2015年8月18日
日本電信電話株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:鵜浦博夫、以下NTT)から、画像、音声、映像などのさまざまなデータを大量に蓄積する分散オブジェクトストレージのオープンソースソフトウェア OpenStack Swift(以下Swift)のコアデベロッパに、2015年6月4日、露崎浩太(NTTソフトウェアイノベーションセンタ)が就任いたしました。
露崎浩太
今後NTTでは、コアデベロッパとしてSwiftコミュニティを先導し、Swiftの高度化および品質向上を進め、さらに安心して便利に使えるものとなるように貢献してまいります。
OpenStackとは、OpenStack Foundationが運営する、クラウド基盤を実現するオープンソースソフトウェアです。OpenStackにはいくつかのコンポーネントから構成されますが、さまざまなデータを大量に蓄積する分散オブジェクトストレージ機能を提供するSwiftは、何台もの汎用サーバやハードディスクを組み合わせてペタバイト以上のストレージ容量を実現することが可能であり、ハードウェア故障によるデータ消失の防止や、必要な容量に合わせた柔軟なハードウェア増設も可能なことから、オンラインストレージなどのサービスを実現するオープンソースソフトウェアとして世界中で用いられています。
OpenStack Swiftのシステム概要
NTTの研究所は、Swiftの高度化および品質向上を目的に、NTTグループ各社が持つさまざまなサービスで培った経験や知見とも連携しながらSwift開発のコミュニティ活動を続けてまいりました。不具合の解決をはじめ、多拠点にまたがった1つのストレージを構築するグローバルクラスタ機能や、分割したデータとパリティ※1を用いて少ないハードディスク数でデータ消失を防止できるErasure Code機能、また、NTTの研究所が開発した世界最高速で情報漏えい対策と容量効率のよいデータ消失対策を実現した高速秘密分散エンジン「SHSS」※2を利用するためのドライバ開発などを、全世界中の開発者と協力しながら実現してまいりました。Swiftに対するNTTグループのコミット数は、2010年のリリースから2015年6月現在までに開発に携わった世界54社中7位(日本国内企業では1位、個人を除く)を達成しております。また、2015年4月にリリースされた最新版のコミット数では、開発に携わった世界22社中4位(個人を除く)を達成しました。これらの活動において、露崎は、NTTグループのSwiftに携わる開発者の中心となり、デザインサミット、ハッカソンなどの開発者会議への積極的な参加や提案を行い、コアデベロッパと密に連携しながら開発をすすめてきました。今回のコアデベロッパ就任は、これまでの貢献が認められた成果だと考えております。
※1. ディスク障害などで消失したデータを復元する際に用いるデータ
※2. 報道発表(2015年5月18日)OpenStack Swiftストレージに世界で初めて対応した高速秘密分散エンジンを開発
今後は、コアデベロッパとしてSwiftコミュニティを先導するとともに、セキュリティ機能などのNTTの研究所技術の適用や、Swift関連ビジネスの知見をSwiftコミュニティにフィードバックすることを通じ、Swiftがさらに安心して便利に使えるものとなるように貢献してまいります。また、Swiftコミュニティと連携した問題解決や機能開発できる力を活かし、NTTグループからのオープンソースソフトウェアを用いたサービスやソリューションの提供に取り組んでいきます。
NECはOpenStackコミュニティに参加する企業として、NTT様からのコアデベロッパ就任を心より歓迎いたします。OpenStackはクラウドを支える基盤として世界中の開発者が英知を結集して開発を行っています。その中で評価される技術者が多く出てくることで、技術力が向上し、グローバルなビジネスにつながっていきます。その考えから、NECはNova、Neutron、Tempestなどのコンポーネントに8名のコアデバロッパを擁し、これまでもNTT様とはOpenStackの検証や技術交流をさせていただいておりました。今回のNTT様からのコアデベロッパ就任により、これまで以上にOpenStackの強化と、さまざまなユースケースへの展開で連携を深めていくことを期待しています。また、今後も日本から多くの技術者がコミュニティに参加していくことを期待しています。
日本電気株式会社 クラウドプラットフォーム事業部
主席技術主幹 高橋千恵子
本件に関するお問合せ先
日本電信電話株式会社
サービスイノベーション総合研究所 企画部広報担当
E-mail:randd@lab.ntt.co.jp
Tel:046-859-2032
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