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2015年10月29日

受賞・表彰

パーソナルデータを守る技術を競うコンテストでNTTのチームが優勝 ~個人を特定できない「匿名化」技術でプライバシーを守りながらデータを有効活用~

日本電信電話株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:鵜浦博夫、以下NTT)の参加チームが、第1回プライバシーワークショップ(主催:一般社団法人 情報処理学会 コンピュータセキュリティ研究会 2015年10月21日~23日 長崎ブリックホールで開催)で行われた、パーソナルデータを守る技術を競うコンテスト(PWS CUP匿名加工再識別コンテスト)にて優勝しました。

背景

個人情報保護法の改正に伴い、パーソナルデータ(個人に関する情報)を保護しつつ活用するための適切な匿名化技術(個人の特定ができなくなるようにデータを加工すること)が求められています。適切な匿名化は、個人を特定できないようにするプライバシー保護の側面と、匿名化したデータでも分析を行える有効活用の側面が求められ、これらをうまく両立する技術が産学官で検討されています。

PWS CUP匿名加工再識別コンテスト(以下、PWS CUP)の概要

上記の背景を踏まえ、500人近くのセキュリティの研究者・技術者・専門家が参加したコンピュータセキュリティシンポジウム2015の併催として、第1回プライバシーワークショップ(PWS2015)※1が開催されました。PWS2015の目玉イベントであるPWS CUPでは、「平成16年全国消費実態調査」(2人以上の世帯・勤労者世帯)の集計表から作成された擬似ミクロデータ※2を基に、匿名化(ガード)と再識別(アタック)それぞれの技術を競い、予備戦を含めた総合成績で優勝が決定されます。PWS CUPに計17チーム(本戦では13チーム)が参加する中、NTTの参加チームは、これまで培ってきた匿名化技術開発※3やアタックの評価などのノウハウを駆使し、各部門でトップとなり、総合優勝を勝ち取りました。

・匿名加工部門

疑似ミクロデータを再識別できないように匿名化(ガード)を実施

疑似ミクロデータを匿名化データとして作成する様子。疑似ミクロデータとどれだけ近いか(有用性)と再識別がどれだけ困難か(安全性)、二つの観点の総合点で勝者を決定。

・再識別部門

疑似ミクロデータと匿名加工部門で提出された匿名化データの各行の対応を推定する再識別(アタック)を実施

疑似ミクロデータ / 匿名加工部門で提出された匿名化データ 正しく推定した行数で勝者を決定

・疑似データ生成部門

統計データから疑似ミクロデータを生成するプログラムを作成

統計データイメージから擬似ミクロデータを生成するイメージ

表彰式の様子 NTTの参加チーム Ψ沈黙のジャスティスΨ
(左から正木、長谷川、濱田)

今後の展開

今後もNTTは、国内における匿名性・プライバシー規準の確立に向けた活動や、高度なプライバシー保護技術・匿名化技術の研究開発に取り組み、社会や産業の発展のため、ヘルスケアデータの活用など、国民のプライバシーが侵害されることなく適切にパーソナルデータを利活用できる社会の実現を目指していきます。



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