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2023年4月27日

お知らせ

CSISによるAIグローバルガバナンス推進のためのホワイトペーパーの公表について

東京-2023年4月26日- CSIS(Center for Strategic and International Studies) AI council(以下、「AI協議会」)が、2023年に広島で開催される主要国首脳会議に向けた、人工知能(AI)のグローバルガバナンスの進展に関する報告書(以下、「本報告書」)を発表しました。本報告書は、G7諸国がAIのための共通言語の確立や国、地域、専門機関の規制の合理化など、AIガバナンスのためのグローバルなアジェンダを設定する方法について、タイムリーな政策提言を作成することでG7を支援することが目的です。なお、本件にはNTTの澤田純会長がメンバーの一人として報告書作成に携わりました。

この報告書は、経営者や学術専門家、元政策立案者などからなる国際的かつ分野横断的なメンバーの協力を得て作成されました。AIは、世界で最も困難な脅威に対処するための大きな可能性を秘めています。個人や組織の労働生産性の向上やインフレを抑制しながらの成長促進、より持続可能な製品開発、病気の治療、増加する人口への対応、気候変動に対処するためにAIが使われはじめています。同時に、管理や応用が不十分な場合、AIの安全性が脅かされるリスクなどがあり、アプリケーションが解決しようとしている目標そのものにマイナスに働く可能性があります。
 AI協議会は、慎重かつグローバルに相互運用可能な規制フレームワークを、リスクベースで、状況に特化し、俊敏で、協調的であり、AIの課題に効果的に対処し、責任あるAIの採用を加速し、AIの可能性を最大限に活用できると考えています。
 AI協議会の報告書は、G7デジタル大臣に対し、(1)AI規制フレームワークに関する一貫した規範、概念、用語の整理、(2)技術的AIスタンダードの協力的な開発と採用、(3)AIガバナンスへの相互運用可能でバランスのとれた相互承認アプローチの促進、善意ある倫理的なAIガバナンスの原則を採用するように提言しています。
 AI協議会はAccentureのChair and CEOであるJulie Sweet氏とMicrosoftのPresident and Vice ChairであるBrad Smith氏が共同議長を務める国際的な取り組みで、2022年10月に発足しました。またCSIS Wadhwani Center for AI and Advanced TechnologiesのDirectorであるGregory C.Allen氏が事務局長を務めています。CSIS AI Councilは、強固で積極的なワーキンググループの広範な協力を得て、国際的なAIガバナンスの状況を徹底的にレビューし、AI政策の多国間化に向けた取り組みを行いました。

AI評議会のメンバー:

  • Julie Sweet (Co-Chair), Chair and CEO, Accenture
  • Brad Smith (Co-Chair), President and Vice Chair, Microsoft
  • Genevieve Bell, Distinguished Professor and Director, Autonomy, Agency & Assurance Institute, Australia National University
  • Albert Bourla, Chairman and Chief Executive Officer, Pfizer
  • France Cordova, President, Science Philanthropy Alliance; Former Director, National Science Foundation
  • Yuko Harayama, Former Executive Director, RIKEN; Former Executive Member of the Council for Science, Tech, and Innovation, Cabinet Office of Japan
  • Frank Heemskerk, Secretary General, European Round Table for Industry; Former Executive Director, World Bank
  • Alfred F. Kelly, Jr., Chairman and Chief Executive Officer, Visa
  • Antonio Krüger, Chief Executive Officer, German Research Center for Artificial Intelligence
  • Fei-Fei Li, Sequoia Professor and Denning Co-Director, Stanford Institute for Human- Centered Artificial Intelligence, Stanford University
  • Cedrik Neike, Chief Executive Officer, Siemens Digital Industries
  • L. Rafael Reif, Former President, Massachusetts Institute of Technology
  • Jun Sawada, Chairman, NTT Corporation
  • Roger Taylor, Former Chair, Centre for Data Ethics and Innovation (UK)
  • Emma Walmsley, Chief Executive Officer, GSK
  • Adrian Weller, Head of Safe and Ethical AI, The Alan Turing Institute; Director of Research in Machine Learning, University of Cambridge
  • Kenichiro Yoshida, Chief Executive Officer, Sony Group Corporation

ホワイトペーパーの概要

AIの広範な活用は、社会が学び、働き、革新する方法をより良い方向に変える可能性とともに、労働の搾取、教育、知的財産権、責任ある利用の観点において懸念されていますが、AI協議会は、AIのリスクを軽減することと導入を加速することの間には、固有のトレードオフはないと考えています。リスクベースで、状況に特化し、俊敏で、協調的で慎重な相互運用可能な規制フレームワークにより、AIの課題に効果的に対処し、責任あるAI導入を加速し、AIテクノロジーの可能性を最大限に活用することができます。G7は、世界経済の検討課題設定者としての役割を果たすことで、国際的に受け入れられているAIスタンダードの開発と採用を奨励し、規制フレームワーク採用を促進するための主要な原則について足並みを揃える場を提供することができます。特に、G7は、(1)AIの責任ある利用を含む主要なAI規範と概念の一貫した定義と理解、(2)技術的なAIスタンダードの開発の強化、(3)AI規制に対する相互認識、一貫性、相互運用可能な国のアプローチを促進する優れたAIガバナンスの原則、を前進させる支援が可能です。

報道機関等からのお問合せ先

NTT 広報室
ntt-pr@ntt.com

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