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2026年3月10日

世界最大のモバイル関連展示会「MWC Barcelona 2026」基調講演レポート

代表取締役社長の島田明がスペインのバルセロナで開催された世界最大のモバイル関連展示会「MWC Barcelona 2026」にて「Photonics Unlocks an Intelligent, Power-Optimized Future」IOWNの光技術による低消費電力化の意義と、具体的なアプローチとして、光電融合デバイスの商用化や光量子コンピュータなどをテーマに基調講演に登壇いたしましたので、講演内容をお知らせいたします。

画像:世界最大のモバイル関連展示会「MWC Barcelona 2026」基調講演レポート

NTTは、世界有数のデータセンター事業者として、大規模なクラウドおよびAIインフラを支えています。
 また、先進技術と深い専門知識を融合した、フルスタックのテクノロジーサービス・インテグレーターでもあります。
 私たちが、今、どのインフラを選ぶかによって将来にわたる性能、レジリエンス、そして持続可能性が左右されます。

画像:世界最大のモバイル関連展示会「MWC Barcelona 2026」基調講演レポート

AI市場の拡大と電力需要の増加

AI市場は、かつてないスピードで成長しています。
 この10年で20倍、生成AIに至っては最大40倍に拡大すると見込まれています。
 しかし、この爆発的な成長は単独で起きているわけではありません。
 AI市場の加速とともに、より多くのデータセンター、より多くのサーバー、そして圧倒的な計算能力が求められています。それには電力需要の急激な増加、という代償が伴います。
 ここでNTTの出番です。
 私たちは、フォトニクス、すなわち光技術を活用し、AIが求める高性能を実現しながら、消費電力を大幅に削減するソリューションを提供します。

画像:AI市場の拡大と電力需要の増加

次世代インフラIOWN

現在のAIインフラは、電気配線を中心に構築されており、消費電力は指数関数的に増加しています。
 NTTは、電気を光に置き換える取組みを進めており、2032年までに消費電力を従来の100分の1に削減することをめざしています。
 これが、世界の変化するニーズに応える次世代インフラ、IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)の基盤です。

画像:次世代インフラIOWN

なぜ、電気配線を光配線に置き換えることで消費電力が削減できるのでしょうか。
 それは、AIに必要とされる超高速データ通信において、電気配線は短距離であっても多くの電力を消費するからです。
 一方、光はデータ量が増えても必要な電力は最小限であり、配線長による効率低下もほとんどありません。
 IOWNは、通信から計算までエンドツーエンドで光技術に置き換える、究極の低消費電力インフラです。
 これを可能にする中核技術が、PEC(Photonics-Electronics Convergence:光電融合)です。

画像:次世代インフラIOWN

2026年度PEC-2を商用化、さらにその先へ

次に、光技術を用いたIOWNの具体的な実装についてご紹介します。
 データセンター間接続を実現する第1世代デバイス PEC-1 は、すでに商用化されています。
 次のステップは、データセンター内部への光技術の導入です。
 PEC-2では、まずラック間、そしてサーバー内のボード間へと、コンピューティングシステム内部に光接続を展開します。
 さらに PEC-3 では、ボード上の半導体パッケージ間、最終的にはパッケージ内部のチップ間配線まで光化することをめざしています。
 これは、真の光半導体実現への道です。

画像:2026年度PEC-2を商用化、さらにその先へ

PEC-2を搭載し、2026年度に商用化予定の機器をご紹介します。
 こちらが、NTTのPEC-2デバイスを搭載したスイッチです。
 本システムは、NTTのPEC-2デバイスとBroadcomのスイッチ用データ処理チップを組み合わせ、Accton製のシャーシに統合しています。
 これにより、大規模AIスーパーコンピューターを高速・低消費電力で相互接続し、高度なAIワークロードを支えます。
 特長の一つは、実運用を見据えた設計です。
 各PEC-2デバイスは個別に着脱可能で、障害発生時にも迅速な交換が可能となり、高い運用信頼性を実現しています。

画像:2026年度PEC-2を商用化、さらにその先へ

2026年以降も、私たちは光技術を半導体内部回路へとさらに深化させ、さらなる省電力化に向けた研究開発を進めていきます。
 PEC-4では、2032年を目標に、従来システム比で最大100倍の電力効率向上を実現する見込みです。

画像:2026年度PEC-2を商用化、さらにその先へ

NTTが取組む光量子コンピュータ

私たちは量子コンピュータにも光技術を適用しています。
 従来の量子コンピュータは、極低温や真空といった特殊環境を必要とし、拡張性や電力効率に課題がありました。

画像:NTTが取組む光量子コンピュータ

NTTの光量子コンピュータは、常温・常圧で動作します。
 これにより消費電力を大幅に削減でき、高い拡張性によって優れたスケーラビリティを実現します。

現在、量子コンピュータはまだ実験段階にありますが、100万量子ビット規模に到達すれば、個々の患者に最適化された創薬や、新たなエネルギー資源の創出など、社会的に意義のある課題解決が可能になります。
 NTTは、2030年までに光量子方式で100万量子ビットの実現をめざしています。
 さらに将来、1億量子ビット規模を達成し、世界をリードする大規模量子コンピュータの実現を目標としています。

画像:NTTが取組む光量子コンピュータ

光技術でNTTが描く未来

光技術は、エネルギー消費と従来型計算の限界を突破します。
 AIの時代には、持続可能で、スケーラブルかつインテリジェントなシステムが不可欠です。
 量子の時代には、これまで不可能とされてきた解決策が現実のものとなります。
 NTTの目標は明確です。
 光を中核とした、省電力で持続可能な社会を実現します。

画像:光技術でNTTが描く未来

基調講演アーカイブ動画

関連リンク

世界最大のモバイル関連展示会「MWC Barcelona 2026」に出展
https://group.ntt/jp/newsrelease/2026/01/28/260128a.html

IOWN構想について
https://group.ntt/jp/group/iown/