2022年8月11日
日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:島田 明、以下「NTT」)と米国子会社であるNTT Research, Inc.(以下「NTT Research」)のCIS研究所(以下、CIS研)は、暗号研究に関する主要な国際会議の1つである「Crypto 2022」において23の論文が採択されることを発表しました。このうちCIS研DirectorのBrent Waters博士が共同執筆した論文が、最優秀論文賞を受賞しました。同氏がこの賞を受賞するのは、この3年間で2回目となります。なお、NTTからはNTT社会情報研究所(以下、社会研)の6つの論文※が採択されます。国際暗号学会(IACR)が主催する今年のハイブリッドイベントは、2022年8月13~18日にサンタバーバラで開催されます。
70人以上の専門家で構成される「Crypto 2022」プログラム委員会は、今年99件の論文を採択し、今年の採択率は約21.9%(投稿452件、採択99件)でした。
Brent Waters博士は、現地の2022年8月16日に「"Batch Arguments for NP and More from Standard Bilinear Group Assumptions"」という論文を発表する予定です。テキサス州のオースティン市大学(UT)のコンピューターサイエンスの教授でもあるBrent Waters博士は、2022年6月にCIS研のDirectorに任命されました。
NTT Researchの五味和洋代表取締役社長は、「CIS研やNTTの他の部門が非常に多くの最先端の研究に取り組んでいることに非常に期待しており、最優秀論文賞を受賞したBrent Water博士とDavid Wu博士が最優秀論文賞を受賞したことは非常に喜ばしいことです。」と述べています。
NTTグループは引き続き、暗号技術の研究開発を通じて、安心・安全なサービスの実現に貢献していきます。
NTT社会情報研究所より投稿された採択論文は以下の6件です。
■Quantum Commitments and Signatures without One-Way Functions
Tomoyuki Morimae (Kyoto University), 山川高志 特別研究員(社会研)
■Post-Quantum Simulatable Extraction with Minimal Assumptions: Black-Box and Constant-Round
Nai-Hui Chia (Rice University), Kai-Min Chung (Academia Sinica), Xiao Liang (Stony Brook University), 山川高志 特別研究員(社会研)
■MuSig-L: Lattice-Based Multi-Signature With Single-Round Online Phase
Cecilia Boschini (Technion and Reichman University), Akira Takahashi (Aarhus University), Mehdi Tibouchi特別研究員(社会研)
■Shorter Hash-and-Sign Lattice-Based Signatures
Thomas Espitau (社会研), Mehdi Tibouchi特別研究員 (社会研), Alexandre Wallet (IRISA; Univ Rennes 1; Inria, Bretagne-Atlantique Center, Rennes), Yang Yu (BNRist, Tsinghua University; National Financial Cryptography Research Center, Beijing, China)
■Secret Can Be Public: Low-Memory AEAD Mode for High-Order Masking
Yusuke Naito (Mitsubishi Electric Corporation), 佐々木悠 特別研究員 (社会研), Takeshi Sugawara (The University of Electro-Communications)
■Certified Everlasting Zero-Knowledge Proof for QMA
Taiga Hiroka (Kyoto University), Tomoyuki Morimae (Kyoto University), 西巻陵 特別研究員 (社会研), 山川高志 特別研究員 (社会研)
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