2025年12月 2日
お知らせ
NTTコミュニケーション科学基礎研究所(以下、NTT CS研)は、東北大学・東京大学・理化学研究所・東京科学大学などと共同で、夜空の広域動画観測によりわずか0.5秒だけ光る閃光現象を1500個以上発見するとともに、その多くは人工衛星やスペースデブリが太陽光を反射して生じたものであることを示しました。NTT CS研は、保有するコンピュータビジョンに関する知見を活用し、天体動画像から閃光現象を自動的に検出する技術の選定および検証を行うことで、この結果の創出に貢献しました。この結果をまとめた論文は、宇宙物理学に関する主要国際論文誌The Astrophysical Journalに2025年11月25日付で掲載されました。
田中雅臣(東北大学・東京大学)、高橋一郎(東京科学大学)、吉田直紀(東京大学・理化学研究所)、上田修功(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)、木村昭悟(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)、他15名
私たちが夜空を見上げると、同じような星々が瞬いているように見えます。しかし実際の宇宙は、恒星の大爆発(超新星爆発)のように突発的でダイナミックな現象に満ちています。こうした「時間とともに変化する宇宙」を研究する分野は「時間領域天文学」と呼ばれ、世界中で活発に探求されています。
東北大学・東京大学・理化学研究所・NTT・東京科学大学らの研究者からなる研究グループは、東京大学 木曽観測所の広視野カメラ「Tomo-e Gozen」を用いて、世界で最も高感度な夜空の「広域動画観測」を行いました。その結果、わずか0.5秒だけ光る閃光現象を1500個以上発見しました。その多くは人工衛星やスペースデブリが太陽光を反射することで生じたもので、全天では1日に1000万回もの頻度で発生していることがわかりました。この結果により、可視光で「秒」スケールの突発天体現象を探す際に考慮すべき人工物体の影響が明らかになり、今後の突発天体探査に向けた重要な一歩となりました。また、観測から得られたデータは、これまで追跡が難しかったスペースデブリの存在を明らかにし、その数や性質を調べる新たな手法にもつながります。
本成果は共同研究パートナーの東北大学からプレスリリースされました(https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2025/11/press20251126-03-space.html)。
トピックスに記載している情報は、発表日時点のものです。
現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。
NTTとともに未来を考えるWEBメディアです。