来に貢献しうる新しい技術の創出を実現します。
共同研究を開始するにあたり、「守りのサステナビリティ」と「攻めのサステナビリティ」を軸として、地球環境・エネルギー・食・スポーツ/健康の分野とNTTが研究開発を進めるIOWNと融合させた、共同研究テーマの基となるビジョン「地球愛」を策定しました(図3)。
図3 共同研究ビジョン
早稲田大学およびNTTから分野やキャリアの垣根を越えて39名の研究者が参画し、ビジョンに基づき、実現したい世界像に沿った研究テーマを決定しました(図4)。
<4つの研究テーマ>
図4 共同研究のテーマ
本共同研究では、早稲田大学はグローバルリサーチセンター(GRC)のもと、オール早稲田の研究組織で、NTTは7つの研究所が参加した共同研究を実施します(図5)。
■早稲田大学
■NTT
図5 共同研究体制
本共同研究は3年間実施し初年度は研究内容の具体化と基礎検討、2年目は技術検証、3年目は社会実装に向けた実証を行います。また、共同研究を通じて得られた成果は研究のみに留まることなく、NTTグループを中心に社会実装を進めていきます。
早稲田大学とNTTは、「守りのサステナビリティ」と「攻めのサステナビリティ」を軸に、地球環境・エネルギー・食・スポーツ/健康にわたる領域で心ふるわせる新たな価値を共創し、サステナブルな社会の実現により、世界人類への貢献をめざします。
※IOWN:Innovative Optical and Wireless Network。IOWNの技術とユースケースの開発をグローバルに推進する団体であるIOWN Global Forumで推進中の次世代コミュニケーション基盤の構想。(https://iowngf.org/)
本件に関する報道機関からのお問い合わせ先
日本電信電話株式会社
情報ネットワーク総合研究所 広報担当
E-mail:nttrd-pr@ml.ntt.com
学校法人早稲田大学
カーボンニュートラル社会研究教育センター
E-mail:wcans-staff@list.waseda.jp
ニュースリリースに記載している情報は、発表日時点のものです。
現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。
NTTとともに未来を考えるWEBメディアです。