Project Humanityに関する受賞について

NTTサービスイノベーション総合研究所 人間情報研究所

NTTは、すべてのひとがWell-beingになれる社会の実現をめざし、病気や障がいがある方だけでなく、サポートする方々も含めて人間中心に課題を解決していくProject Humanityを推進しています。Project Humanityの一環として、WITH ALS（※1）、Dentsu Lab Tokyo（※2）と連携し、ALS（筋委縮性側索硬化症）（※3）の当事者である武藤 将胤氏によるDJパフォーマンスなどの取り組みなどを実施し、関連する多数の賞において受賞/入賞いたしました。本取り組みでは、ALSが進行すると「話せない/動けない」となることに対して、クロスリンガル音声合成技術、運動能力転写技術により武藤氏が「自身らしい声かつ多言語で話せる/アバターを通じて身体表現できる」ようになることを実現しました。

受賞/入賞したのは、クリオ賞など優れたクリエイティビティを対象とした広告賞やWIRED、SXSWなどのイノベーティブな活動を対象とした賞で、ヒューマニティ、社会貢献、テクノロジー、デザイン、インタラクティブ、エンターテインメントなどの観点で評価をされ、19件が受賞、17件が入賞いたしました。多くの受賞/入賞に至ったのは、ALS当事者のDJパフォーマンスを実現しただけでなく、メタバース上のコミュニケーションやeスポーツ等への今後の展開に対する期待が評価されたためです。
　今後も、病気や障がいなど多様な背景にかかわらず社会参画できる人々が増えていく世界の実現に向けて、このような取り組みを推進して参りたいと考えております。

1. ヒューマニティ・社会貢献の観点

Project Humanityの取り組みが実現した、人間の尊厳や社会貢献の観点で、一人だけに特化した技術ではなく、汎用性が期待される点の社会的な意義が評価され、下記の賞を受賞しました。

2. テクノロジーの観点

Project Humanityを実現する技術の観点で、革新的で夢があり、実現可能性も高い点が評価され、下記の賞を受賞しました。

3. デザイン・インタラクティブの観点

Project Humanityのデザインの観点で、革新的かつ広がりがありインタラクティブ性が高い点が評価され、下記の賞を受賞しました。

4. エンターテインメントの観点

Project Humanityで実現したパフォーマンスのエンタテイメント性が評価され、下記の賞を受賞しました。

以上を含めた、関連受賞一覧は下記の通りです。

■WIRED CREATIVE HACK AWARD 2023 - https://hack.wired.jp/

・特別賞 受賞
テックカルチャーメディア「WIRED」日本版が主催する、次世代クリエイターを対象としたアワードです。既成概念を打ち砕く（＝ハックする）ことから生まれる「野心的なビジョン」や「国や地域にとらわれずに活動するためのマインド」を重視しており、クリエイティブの「新しい領土」を生み出すクリエイターを送り出すことを目的としています。

■2024 SXSW Innovation Awards - https://www.sxsw.com/awards/innovation-awards/

・Interface Design / Finalist入賞
アメリカ・テキサス州オースティンで開催される世界最大級のビジネスカンファレンス＆フェスティバル「SXSW」の一環として行われる表彰部門です。音楽、映画、インタラクティブをテーマに、その年の革新的なプロダクトやクリエイティブな開発を評価し、受賞者を決めています。

■2024 Spikes Asia Awards - https://www.spikes.asia/

・Digital Craft / Innovative Use of Technology / Silver受賞
・Healthcare / Health & Wellness Tech / Silver受賞
・Digital Craft / Technological Achievement in Digital Craft / Bronze受賞
・Design / Digital & Interactive Design / Shortlist入賞
・Digital Craft / Metaverse, New Realities & Emerging Tech / Shortlist入賞
・Entertainment / Innovation in Branded content / Shortlist入賞
・Innovation / Early-stage Technology / Shortlist入賞
Spikes Asia Awards（スパイクス アジア アワーズ）は、アジア太平洋地域（APAC）で優れたクリエイティビティやマーケティングの有効性を称えるための広告祭「Spikes Asia（スパイクス アジア）」で発表される賞です。アジア地域最大級の広告祭として毎年シンガポールで開催されております。

