
NTT グループ AI 憲章
はじめに
AI(人工知能)は、ディープラーニングに代表される技術革新により、急速に社会に浸透し、人間が意識しないうちに無数の AI が大小様々な課題を日々解決しています。一方、AI の利用が思わぬ差別や不当な行動制約や誘導をまねくことが危惧されています。また、AI の挙動と影響の大部分は未知数であり、期待と同時に不安も高まっています。
この不安を払拭し、AI を社会により一層深く浸透させるためには、その活用や研究開発に関わる企業である NTT グループおよびその社員、技術者が常に意識し、心がけておくべき基本的な方針が必要になります。
NTTグループAI憲章
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1.持続的発展の追求 (Enabling Sustainable Development)
AI はその適正な利用により、将来にわたり生命・社会全体の発展を支えることができる有益な技術です。我々は、様々な国や地域、コミュニティの規範を尊重しながら、AI の積極的研究開発と公正な社会実装により、その恩恵をすべての人が享受できるように努めることで公共性と企業性の双方の使命を果たすとともに、人と地球の持続的発展を追求します。
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2.人間主体の活用 (Human Autonomy)
AI は様々な社会課題を解決する新たな手段にとどまらず、人が意識する範囲を超えて社会に浸透し、人々の行動や生活環境、さらには個人や社会の意識にまで変化をもたらしつつある存在です。この AI をどのように設計し、どのように活用するかは、人間が主体的に判断することが求められています。我々は、AI に関する知識と AI の特性についての理解を不断の努力によって日々深め、人権の尊重や多様性への配慮などの社会規範に則って、これを適切に活用します。
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3.公平で開かれた姿勢 (Ensuring Fairness and Openness)
AI の動作結果には偏りが生じる可能性があります。我々は AI を活用した時でも公平さが保たれることを志向して、利用する人間の判断に不当な影響が起きないよう、データやアルゴリズムの特性の把握に努めます。さらにたとえ AI の動作の仕組みがさらに複雑になろうとも、その動作範囲や限界を適切に説明し、AI の透明性を高め、広く社会の声に耳を傾ける姿勢を堅持します。
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4.セキュリティ (Security)
AI はいかなる時にも安定した動作が求められます。我々はこうした AI の構築に努め、同時に AI の異常動作や不正利用が起きた時も迅速に対応し、AI のセキュリティを確保します。さらに AI の動作結果を自動化されたシステムに用いる場合は、その効用とともにリスクも大きくなります。我々は AI の動作とリスクを理解し、AI を用いたシステムの安全の確保に努めます。
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5.プライバシー (Privacy)
AI で用いられるデータの利用および流通において、通信の秘密を遵守し、個人情報の適正な取扱いを確保し、プライバシーを保護することで AI の安心を追求します。
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6.社会との対話と共創 (Communication & Co-creation with Society)
AI とそれを取り巻く環境は、今なおダイナミックに変化しており、社会との情報共有に始まる不断の対話が重要です。また AI の研究開発や事業展開をする中で、ステークホルダーの皆様との共創が不可欠です。我々は社会との対話と共創により、信頼される AI の普及と発展に貢献します。
1.持続的発展の追求 (Enabling Sustainable Development)
2.人間主体の活用 (Human Autonomy)
そのためには、AI を研究開発し世界に届ける我々が、専門家としての自覚と責任を持ち、AI の可能性や限界を含め、AI に関する知識と AI の特性についての理解を日々深める不断の努力が不可欠です。同時に、人権の尊重や多様性への配慮をはじめとする時代時代の社会規範に則って、AI の活用を進めることが必要です。
3.公平で開かれた姿勢 (Ensuring Fairness and Openness)
4.セキュリティ (Security)
5.プライバシー (Privacy)
6.社会との対話と共創 (Communication & Co-creation with Society)
一方、日進月歩に発展し多様化する AI の研究開発と事業展開には、我々だけの力では足りず、多様なパートナーとの共創が不可欠です。我々は社会との対話や共創を通じて、将来にわたって信頼される AI の普及と発展に貢献していきたいと考えています。