2021年3月18日
NTT情報ネットワーク総合研究所、NTTコミュニケーションズ株式会社、一般社団法人沖縄オープンラボラトリと共同で出展いたしましたPoC「E2E Slicing for Extreme Services」が、米国のネットワーク技術標準化団体MEF Forumが主催するバーチャルイベント「MEF 3.0 Proof of Concept Showcase」において、「Innovation Award」を受賞いたしました。
Innovation Awardは、同イベントにおいて最も革新的な技術やサービスを実証したPoCに贈られる賞です。NTT情報ネットワーク総合研究所がパートナーと共同発表した「E2E Slicing for Extreme Services」において、ローカル5G とトランスポート間のドメインを跨いだネットワークスライスの相互接続によるエンドエンドサービスを先進的なユースケースを用いた実証、複数ネットワークのコントローラ間連携による自動制御が評価されました。
本成果は、法人向けに今後需要拡大が見込まれるローカル5Gにおいてエッジコンピューティングでの映像のAI解析やスマートファクトリでの工作機器や無人搬送車(AGV:Automatic Guided Vehicle)の遠隔制御、5Gの無線アクセスを提供するxHaul※1、次世代データセンタ間通信などのさまざまな通信サービスに必要な大容量・低遅延・低ジッタな通信を可能とするエンドエンドのネットワークスライスを実証しました。上記のミッションクリティカルな通信に用いるネットワークスライスは、NTT情報ネットワーク総合研究所の技術として、5Gのコアネットワーク装置(5GC)の設計制御技術※2(ACPE※3)と、トランスポート・ネットワークのマルチレイヤ設計・制御技術※4、高精度ネットワークモニタリング&制御技術(HANMOC※5,6)によりネットワークスライスごとのリソース自動起動・最適化を実現し、さらに5Gとトランスポートなど異なるネットワーク技術で管理されたさまざまな通信パスをスライス・ゲートウェイ※7により接続・監視することで実現しています。また、MEF仕様※8を用いることにより、事業者を跨る環境においてもEnd-to-Endのスライス提供自動化を実現しています。ローカル5Gなどの活用により、5G技術は通信事業者に加えて企業や自治体での利用が見込まれています。本成果を用いることで、オンデマンドに5G区間(5G無線アクセスネットワーク~5GCの区間)だけでなくエッジやクラウドなどへ接続するトランスポート・ネットワークを提供し、効率的にネットワークを構築することができます。
NTT情報ネットワーク総合研究所は、マルチレイヤ・マルチドメインの制御・管理技術を発展させて5Gのネットワークスライスや6G/IOWNの機能別専用ネットワークおよび将来のネットワーク技術に関する研究開発に取り組んでまいります。
※1 xHaulは5Gのアンテナ~基地局・基地局~5Gコアのトランスポート・ネットワークの総称であり、Mobile Front Haul (MFH)、Mobile Mid Haul(MMH)、Mobile Back Haul(MBH)を指します。
※2 Cloud-native Network Function(CNF)と呼ばれる5Gコアを構成するソフトウェア機能に対して、お客様通信要件に基づき機械学習を用いた性能推定によってサーバのハードウェアリソースや配置先の拠点を最適設計して配備・開通する技術。
※3 Automated CNF Provisioning Engine
※4 Segment RoutingなどIPのネットワークと光伝送ネットワークを統合制御するSDN制御技術。IPパスだけでなくイーサネット、光伝送パスを提供することで、品質要件に最適なトランスポート回線品質保証を実現。
※5 従来技術では実現できないような高精度で通信遅延や遅延揺らぎを示すジッタ等を測定することで、5G時代以降に必要となる保守運用の高度化や品質保証、通信サービスの経路決定を実現する技術。
※6 High-Accuracy Network MOnitoring and Control,
※7 NTT技術ジャーナル, 幅広い要件に迅速にこたえるネットワークスライシング技術, Jun. 2019,
※8 Metro Ethernet Forumにて策定されたオーケストレータ間およびオーケストレータとSDNコントローラ間の制御仕様。
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