■ADFEST 2024 - https://www.adfest.com/

・Grande for Humanity / Grande for Humanity（グランプリ）受賞
・Innova / Innovation for Humanity / Grande for Humanity（グランプリ）受賞
・Innova / Innovation in Technology / Innova Lotus（ゴールド）受賞
・Digital Craft / Use of Technology / Silver受賞
・Digital Craft / Experience Design: Multi-Platform / Finalist入賞
・Digital Craft / Overall Functional Design / Finalist入賞
・Design / Innovative Design / Finalist入賞
ADFEST（アジア太平洋広告祭）は、アジア太平洋地域を代表する広告賞の1つで、毎年3月にタイのパタヤで開催されるアジア最大級の広告祭です。1998年に創設され、文化、宗教、信条、伝統、言語、遺産など、地域や国の持つ価値に焦点が当てられ、その観点から広告作品として優れているものに賞が贈られます。

■Gerety Awards 2024 - https://www.geretyawards.com/

・Innovation Cut / Shortlist入賞
・Work for Good Cut / Shortlist入賞
Gerety Awardsとは、1948年に「ダイヤモンドは永遠の輝き」というキャッチフレーズを生み出したコピーライター、メアリー・フランセス・ゲレティ（Frances Gerety）の名を冠した広告賞です。女性の視点から優れた広告を全世界から選出し、市場の状況に即した広告の基準を定め、従来の広告基準を再定義することを目的としています。2019年から開催されており、審査員はすべて女性で構成されています。

■2024 CLIO Awards - https://clios.com/

・Innovation / Media / Public Service / Silver受賞
・Digital/Mobile & Social Media Craft / User Experience / Public Service / Bronze受賞
CLIO Awards（クリオ賞）は、カンヌライオンズ、One Showとならぶ、世界最高峰の広告コンクールです。1959年に設立され、アイデアの競争的な市場を刺激し、クリエイティブ コミュニティ内で有意義なつながりを育む大胆な作品を表彰しています。

■2024 CLIO Health Awards - https://clios.com/health

・Health Awareness & Advocacy / Creative Use of Data / Bronze 受賞
・ Health Awareness & Advocacy / Innovation / Bronze 受賞
Clio Health Awards（クリオヘルス賞）は、広告業界のクリエイティブな卓越性を表彰する国際コンペティションである「Clio Awards」から派生して2009年に設立された、ヘルスケア領域専門の賞です。フィルム、デザイン、デジタルなど多岐にわたるカテゴリーで、ウェルネス業界のクリエイティビティを評価しています。

■カンヌライオンズ2024 - https://www.canneslions.com/

・Entertainment Lions for Music / Shortlist入賞
カンヌライオンズ（Cannes Lions International Festival of Creativity）は、毎年6月にフランスのカンヌ市で開催される世界最大規模の広告・コミュニケーションフェスティバルです。1954年に創設され、各国で開催される広告・コミュニケーション関連のアワードの中でも、エントリー数や来場者数ともに最大規模を誇ります。2024年のカンヌライオンズでは、90か国以上の企業から3万点以上の作品がエントリーされ、ユーモアやヒューマニティ、地域文化の理解と尊重をテーマに審査が行われました。

■第77回 広告電通賞 - https://adawards.dentsu.jp/

・イノベーティブ・アプローチ部門　最高賞受賞
広告電通賞は、1947年12月に創設された日本で最も歴史ある総合広告賞です。優れた広告コミュニケーションを実践した広告主を顕彰することにより広告主の課題解決の道を広げ、日本の産業・経済・文化の発展に貢献することを目指しています。

■D&AD Awards 2024 - https://www.dandad.org/

・Experimental / Use of XR & Emerging Technology / Shortlist入賞
・Digital Design / Connected Experiences / Shortlist入賞
・Entertainment / Experiential / Shortlist入賞
D&AD Awards（ディーアンドエーディー賞）は、ロンドンを拠点とする非営利団体D&A（Design & Art Direction）が主催する国際的な広告賞です。デザインや広告を中心としたアワードで、デザインと広告の卓越性を讃える最も影響力のある賞の一つとされています。

