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2016年4月 6日

お知らせ

OpenStack Congressの機能を強化し新分野への適応を可能に
〜日本から初のコアデベロッパ(主要開発者)就任〜

日本電信電話株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:鵜浦博夫、以下NTT)ではクラウド技術の適用分野拡大を目指し、OpenStackコミュニティへの取り組みを展開しております※1。その取り組みの中で、クラウド上の仮想環境においてセキュリティや利用規則などの各種ポリシーに基づいたガバナンス機能を実現するオープンソースソフトウェア OpenStack Congress当該ページを別ウィンドウで開きます(以下 Congress)に対して、外部アプリケーションとの連携機能の強化などを行い、NFV環境の故障判断など、これまでにない分野への適用を実現しました。これによってクラウド基盤をさまざまな運用ポリシーや企業ポリシーのもとで容易に運用すること可能となります。

また、これらの貢献が認められ、2016年2月29日、Congressのコアデベロッパに室井雅仁(NTTソフトウェアイノベーションセンタ)が就任いたしました。

■NTTの貢献

NTTではクラウド環境のガバナンスという概念の重要度に注目し、1年にわたりコミュニティメンバーとして開発に携わり、これまでに以下のような機能改善、品質向上に取り組んでまいりました。

  • OpenStackコンポーネントおよび外部アプリケーションとの連携インタフェースの強化
  • 通知型イベント受付インタフェースの実現
  • 全APIに対する自動試験の実装による品質向上

また、具体的な適用例として、オープンソースを利用してNFV基盤の実現を目指すOPNFVにおける故障検知機能(Doctor)に対してCongressを適用し、これまでは仮想環境からのさまざまな情報をもとに故障かどうかを判断するためのアプリケーションを独自に開発する必要があったものを、ポリシーファイルを作成することで高度な判断を自動で実施できるようにしました。これによって運用者ごとに異なる故障判断ロジックを柔軟に適用できるようになります。本成果についてはDoctorプロジェクトのメンバーであるNTTドコモ、NEC、Nokiaと共に2016年4月25日から米国で開催されるOpenStack Summit Austinにて発表予定です※2※3

■コアデベロッパ就任の経緯について

NTTは、OpenStackの高度化および品質向上を目的に、コミュニティ連動開発を続けてまいりました。これらの成果は、NTTグループの事業にも活用されており、2016年3月1日に機能強化が発表された※4NTTコミュニケーションズ社のクラウドサービス(Enterprise Cloud)においても研究所のコミュニティ連動開発の成果が利用されています。

コアデベロッパとは、OpenStackの各プロジェクトにおける開発やメンテナンスにおいて、世界中の開発者が機能追加やバグ修正などを目的として開発したプログラムを承認し、本体のプログラムに統合する権限をもつ主要開発者のことで、Congressにおいては世界で現在4人(2016年3月現在)に限られており、日本企業からの初のコアデベロッパ就任となります。NTTは、世界的にOpenStackの導入が進む中で、クラウドサービスの高度な利用方法の検討の一環として、2014年のプロジェクト発足当時からCongressの議論に参加し、不具合の解決、高可用性の向上、外部のシステムとの連携を行うための新しいインタフェース機能を始めとした機能の高度化などに世界の開発者と協力しながら積極的に貢献してまいりました。2015年10月にリリースされた"Liberty"版へ組み込まれた新機能数では全5社中NTTが第1位を獲得、また、過去1年間Congress開発のコミュニティにおける累計貢献度(Review数)で世界2位となるなど、長期にわたり主要なメンバーとしての地位を確立してまいりました。こうした活動において、室井は、NTTグループでのCongressを活用したさまざまなユースケース検討に基づき、デザインサミット、中間会合、OPNFV等の開発者会議への積極的な参加や提案を行うなど、Congressチームリーダやコアデベロッパ、他のコミュニティメンバーなどと密に連携しながら開発をすすめてきました。今回のコアデベロッパ就任は、プロジェクト発足以来のこのような継続的な貢献が認められた成果だと考えております。

■今後の取り組みについて

Congressのコアデベロッパに就任した室井雅仁
Congressのコアデベロッパに
就任した室井雅仁

今後は、コアデベロッパとしてCongressコミュニティを先導するとともに、NFV分野など先進的なサービスへの応用を他社に先駆けて推進し、Congressがさまざまなサービスで安心に利用できるように貢献してまいります。また、コミュニティと連携した問題解決や機能開発できる力を活かし、NTTグループからのオープンソースソフトウェアを用いたサービスやソリューションの提供に取り組んでいきます。

本件に関するお問合せ先

日本電信電話株式会社

サービスイノベーション総合研究所

企画部広報担当

E-mail:randd@lab.ntt.co.jp

Tel:046-859-2032

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