毎年スペイン・バルセロナで開催されるMobile World Congress、通称MWC。世界最大級の通信関連見本市として、世界各国から集まった多くの通信キャリア、通信ベンダー、端末メーカーなどが巨大な展示ホールに企業ブースを出展します。
2025年は3月3日(月)から6日(木)までの4日間で、10万人以上が来場。今回はMWCに出展したNTTグループのグローバルな取組みを紹介します。
NTTドコモは日本の和をモチーフにしたブースを出展。障子風のLEDに日本の四季風景が投影されるなど、メカニックで煌びやかな各国の展示と一線を引くデザインが会場内の目を引き、多くの方がブースの写真を撮影していました。
ブースの入口では、3月3日に報道発表「ケニア上空の高度約20kmの成層圏を飛行するHAPSを介したスマートフォンへのデータ通信実証に成功 | お知らせ | NTTドコモ」したHAPSの取組みに加えて、NTTグループの宇宙ビジネス戦略「NTT C89
」を紹介しました。通信衛星に観測衛星を加えた網羅的な取組みを、衛星の高度ごとに模型の高さを変えた展示を用いて、来場者へ説明しました。
また、昨年設立された株式会社OREX SAIが提供するOpen RANも展示。Open RANとは、無線基地局の仕様をオープンかつ標準化することにより、複数のベンダーの機器やシステムとの相互接続を可能とする無線アクセスネットワークのこと。MWCでは、プロジェクトの仲間づくりの推進に向けて、各国通信事業者との最新の取組みを紹介しました。
NTTコノキューデバイスが提供するXRグラス「MiRZA®(ミルザ)」のコーナーでは、遠隔作業支援サービス「NTT XR Real Support
」を組み合わせた書道体験を提供しました。「MiRZA」を使うことで、XRグラス上に見本を映しながら実際の筆で字を書くことができ、書き上げた文字をキーホルダーにしてプレゼントしました。
その他にもNTTコノキューが中心となり開発を進める大阪・関西万博のバーチャル会場「EXPO 2025 バーチャル万博~空飛ぶ夢洲」のデモンストレーションや、相手の感じ方に合わせて感覚を共有する技術「FEEL TECH®」。AIを活用した海外でのデジタル屋外広告事業(DOOH)などを紹介しました。
昨年NTTドコモが新たに定めたブランドスローガンは「つなごう。驚きを。幸せを。」。スローガンを体現するように、他の出展社と異なり来場者に楽しんでいただく参加型の展示が多く、参加者した方がまた別の仲間を連れてくる様子などがたくさん見られました。
NTTデータグループはグローバル事業を担うNTT DATA Incがブースを出展。主に海外のお客さまをご招待し、ブースはお客さまと営業担当者で常に賑わっていました。
ブース内では、生成AIやロボットを用いた業務改善ソリューションやIOWNの展示、講演などが行われていました。
IOWN展示は、AIなどで電力消費が進む社会の新たなICTインフラとして注目されるIOWN 2.0を紹介。コンピューティング分野へIOWNが導入されることで、データセンターなどの電力消費を8分の1まで低減する技術について光電融合デバイス(PEC)の展示や、コンピューティング(DCI)に関する動画で紹介しました。電力消費を低減するサーバーは大阪・関西万博でも実装予定です。
NTTグループでグローバルに通信サービスを提供するTransatelもブースを出展しました。
Transatelは、190以上の国と地域で使用可能なeSIMやIoT向けグローバルモバイルコネクティビティサービスを展開しており、2019年よりNTTグループの仲間に加わりました。
MWCの展示でも最も押し出していたeSIMサービス「Ubigi」は名だたるグローバル企業へ展開。例えばBMWの車両向け車内インターネット利用サービスとして、既に多くのお客さまにお使いいただいています。また「Ubigi」は個人向けでも利用できるようになっており、海外旅行でのお手軽なeSIMとしても知られています。
NTTグループのグローバル展開において欠かせない会社として、今後も目が離せません。
今回のMWCではIOWN Global Forumとしての初のブース出展も行われていました。IOWN Global Forumのメンバー企業のロゴが順々に表示される巨大なLEDディスプレイや、メンバー企業によるスライド展示、オール・フォトニクス・ネットワーク(APN)に関する取組みなどを展示。ブース内ではメンバー企業間での交流などが行われていました。
IOWN Global Forumでは3月4日(火)に4時間にわたるステージ講演も実施。川添副社長をはじめ、RedHat、Microsoft、KDDI、Ciena社などボードメンバーによるプレゼンテーションや、専門家らのパネルディスカッションが行われました。
「グローバルサステナブル社会を支えるNTT」をめざすことが中期経営戦略の柱の1つ。世界中のそうそうたる企業や多くの参加者が集まるMWCをきっかけとした、今後のNTTグループのグローバルな取組みに注目です。