2024年11月15日
日本電信電話株式会社(以下、「NTT」)とNTTセキュリティホールディングス株式会社(以下、「NTTセキュリティ」)は、国際会議「CODE BLUE 2024」で新しいファジング技術を発表します。本技術は、ソフトウェアセキュリティのテストの1つであるファジングを行うために必要だった多くの手作業を自動化することで、多様なソフトウェアへの効率的なファジングを実現します。この技術を用いて、UbuntuのDebianパッケージから多くのバグと脆弱性を発見しました。これにより、NTTグループのサービス高度化とセキュリティの向上が期待されます。
「CODE BLUE 2024」は、日本で開催されるサイバーセキュリティ分野における産業系国際会議で、今年は350以上の応募の中から、わずか24件の採録となった競争率の高い会議です。本会議への採択は、サイバーセキュリティ分野のトップレベルの成果として認められたことを意味し、当該分野における研究者や実務者から大きな注目を集めます。
本技術は、ファジングを様々なソフトウェアに対して全自動で適用可能にします。ファジングとは、多様に変化させた入力を検査対象へ与え、クラッシュを引き起こさせることで脆弱性の元となるプログラム上の欠陥を見つけるセキュリティテスト手法です。近年、非常に多くの脆弱性がこのファジングにより発見されていることで注目を集めています。
従来、ファジングを行うためには、検査対象を起動するプログラムや検査対象への入力となるデータやファイルの準備を手作業で実施していました。本技術では、検査対象ソフトウェアのソフトウェアパッケージのビルド・テストプロセスを監視し、ファジングに必要な情報を自動収集することで、これら手作業を自動化することに成功しました。これにより、従来はセキュリティテストに多くのリソースをかけられなかった小規模なプロジェクトを含む多様なソフトウェアへのファジングの適用を可能にしました。本技術を利用し、Ubuntu 23.10のDebianパッケージを対象にファジングを実施し、265のパッケージから64,658件のクラッシュ、1,186件のバグを検出し、5件の脆弱性を特定しました。この成果はCVE・アドバイザリの発行にもつながりました。
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