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2022年2月 8日

お知らせ

理論計算機科学における世界最高峰の国際会議FOCSに採択

2022年2月7日~10日にオンラインで開催される、理論計算機科学における世界最高峰の国際会議FOCS (62nd Annual IEEE Symposium on Foundations of Computer Science) 2021において、NTT社会情報研究所より投稿した以下の論文が採択されました。
■On the Impossibility of Post-Quantum Black-Box Zero-Knowledge in Constant Rounds Nai-Hui Chia (Indiana University Bloomington), Kai-Min Chung (Academia Sinica), Qipeng Liu (Princeton University), 山川 高志 研究員 (NTT社会情報研究所)

山川研究員らの論文は、ある命題が真であることを、真であること以外の情報を漏らすことなく示す「ゼロ知識証明」に関する成果です。ゼロ知識証明は、公開鍵暗号やユーザ認証など、様々な応用がある基本技術です。当該論文では、量子計算機に対しても安全である「耐量子性」と、特殊な手法を除いた汎用的な安全性証明の方法である「Black-Box性」を同時に満たし、かつ証明者と検証者のやり取りが定数回ラウンドであるようなゼロ知識証明を構成することは、事実上不可能であることを世界で初めて示しました。将来的に大規模な量子コンピュータが実現された場合でも、安全に利用できる次世代のゼロ知識証明方式が世界的にも期待されています。本成果は、これらの条件を如何に緩和し、実用面で十分な安全性と効率を持つ耐量子ゼロ知識証明を構築するかという、今後の研究や社会実装の方向性に強く影響を与えるものです。

なお、NTTグループでは、NTT Research Inc.から以下の論文もFOCS 2021に採択されています。
Alessandro Chiesa, Fermi Ma, Nicholas Spooner and Mark Zhandry. Post-Quantum Succinct Arguments: Breaking the Quantum Rewinding Barrier

NTTグループは引き続き、暗号技術の研究開発を通じて、安心・安全なサービスの実現に貢献してまいります。

【参考】

FOCS 2021 https://focs2021.cs.colorado.edu/当該ページを別ウィンドウで開きます
Nai-Hui Chia, Kai-Min Chung, Qipeng Liu and Takashi Yamakawa. On the Impossibility of Post-Quantum Black-Box Zero-Knowledge in Constant Rounds
Alessandro Chiesa, Fermi Ma, Nicholas Spooner and Mark Zhandry. Post-Quantum Succinct Arguments: Breaking the Quantum Rewinding Barrier

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