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2024年2月20日

お知らせ

AI分野の難関国際会議AAAIにNTTから6件採択

2024年2月22日~2月25日(アメリカ太平洋標準時)にカナダのバンクーバーで開催される、人工知能分野の国際会議AAAI(AAAI Conference on Artificial Intelligence)2024に、NTTの研究所より提出された6件の論文が採択されました。AAAI 2024の論文採択率は23.75%(9862件の応募から2342件採択)と、難関国際会議として知られています。また、1件目に記載の赤木研究主任の論文は、全投稿中1%しか選ばれないオーラル発表に選出されています。

なお、所属としてそれぞれ略称で書かれている研究所名は、以下の通りです。
人間研:人間情報研究所
CD研:コンピュータ&データサイエンス研究所
CS研:コミュニケーション科学基礎研究所

■Analytically Tractable Models for Decision Making under Present Bias

赤木康紀 研究主任(人間研)、丸茂直貴 研究員(CS研)、倉島健 特別研究員(人間研)

本研究では、何らかの目標を達成するタスクにおける、現在バイアス(直近の利益や損失を過大評価する心理傾向)の影響を受けた人間の行動を分析するための新しい数理モデルを提案しました。提案モデルにおける人間の行動が解析的に記述可能であることを示し、これに基づき目標達成行動と現在バイアスに関する様々な新しい知見を得ました。さらに、今までは難しかった「目標達成を支援するための介入の最適化問題」を現実的な時間で解くアルゴリズムを導出しました。

■Shuffled Deep Regression

幸島匡宏 主任研究員(人間研)

異なる機関が独立に収集したデータやプライバシーに配慮して収集したデータ等は, 入力と出力の対応が分からない不完全なデータ(シャッフルデータ)として表現されることがあります。本研究では, 利用可能なデータがシャッフルデータであっても、 入出力の関係を高精度に推定することができる新しい深層学習手法を提案しました。

■Optimal Transport with Cyclic Symmetry

武田翔一郎 准特別研究員(人間研)、赤木康紀 研究主任(人間研)、丸茂直貴 研究員(CS研)、丹羽健太 特別研究員(CS研)

データ間の類似性や対応関係を高精度に分析できる最適輸送技術は,様々な分野で活用されています。今回我々は、実世界のデータに潜む巡回対称性を利用することで、本技術の大幅な高速化に成功しました。本成果により、今まで扱いきれなかった大規模なデータ間の類似性や対応関係の分析が可能となりました。

■InstructDoc: A Dataset for Zero-Shot Generalization of Visual Document Understanding with Instructions

田中涼太 研究員(人間研)、壹岐太一 研究主任(人間研)、西田京介 上席特別研究員(人間研)、齋藤邦子 主幹研究員(人間研)、鈴木潤(東北大教授)

自然言語指示を基に文書画像理解を行う新たなデータセットの構築および、大規模言語モデルの高い推論能力を生かしつつ、視覚的に文書を理解する新たなモデルを提案しました。本研究は、実世界に多数存在する視覚表現された文書(PDFなど)を知識源とした、質問応答や検索など産業上重要なサービスの発展に貢献します。

■Zero-Shot Task Adaptation with Relevant Feature Information

熊谷充敏 特別研究員(CD研)、岩田具治 上席特別研究員(CS研)、 藤原靖宏 特別研究員(CS研)

実タスクではモデル構築に不可欠なデータ収集が困難な問題がありますが、タスクに関する事前知識であれば手に入る場合があります。本研究では、事前知識として予測に寄与する特徴量の情報のみが既知の場合に、関連した他タスクの学習データを利活用することで精度よくモデル学習可能なメタ学習法を提案し、ベンチマークで有効性を確認しました。

■Uncertainty Quantification in Heterogeneous Treatment Effect Estimation with Gaussian-Process-Based Partially Linear Model

堀井俊佑(早稲田大学准教授) 、 近原鷹一 研究主任( CS研)

薬剤投与や教育プログラムの効果など、何らかの処置を施した際の効果の値を各個人の属性に基づいて推定し、かつデータ量の少なさに起因する推定の不確実性を可視化する手法を提案しました。提案モデルは計算効率が良い・処置に関する事前知識を活用できるなどの利点があり、特に少数データ下で推定の不確実性を従来技術より効果的に評価できることを示しました。

NTTのR&Dは、環境にやさしい持続的な成長、多様性に寛容な個と全体の最適化を狙う未来のコミュニケーション基盤であるIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想を掲げ、その実現に向けた研究開発を進めてまいります。また、それとともに、今後も研究テーマの多様性・継続性を大切に、NTTグループの各事業会社をはじめ、さまざまな分野の産業界の方々と一緒に、さまざまな社会的課題を解決し、人々が意識することなく技術の恩恵を受けることができるスマートな世界の実現をめざし、世界を変革する技術の研究開発を続けていきます。

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