■2024 One Show - https://oneshow.org/

・Branded Entertainment / Experiential - Hybrid Events / Merit入賞
・Health & Wellness / Innovation - Execution in Health & Wellness / Merit入賞
・Interactive Craft / Innovation in Interactive & Mobile Craft / Merit入賞
One Show（ワンショー）は、広告業界で非常に権威のある賞の一つです。カンヌライオンズやクリオ賞と並ぶ「三大広告賞」の一つとして知られています。この賞は、広告クリエイターによって審査され、広告クリエイターに与えられる賞です。広告業界において、One Showは世界中のクリエイターにとって憧れの賞であり、ニューヨークに拠点を置くThe One Clubが主催しています。

■ADC 103rd Annual Awards - https://adcawards.org/

・Experiential Design / Innovation / Gold受賞
・Design for Good / Design for Good - Experiential Design / Silver受賞
ADC Awards（ADC賞）は、広告美術団体「アート・ディレクターズ・クラブ（ADC）」が1921年に設立した世界で最も古い広告デザインの国際賞です。印刷広告、放送広告、インタラクティブ・メディア、グラフィック・デザイン、出版デザイン、パッケージング、写真、イラストレーションなど、広告をはじめとする全カテゴリーにおいて芸術性を重視した作品を対象としています。

■MAD STARS 2024 - https://www.madstars.org/

・Interactive / グランプリ受賞
・Innovation / Gold受賞
・Design / Bronze受賞
・SDGs / Bronze受賞
MAD STARS（マッドスターズ）は、韓国・釜山で開催される国際広告祭です。以前は「AD STARS」として知られていましたが、2022年に「Marketing（マーケティング）」「Advertising（広告）」「Digital content（デジタルコンテンツ）」の頭文字を取って「MAD STARS」に改名されました。この広告祭は、アジアで唯一、全世界から応募された広告作品を対象としています。プロフェッショナルだけでなく、一般の人も参加できる点が特徴で、無料で作品を出品することができます。また、マーケティングやデジタル領域にも焦点を当てており、AIを活用したマーケティングなど最新のトレンドも取り上げられています。

注釈：

^※1一般社団法人 WITH ALS（東京都港区、代表理事：武藤 将胤）ALSの課題解決を起点に、全ての人が自分らしく挑戦できるボーダレスな社会を創造することをミッションとして活動する団体。
（公式サイト）https://withals.com/

^※2Dentsu Lab Tokyo（東京都中央区）人の心を動かす表現開発や、いま世の中が求める社会の課題解決を実践している研究・企画・開発が一体となったクリエイティブのR＆D組織。
（公式サイト）https://dentsulab.tokyo/

^※3ALS（筋委縮性側索硬化症）は、運動神経が損傷し、脳から筋肉への指令が伝わらなくなることで、全身の筋肉が少しずつ動かしにくくなる病気です。体を自由に動かすことができなくなっても、脳の機能は変わらず、意識や考えもはっきりしています。

参考：

^●2023年6月14日 NTT ニュースリリース
ALS共生者の豊かなコミュニケーションに向けた取組みを開始～ALS進行による身体的な制約を解放し、自由に動き、表現し、他者と相互作用する世界をめざして～

^●2023年8月25日 NTT ニュースリリース
アルスエレクトロニカ・フェスティバルにて、ALS共生者が豊かな表現に挑戦～残されている身体機能を最大限に活用し、自身のアバターを介して会場と一体化～

^●2023年11月8日 NTT ニュースリリース
残存しているわずかな筋の動作をメタバースへの操作命令につなげる入力インタフェースを開発～重度身体障がい者の豊かなコミュニケーションや社会との豊かなつながりの実現に向けて～

^●2024年5月11日 CHI 2024
Exploring Potential of Electromyography-based Avatar Operation Using Residual Muscles of ALS Individuals: Case Study on Avatar DJ Performance